2014年からFX事業を開始し、現在はニュージーランド金融ライセンスを得て運営している海外FX業者GemForex。豪華な各種ボーナスや、日本のユーザに向けた手厚いサポート体制、そして何よりも安定した出金実績を誇っていることから、海外FX業者ランキングでも上位に位置する人気の高い海外FXの1社となっています。
GemForexには無料のEA提供などユニークなサービスがたくさんありますが、スプレッドもその中の1つでしょう。GemForexのノースプレッド口座は一般的な海外FXにおけるECN口座とは異なりますが、ドル円で最小0pipsという低スプレッドを実現しており、取引手数料もないため、極限まで取引コストをなくしたいトレーダーにとっては興味深い口座タイプではないでしょうか。
そこで本記事では口座タイプごとのスプレッドや、他の海外FX業者のスプレッドとの比較を通して、GemForexのスプレッドについて詳しく解説していきたいと思います。
スプレッドなどを含めたGemForexの全体的な評判や特徴、メリット・デメリットについては、下記の記事に詳しくまとめています。
GemForexのスプレッドの特徴
まずは、GemForexのスプレッドの概要について、スプレッド方式や特徴的なサービスを確認していきましょう。
GemForexのスプレッドは変動制
GemForexでは、主に「オールインワン口座」と「ノースプレッド口座」と言う2つの口座タイプを提供していますが、どちらの口座タイプも変動制のスプレッドとなっています。
FX業者が提供するスプレッドの方式には、大きく分けて変動制と固定制があり、それぞれの特徴は以下の通りですね。
変動制スプレッド | マーケットの動きや流動性に応じて変化するスプレッド方式。主要市場が開場し取引が活発な時間帯は、スプレッドの平均値は安定して狭いが、流動性が低い時間帯や、注目される指標発表・要人発言で急激にボラティリティが大きくなる場合は、スプレッドが瞬間的に広がる場合もある。 |
固定制スプレッド | 固定制スプレッドの場合、常に一定のスプレッドを提供する代わり、やや広めのスプレッド設定となる。固定制スプレッドは、原則固定と完全固定に分けられるが、そのいずれも今日の海外FXでは取り扱う口座は少ない。 |
ノースプレッド口座では極狭スプレッドを提供
GemForexのノースプレッド口座は、ECN口座レベルの非常に狭いスプレッドを提供しつつ、取引手数料がないと言う、取引コストの少なさでは優秀な口座タイプですね。
例えば、主要3通貨ペアでの平均スプレッドは以下のようになっています。
通貨ペア | ノースプレッド口座の平均スプレッド |
EURUSD | 0.3pips |
GBPUSD | 1.3pips |
USDJPY | 0.3pips |
海外FX業者における通常のECN口座であれば、スプレッドに加えて取引手数料(1ロットの往復取引あたりの5〜10ドル程度=pips換算で0.5〜1pips)がかかってきますが、GemForexのノースプレッド口座にはそれがありません。純粋に極狭のスプレッドだけの取引コストになるため、取引全体のコストとして少なく、さらにわかりやすいのが特徴と言えるでしょう。
ただこのノースプレッド口座は取引コストが非常に少ないものの、制限なく利用できる訳ではありません。以下のようなルールがあることに注意しましょう。
- 30万円以上の初回入金額が必要
- 裁量トレード専用口座になるため、EA・ミラートレードは利用不可
- ボーナスは受け取ることができない
GemForexの取引方式について
海外FX業者が実際にどのような取引方式を採用しているかは、一般に公式サイトでの表記や取引条件などから判断するしかありません。GemForexは多くの国内FX業者のようにDD方式を採用していると言われることがありますが、公式サイトの記事の中では自社がSTP取引を行っていると明言しています。
しかし同時に公式FAQでは、取引ロット数が大きくなれば約定は難しくなること、スキャルピングは認めているが極端な取引は避けた方が良いこと、などを記載しています。これらを考えると、ある程度はGemForex側が取引を仲介している可能性は高いですね。
スプレッドを含めた取引コストの少なさで極めて魅力的なノースプレッド口座ですが、一般的なNDD-ECN口座のように、ロット数が大きく取引回数の多いスキャルピングも問題なくできるような仕様ではないと考えておいた方が無難かも知れません。逆に取引方式を気にしないのであれば、手数料無料のノースプレッド口座は利用価値が高いと言えるでしょう。
GemForexの公称スプレッド
ここからは、口座タイプ/通貨ペアごとのスプレッドを確認したいと思います。GemForexのオールインワン口座とノースプレッド口座の公称スプレッドは、公式サイトによると下記のようになっています。
メジャー通貨ペア(単位はpips)
通貨ペア | オールインワン口座 | ノースプレッド口座 |
EURUSD | 1.6 | 0.3 |
GBPUSD | 2.2 | 1.3 |
USDJPY | 1.6 | 0.3 |
AUDUSD | 1.5 | 0.3 |
USDCAD | 2 | 0.8 |
USDCHF | 1.9 | 0.3 |
マイナー/エキゾチック通貨ペア(単位はpips)
通貨ペア | オールインワン口座 | ノースプレッド口座 |
CHFJPY | 2.1 | 1.5 |
AUDCAD | 2.5 | 2.4 |
AUDJPY | 1.6 | 0.6 |
AUDNZD | 2.3 | 1.9 |
AUDCHF | 2.4 | 1.4 |
CADJPY | 2 | 1.2 |
EURAUD | 2.3 | 1.5 |
EURCAD | 2.2 | 2 |
EURCHF | 2 | 0.7 |
EURGBP | 1.8 | 0.3 |
EURJPY | 1.7 | 0.5 |
EURNZD | 3.2 | 3.1 |
EURZAR | 102.8 | 68.3 |
GBPAUD | 3.2 | 3.1 |
GBPCHF | 3.1 | 1.6 |
GBPJPY | 2.2 | 1 |
GBPNZD | 3 | 2.9 |
GBPCAD | 3.3 | 2.4 |
NZDJPY | 2.1 | 1.2 |
NZDUSD | 1.8 | 1.1 |
USDCNH | 17.4 | 17.3 |
USDSGD | 3.3 | 3.2 |
USDTRY | 22 | 20.3 |
USDMXN | 55 | 53.3 |
USDZAR | 16 | 15 |
XAUUSD | 3 | 2.1 |
XAGUSD | 2.1 | 2 |
GemForexのリアルタイムスプレッド
続いて、GemForexのリアルタイムスプレッドを、各口座タイプのメジャー通貨ペアから確認しましょう。リアルタイムスプレッドは、MT4の気配値表示ウィンドウで表示させることが可能です。以下は、2020年11月25日の日本時間で17時台の実測値です。
通貨ペア | オールインワン口座 | ノースプレッド口座 |
EURUSD | 1.6〜1.8 | 0.4〜0.5 |
GBPUSD | 2.1〜2.4 | 1.3〜1.6 |
USDJPY | 1.6 | 0.3〜0.5 |
AUDUSD | 1.5 | 0.5〜0.7 |
USDCAD | 2.0〜2.1 | 0.8 |
USDCHF | 1.9〜2.0 | 0.8〜1.0 |
GemForexと他業者とのスプレッド比較
続いて、GemForexと他の主要な海外FX業者とのメジャー通貨ペアのスプレッドを、口座タイプごとに比較したいと思います。
スタンダード口座のスプレッド比較
まずは主要な海外FX業者の、スタンダード口座に相当する口座タイプ同士のスプレッドを比較しましょう。
通貨ペア | GemForex![]() | XM![]() | FBS![]() | Axiory![]() | TitanFX![]() | iForex![]() | HotForex![]() |
EURUSD | 1.6 | 1.7 | 1.1 | 1.3 | 1.2 | 0.7 | 1.2 |
GBPUSD | 2.2 | 2.4 | 0.9 | 1.5 | 1.57 | 1 | 1.8 |
USDJPY | 1.6 | 1.6 | 2 | 1.3 | 1.33 | 0.8 | 1.7 |
AUDUSD | 1.5 | 1.9 | 0.8 | 1.7 | 1.52 | 0.8 | 1.5 |
USDCAD | 2 | 2.2 | 3 | 2 | 1.55 | 2 | 1.9 |
USDCHF | 1.9 | 2.1 | 7 | 1.7 | 1.92 | 1.5 | 1.9 |
低スプレッド口座のスプレッド比較
続いて、低スプレッド口座(ECN口座)同士の比較を行いたいと思います。GemForexのノースプレッド口座は一般的なECN口座ではありませんが、今回は低スプレッド口座の括りとして参考までに比較しています。
低スプレッド口座(ECN口座)の比較の前に、各海外FX業者のECN口座での取引手数料を確認したいと思います。以下は1ロット(10万通貨)で取引した際の往復取引の手数料と、それをpipsに換算した表です。
XM![]() | FBS![]() | Axiory![]() | TitanFX![]() | HotForex![]() | |
往復取引手数料 | 10ドル | 6ドル | 6ドル | 7ドル | メジャー通貨ペアは6ドル、それ以外の通貨ペアは8ドル |
手数料のpips換算 | 1pips | 0.6pips | 0.6pips | 0.7pips | 0.6pips/0.8pips |
続いて各海外FX業者の低スプレッド口座のスプレッド比較です。カッコ内は取引手数料を含めた総コストです。(単位はpips)
通貨ペア | GemForex![]() | XM![]() | FBS![]() | Axiory![]() | TitanFX![]() | HotForex![]() |
EURUSD | 0.3 | 0.1(1.1) | 0.0(0.6) | 0.3(0.9) | 0.2(0.9) | 0.2(0.8) |
GBPUSD | 1.3 | 0.3(1.3) | 0.5(1.1) | 0.5(1.1) | 0.57(1.27) | 0.5(1.1) |
USDJPY | 0.3 | 0.1(1.1) | 0.3(0.9) | 0.3(0.9) | 0.33(1.03) | 0.3(0.9) |
AUDUSD | 0.3 | 0.4(1.4) | 0.3(0.9) | 0.6(1.2) | 0.52(1.22) | 0.4(1.0) |
USDCAD | 0.8 | 0.5(1.5) | 0.6(1.2) | 0.8(1.4) | 0.55(1.25) | 0.5(1.1) |
USDCHF | 0.3 | 0.4(1.4) | 0.5(1.1) | 0.4(1.0) | 0.92(1.62) | 0.5(1.1) |
無料EAやミラートレードサービス利用時のスプレッドは?
GemForexと言えば、無料で利用できるEA使い放題サービスやミラートレードサービスが人気ですね。元々は無料EAサービスの会社として始まっていることもあり、システムトレードには強みがあります。現在のサービスも自社のシステムを利用しているため、他業者ではあるとされるスプレッド以外の上乗せ手数料はありません。
GemForexの無料EAやミラートレードサービスはオールインワン口座でのみ利用できますので、スプレッドもオールインワン口座のものが当てはまります。
GemForexには取引コストを低減するキャッシュバック系ボーナスはなし
取引量に応じて取引コストが還元されるキャッシュバック系ボーナスでは、取引コストの低減効果があります。例えばXMのロイヤルティプログラムでは1ロットあたり最大6.6ドルのボーナス、またFBSのキャッシュバックオプションでは通貨ペアにより1ロットあたり2〜15ドルの現金によるキャッシュバックが受けられます。
GemForexには残念ながらそうしたキャッシュバックシステムはありません。しかし、それに変わるものとして高額なボーナスキャンペーンがありますね。新規口座開設で1万円〜2万円のウェルカムボーナス、また高額な入金ボーナスも時々行われています。
口座開設ボーナスや入金ボーナスは、スプレッドを狭くすることに直接は繋がりませんが、全体的な取引コストを小さくするためには、ボーナスを活用した方が有利に取引できると言えます。
GemForexの豪華ボーナスキャンペーンの詳細は下記にまとめています。
GemForexのスプレッドの注意点
GemForexのスプレッドは変動制のため、平均的なスプレッドで取引できる時間帯と、スプレッドが広がるため取引はなるべく避けるべきタイミングがあります。
平均的なスプレッドで取引できる時間帯は、東京市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場が開場するのに合わせた、取引が活発に行われる時間帯です。
反対にスプレッドが広がりやすい時間帯は、日本時間で言うと、東京市場が開場する前の朝方の時間帯や、ニューヨーク市場が閉場に向かう深夜から早朝の時間帯です。特に早朝は、各業者がロールオーバーやメンテナンスを行うため流動性は極端に下がります。スプレッドも拡大するため、注意が必要です。
また、重要な指標発表や要人発言によりボラティリティが大きくなる場合も、スプレッドは広がる場合があるため注意しましょう。
まとめ
GemForexのスプレッドは、オールインワン口座では平均的と言えますが、ノースプレッド口座では取引手数料がなく非常に狭いスプレッドのみでの取引が可能です。初回入金30万円以上という設定はハードルが高めですが、取引コストを抑えたいトレーダーには挑戦する価値があるかも知れませんね。
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