2009年に設立し、日本人トレーダーにとっては海外FXの代名詞ともなっている超メジャーブローカーXM。豊富なボーナスや高い約定力、安定した出金実績などから高い人気を誇っており、当サイトの海外FX業者総合ランキングでも、長期間に渡って堂々の1位に輝いていますね。
そんなXMですが、FX取引の際に気にしたい要素であるスプレッドに関しては、やや広めと言われます。確かに極狭スプレッドを売りにしているブローカーと比べれば広めですが、実際はXMのスプレッドは平均的と言えるかも知れません。XMの魅力はスプレッドそのものよりも、ボーナスやロイヤルティプログラムを含めた総合的な取引コストの小ささにあると言えるでしょう。
そこで本記事では、XMのスプレッドの特徴や他業者との比較、そして実質的な取引コストを下げる方法について詳しく解説していきたいと思います。
XMの評判や特徴、メリット・デメリットなどについては下記の記事に詳しくまとめています。XMという海外FX業者についてより詳しく知りたいという人は参考にしてください。
XMのスプレッドの特徴
まずはXMのスプレッドについて、基本的な情報を確認していきましょう。
XMのスプレッドは変動制
スプレッドの方式は、大きく分けて変動制と固定制の2種類がありますが、XMではすべての口座タイプで、海外FXとしては一般的な変動制のスプレッドを提供しています。
変動制スプレッドでは、市場で取引が活発にされる時間帯(東京・ロンドン・ニューヨークなどの主要な市場が会場している時間帯)ではスプレッドの平均値は狭くなり、トレーダーにとってはより有利な条件で取引できます。ただし、市場での取引が少ない時間帯や大きな政治・経済のイベント時には、瞬間的にスプレッドが広がることもあるため注意が必要ですね。
固定スプレッドは、さらに完全固定制や原則固定制などに分けられますが、基本的な考え方としては、やや広めの代わりに一定のスプレッドを提供する、と言うものになります。海外FXでは、固定制スプレッドの口座タイプを提供している業者は少数派です。
XMのスプレッド水準
まず、国内FX業者のスプレッドと、海外FX業者であるXMのスプレッドを比較した場合、国内FX業者の方が狭いスプレッドを提供している場合がほとんどでしょう。これは一般的な国内FXと海外FXとでは、取引方式がDD方式(国内FX)・NDD方式(海外FX)と異なることが理由であり、それぞれメリット・デメリットが存在します。そのため、一概に「スプレッドが狭い国内FXの方が良い」とは言い切れませんね。
DD方式とNDD方式の違いやそれぞれのメリット・デメリットは下記に詳しくまとめています。
XMにはスタンダード口座などのSTP口座と、XM Zero口座などのECN口座が存在しますが、このうちスタンダード口座のドル円のスプレッドは、だいたい1.5〜1.6pips前後。海外FXの中で考えれば、スプレッドの狭さに定評があるTitanFXのスタンダード口座で、ドル円のスプレッドはだいたい1.1〜1.3pips前後となっているため、XMのスプレッドは比較的広めと言えるでしょう。
ただ、業者によってはドル円で2pips前後のスプレッドを示していることもあり、それと比べればXMのスプレッドは実用的です。よく「XMのスプレッドは広め」と言われますが、海外FX全体の中では中間程度の水準と言えるのではないでしょうか。
続いてXM Zero口座ですが、ドル円では最狭0pipsからのスプレッドを提供しています。ECN口座に関してはスプレッドの面で競争力があると言えるでしょう。
XMの平均スプレッド
ここからは、XMの各口座タイプ、各通貨ペアの平均スプレッドを確認していきたいと思います。
ECN口座であるXM Zero口座の場合は、スプレッドとは別に取引手数料がかかります。手数料はすべての通貨ペアで往復取引10ドルとなり、pipsに換算するとこれは1pipsになりますね。そのためZero口座のようなECN口座の実質の取引コストを見る場合は、スプレッド+手数料の合計も確認するようにしましょう。
メジャー通貨ペアの平均スプレッド(単位はpips)
通貨ペア | スタンダード口座 (マイクロ口座) | XM Zero口座 (スプレッドのみ) | XM Zero口座 (スプレッド+取引手数料の総コスト) |
EURUSD | 1.7 | 0.1 | 1.1 |
GBPUSD | 2.4 | 0.3 | 1.3 |
USDJPY | 1.6 | 0.1 | 1.1 |
AUDUSD | 1.9 | 0.4 | 1.4 |
USDCAD | 2.2 | 0.5 | 1.5 |
USDCHF | 2.1 | 0.4 | 1.4 |
それ以外の通貨ペアの平均スプレッド(単位はpips)
通貨ペア | スタンダード口座 (マイクロ口座) | XM Zero口座 (スプレッドのみ) | XM Zero口座 (スプレッド+取引手数料の総コスト) |
AUDCAD | 3 | 1 | 2 |
AUDCHF | 3 | 1.1 | 2.1 |
AUDJPY | 3.3 | 1.2 | 2.2 |
AUDNZD | 4 | 1.7 | 2.7 |
CADCHF | 3.7 | 1.9 | 2.9 |
CADJPY | 3.4 | 1.4 | 2.4 |
CHFJPY | 3.3 | 1.1 | 2.1 |
CHFSGD | 25 | 17.5 | 18.5 |
EURAUD | 3 | 0.9 | 1.9 |
EURCAD | 3.3 | 0.9 | 1.9 |
EURCHF | 2.7 | 0.9 | 1.9 |
EURDKK | 35 | 18 | 19 |
EURGBP | 2 | 0.3 | 1.3 |
EURHKD | 33 | 15 | 16 |
EURHUF | 59 | 49 | 50 |
EURJPY | 2.3 | 0.4 | 1.4 |
EURNOK | 97 | 82 | 83 |
EURNZD | 4 | 2.7 | 3.7 |
EURPLN | 65 | 50 | 51 |
EURRUB | 456 | 364 | 365 |
EURSEK | 72 | 52 | 53 |
EURSGD | 17 | 9 | 10 |
EURTRY | 210 | 195 | 196 |
EURZAR | 182 | 142 | 143 |
GBPAUD | 4.3 | 2 | 3 |
GBPCAD | 5.6 | 2.2 | 3.2 |
GBPCHF | 4.6 | 2 | 3 |
GBPDKK | 55 | 33.6 | 34.6 |
GBPJPY | 3.6 | 1.2 | 2.2 |
GBPNOK | 118 | 69.5 | 70.5 |
GBPNZD | 7 | 3.6 | 4.6 |
GBPSEK | 134 | 105 | 106 |
GBPSGD | 31 | 14 | 15 |
NZDCAD | 4.1 | 1.9 | 2.9 |
NZDCHF | 4 | 2.7 | 3.7 |
NZDJPY | 3 | 2 | 3 |
NZDSGD | 28 | 20 | 21 |
NZDUSD | 2.7 | 1 | 2 |
SGDJPY | 20 | 14.3 | 15.3 |
USDCNH | 3.6 | Zero口座では取り扱いなし | Zero口座では取り扱いなし |
USDDKK | 36 | 12 | 13 |
USDHKD | 2.8 | 1.3 | 2.3 |
USDHUF | 51 | 33.4 | 34.4 |
USDMXN | 239 | 166 | 167 |
USDNOK | 87 | 59 | 60 |
USDPLN | 52 | 31.9 | 32.9 |
USDRUB | 437 | 306 | 307 |
USDSEK | 82 | 65 | 66 |
USDSGD | 21 | 15 | 16 |
USDTRY | 140 | 126 | 127 |
USDZAR | 14 | 9 | 10 |
XMのリアルタイムスプレッド
続いて、XMの各口座タイプ、各通貨ペアのリアルタイムスプレッドを確認していきたいと思います。以下は、日本時間で2020年11月9日17時台の、メジャー通貨ペアのリアルタイムスプレッドの実測値です。
通貨ペア | スタンダード口座 | XM Zero口座 (スプレッドのみ) | XM Zero口座 (スプレッド+取引手数料の総コスト) |
EURUSD | 1.6 | 0.0〜0.1 | 1.0〜1.1 |
GBPUSD | 2.0〜2.6 | 0.0〜0.2 | 1.0〜1.2 |
USDJPY | 1.5 | 0.0〜0.1 | 1.0〜1.1 |
AUDUSD | 1.6〜1.9 | 0.4〜0.6 | 1.4〜1.6 |
USDCAD | 1.7〜0.2 | 0.3〜0.5 | 1.3〜1.5 |
USDCHF | 1.9〜2.1 | 0.4 | 1.4 |
※単位はpipsです
今回は、取引量が多いとされるメジャー6通貨ペアのリアルタイムスプレッドをピックアップしました。今回の調査では、メジャー通貨ペアでは平均スプレッド内にリアルタイムスプレッドも収まっていましたが、他の取引量が少ない通貨ペアの中には、平均スプレッド以上のリアルタイムスプレッドが見られるものもありますね。変動スプレッド制では、相場の流動制やボラティリティによって、その時々のスプレッドは広がる場合があるため注意が必要です。
XMと他業者とのスプレッド比較
続いて、XMと他業者のスプレッドを比較してみましょう。
スタンダード口座のスプレッド比較
まず最初は、スタンダード口座(またはその位置付けの口座タイプ)のスプレッド比較です。スタンダード口座の取引コストはスプレッドのみとなり、取引手数料はかかりません。
また、以下に比較している7社では取引方式に違いがある(NDD方式またはDD方式)場合もあるため、あくまでスプレッド比較の参考としてください。
通貨ペア | XM![]() | GemForex![]() | FBS![]() | Axiory![]() | TitanFX![]() | iForex![]() | HotForex![]() |
EURUSD | 1.7 | 1.6 | 1.1 | 1.3 | 1.2 | 0.7 | 1.2 |
GBPUSD | 2.4 | 2.2 | 0.9 | 1.5 | 1.57 | 1 | 1.8 |
USDJPY | 1.6 | 1.6 | 2 | 1.3 | 1.33 | 0.8 | 1.7 |
AUDUSD | 1.9 | 1.5 | 0.8 | 1.7 | 1.52 | 0.8 | 1.5 |
USDCAD | 2.2 | 2 | 3 | 2 | 1.55 | 2 | 1.9 |
USDCHF | 2.1 | 1.9 | 7 | 1.7 | 1.92 | 1.5 | 1.9 |
※単位はpips
ECN口座のスプレッド比較
続いて、各業者が提供しているECN口座のスプレッド比較です。ECN口座ではスプレッド以外に取引手数料が加算されるので、それぞれの業者の取引手数料を確認したのちに、スプレッドを比較していきましょう。
各業者のECN口座での取引手数料
XM![]() | FBS![]() | Axiory![]() | TitanFX![]() | HotForex![]() | |
1ロット往復取引手数料 | 10ドル | 6ドル | 6ドル | 7ドル | メジャー通貨ペアは6ドル それ以外の通貨ペアは8ドル |
取引手数料のpips換算 | 1pips | 0.6pips | 0.6pips | 0.7pips | 0.6pips/0.8pips |
各業者のスプレッド比較(括弧内は取引手数料を含めた取引コスト)
通貨ペア | XM![]() | GemForex![]() | FBS![]() | Axiory![]() | TitanFX![]() | HotForex![]() |
EURUSD | 0.1(1.1) | 0.3 | 0.0(0.6) | 0.3(0.9) | 0.2(0.9) | 0.2(0.8) |
GBPUSD | 0.3(1.3) | 1.3 | 0.5(1.1) | 0.5(1.1) | 0.57(1.27) | 0.5(1.1) |
USDJPY | 0.1(1.1) | 0.3 | 0.3(0.9) | 0.3(0.9) | 0.33(1.03) | 0.3(0.9) |
AUDUSD | 0.4(1.4) | 0.3 | 0.3(0.9) | 0.6(1.2) | 0.52(1.22) | 0.4(1.0) |
USDCAD | 0.5(1.5) | 0.8 | 0.6(1.2) | 0.8(1.4) | 0.55(1.25) | 0.5(1.1) |
USDCHF | 0.4(1.4) | 0.3 | 0.5(1.1) | 0.4(1.0) | 0.92(1.62) | 0.5(1.1) |
※単位はpipsです
※GemForexのノースプレッド口座はECN口座ではないため、取引手数料はありません。今回は低スプレッド口座の括りとして参考までに比較しています
XMでは実質の取引コストは下げられる
ここまではスプレッドのみに注目してきましたが、XMのスタンダード口座やマイクロ口座ではロイヤリティプログラムや各種ボーナスキャンペーンも活用できます。ここからは各種キャンペーンも含めた、XMの取引コスト全体について見ていきましょう。
ロイヤルティプログラムを活用すれば、取引コストの圧縮が可能
XMにはロイヤルティプログラムというものが用意されており、取引量に応じたボーナスまたは現金の還元システムが存在します。ロイヤルティプログラムのメリットは、入金ボーナスとは違い還元額に上限の設定がないことでしょう。
ロイヤルティプログラムにはいくつかのステータスがありますが、ランクを上げることは難しくありません。XMでリアル口座を開設し、継続的に取引をしながら100日以上が経過すると、最上位のエリートステータスまで上げることができます。その際、特に取引ロット数のノルマはありません。
エリートステータスでは、1ロット(10万通貨)の取引あたり、およそ6.66ドル(相当額)のボーナス還元を受けることが可能です。これはpipsに換算すると約0.66pipsとなり、これはある意味で取引コストを圧縮できる存在と考えることもできますね。
例として、スタンダード口座でドル円を1ロット取引する場合を考えてみましょう。スタンダード口座のドル円のスプレッドは狭い時で1.5pips程度ですが、ロイヤリティプログラムによる6.66ドル(0.66pips)のボーナス還元を含めた場合、合計の取引コストとしては0.84pips程度に抑えることができます。
一般的にスキャルピングの舞台はECN口座がメインですが、XMの場合はボーナスやロイヤルティプログラムにおけるコスト削減を考えると、取引手数料がかからないスタンダード口座でのスキャルピングも、十分可能と言えるのではないでしょうか。
スプレッドの確認方法
XMの各シンボルのスプレッドは、XMの公式サイトまたはMT4/MT5から確認できます。
XM公式サイトからの確認方法
XM公式サイトからスプレッドを確認するには、メニューの中の「取引」→「取引商品」→「FX取引」と進みます。
ページを少し下にスクロールすると、「FX取引のスプレッド / 取引条件」が表示され、ここで各口座タイプの最低スプレッドと平均スプレッドを確認できます。
MT4/MT5から確認方法
MT4/MT5ではリアルタイムスプレッドを確認できます。
気配値表示を開き、「通貨ペア/Bid/Ask」とある欄を右クリックしてメニューを開きます。
メニューの中の「スプレッド」をクリックすると、気配値にリアルタイムスプレッドが表示されます。
ただしこちらの表の中のスプレッドの単位は「point」です。もし「15」と表示されていた場合は、「15point=1.5pips」となりますので、その点は注意しましょう。
XMのスプレッドが狭い時間帯、広い時間帯
XMは変動スプレッド制ですので、時間帯や相場状況によってスプレッドが変化します。最後に取引を行う際には注意したい、狭いスプレッドで取引しやすい時間帯や、広がりやすい時間帯について確認したいと思います。
狭いスプレッドで取引できる時間帯
狭いスプレッド、つまり平均スプレッド内で取引をするには、取引が活発に行われる主要な市場が会場している時間帯を狙うべきでしょう。主要な市場とは「東京・ロンドン・ニューヨーク」の三大市場のことで、日本時間で言うとだいたい9時前から深夜の間です。
ニューヨーク市場自体は日本時間の早朝6時(夏時間では5時)ごろまで開場していますが、市場の1日が終わる時間帯は取引が鈍くなりやすく、またロールオーバーの時間帯とも重なってきますので、注意しましょう。
スプレッドが広がりやすい時間帯
スプレッドは、相場の流動性が低い時間帯や、ボラティリティがある時などに広がる傾向があります。
相場の流動性が低い時間帯とは、日本時間で言うと早朝6時前後(夏時間では5時前後)ですね。この時間帯は主要市場が閉場し取引量が少なくなるだけではなく、各業者がロールオーバー(ポジションの引き継ぎ)処理のために取引ができなくなる場合が多く、流動性は急激に下がります。
また、注目される指標発表時や要人発言などで急な値動きが見られる場合も、スプレッドは広がりやすくなります。
まとめ
XMのスプレッドは、低スプレッドを売りにしている海外FX業者に比べれば広めですが、十分実用の範囲内と言えるでしょう。スタンダード口座やマイクロ口座では、ボーナス等による取引コストの低減も期待できます。
また、一般的にスキャルピングは低スプレッドが向いていると考えられており、その点ではXMのスプレッドは候補に上がることは少ないかも知れません。しかしXMのスタンダード口座などは、色々な取引コスト削減の工夫をしやすい特徴があります。「ECN口座の取引手数料が苦手…」と言う方にとっては、XMのスタンダード口座もスキャルピングの口座として候補に上げてみても良いでしょう。
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