日本のトレーダーから最も多くの支持を集めている人気海外FX業者XM。実際に口座を開設し、トレードをしているという人も多いのではないでしょうか。そんなXMでは1,000倍(2022年6月14日より888倍から1,000倍に引き上げ)という非常に高いレバレッジが適用できますが、そうなると気になってくるのがロスカットの存在ですね。普通にトレードをする場合はもちろん、ハイレバレッジで攻めるスタイルであれば、XMのロスカットについてはよく知っておく必要があります。
XMのロスカット水準は、証拠金維持率が20%以下になった場合と決められています。資金が大きく減ったらロスカットになると言うことは想像できますが、XMの具体的なロスカットルールや、証拠金維持率の考え方が分からないと、実際にどんな時にロスカットになるのかは分かりにくいですよね。
そこで本記事では、XMの細かいロスカットルールはもちろん、ロスカットの計算方法や実戦的なシミュレーションを通して、XMのロスカットについて分かりやすく解説したいと思います。
XMの全体的な評判や特徴、メリット・デメリットは下記に詳しくまとめています。
ロスカットの概要
ロスカットとは、顧客の資金を守るために、含み損が出ているポジションをFX業者が強制的に決済すること。別の言い回しで「強制ロスカット」と表現される場合もありますが、ロスカットはFX業者のルールに基づいて強制的に行われるもなので、ロスカットと強制ロスカットは同じもの考えておけば大丈夫です。
よく似た言葉に、「ストップロス」と言うものがありますね。ストップロスは、いわゆる損切りのことです。ポジションの損失が拡大しないように決済する、と言う意味ではよく似ていますが、ストップロスはトレーダーが自分の意思で行う、という違いがありますね。
ロスカットもストップロスも、一言で言えば損切りのことですが、誰が行うのかという違い以外に、「行われるタイミング」の違いがあります。ストップロスはトレーダーが自分の意思で好きな時に行えますが、ロスカットは「規定の証拠金維持率を下回った時に」自動的に実施されるというわけですね。
次の項目ではこの「証拠金維持率を下回った時」とはどう言う時なのかを、詳しく解説していきたいと思います。
ロスカットの計算方法
XMでは上記画像の通り、証拠金維持率が20%以下になるとロスカットになります。この水準を、「ロスカット水準」または「ロスカットレベル」と呼びますね。ロスカット水準の設定はFX業者により様々で、100%のブローカーもあれば、iForexのように0%、つまりロスカットそのものが存在しないブローカーも存在します。
よく勘違いされやすいことですが、20%以下でロスカットと言っても、これは口座残高が2割を切ったらトレードできなくなる、という意味ではありません。さらに、証拠金維持率はポジションの大きさによって変わるので、実際に計算するとなると少々難しいのも特徴です。ここでは考え方も含めたロスカットの計算方法を、一つずつ説明していきたいと思います。
証拠金とは
ロスカットを考えるために、まず押さえておきたいのが「証拠金」。証拠金とは、残高(出金可能な現金分)とボーナスを含めた、口座にあってトレードに使える資金を指します。FX業者によっては、ロスカットの計算にボーナスを含まないところもありますが、XMのロスカット計算では、ボーナスを含む残高すべてが証拠金に含まれます。
必要証拠金と有効証拠金の計算方法
ロスカットは、単に「取引量が大きいから」「証拠金が少ないから」と言う理由では起きません。証拠金に対する取引量の割合が重要で、それを考えるために必要なのが必要証拠金の算出ですね。必要証拠金とは、ポジションを持つために必要な証拠金の量のことで、以下の式から求めることが出来ます。
例えば、XMのレバレッジ1,000倍を適用した口座において、1ドル=100円の時にドル円で1万通貨のポジションを持つ場合は、以下のようになりますね。
つまり必要証拠金は1,000円ということになります。
慣れると感覚でわかってきますが、実際に毎回計算をするとなると少々難しいかもしれませんね。そんな時はXMの公式サイトに下記のような「証拠金計算機」と言うページが用意されていますので、そちらを活用するようにしましょう。
さらに有効証拠金とは、ポジションの含み損益を含めた、その時点での暫定的な証拠金の総額です。これは以下の式から求めることが出来ますね。
有効証拠金も、ロスカット水準の元になる証拠金維持率を計算する上で、とても重要なものとなります。
証拠金維持率の計算方法
証拠金維持率とは、ポジションを持っている時に、「そのポジションが証拠金をどれくらい圧迫しているか」を示す指標となり、以下の式から求めることが出来ます。
やや難しいように感じますが、要点を一言で言えば「証拠金に対して大きな取引数量でトレードした場合、含み損が出始めると証拠金維持率の下がり方も早くなる」ということです。
つまり、証拠金が数千円しかなければロスカットになりやすい、という訳でもありませんし、証拠金が何百万もあればロスカットになりにくい、という訳でもありません。あくまで証拠金と取引数量のバランスが大事ということですね。
ポジションを持っている場合の証拠金維持率の確認方法
現在持っているポジションの証拠金維持率は、MT4のような取引ツールから簡単に確認することが出来ます。
ポジションを保有している場合は、取引画面(MT4の場合はターミナル、MT5の場合はツールボックス)上に、今回説明した「有効証拠金・必要証拠金・証拠金維持率」などがリアルタイムで表示されます。一つまたは複数のポジションを持っている場合の資金状態を知るには、取引ツールで確認することが一番簡単で正確と言えますね。
ロスカット水準のより詳細な解説や、ロスカットされにくい海外FX業者の情報は下記に詳しくまとめています。
XMのロスカットルール
ここからは、XMの具体的なロスカットルールを説明していきたいと思います。ロスカットまでの流れや、ロスカットされた後の口座の扱いなどを解説していきましょう。
ロスカットに至るまでの流れ
FX取引においては多くの業者で「マージンコール」が設定されているため、何の前触れもなくロスカットになってしまうというわけではありません。XMでは証拠金維持率が50%を下回った時点で、ロスカットの前段階であるこの「マージンコール」が発生します。マージンコールになると、XMから通知メールが届き、MT4に表示されている証拠金の欄が赤い文字に変わるため、危険な状態がひと目で分かるようになりますね。
さらに証拠金維持率がロスカット水準(XMの場合は20%)を下回ると、原因となったポジションが強制的に決済され、ロスカットとなります。当然ですが、事前にトレーダーの了解や同意を得ると言うことはなく、機械的に執行されます。
ちなみにロスカットの時にもし複数ポジションを持っている場合は、その瞬間にすべてのポジションが決済される訳ではありません。大きなポジション、つまり、証拠金を圧迫しているポジションから順番にロスカットされ、そうではないポジションはロスカットされずに取引継続となります。
ロスカットされた口座はどうなるのか
ロスカットされたからと言って、基本的には何もペナルティはありません。ロスカットされた段階でも、口座にまだ証拠金がわずかでも残っていれば、それに見合ったロット数のポジションは当然持つことが出来ます。もちろん、入金して証拠金を増やした上で再チャレンジすることも可能ですね。
またロスカットは口座単位で実行されます。XMでは追加の口座開設により複数の口座を保有することができますが、ある口座でロスカットが発生したとしても、他の口座への影響はありません。
ロスカットが間に合わなくても追証は発生しない
海外FX業者であるXMには、国内FX業者にはないゼロカット(マイナス残高リセット)というシステムがあります。急な価格変動により、万一ロスカットが間に合わず追証が必要な状態になったとしても、マイナス分はXMが負担してくれるため、トレーダーが追証を払う必要はないということですね。
ただし、指標発表時のハイレバレッジトレードなどは、ゼロカットシステムの悪用と見なされ規約違反になる可能性があるため、この点は注意しておくようにしましょう。
海外FXのゼロカットについては下記で詳しく解説しています。
XMには両建てをしてロスカットを回避する裏技がある
両建てとは、売り買い両方のポジションを同時期に持つことですね。実はXMでは、同一口座内、同一通貨ペアで、同じ取引数量の両建てをした場合、それぞれのポジションの必要証拠金を相殺して0にする、というルールが存在します。他業者ではあまり見ない、少し珍しいルールですね。
このルールを利用すれば一時的にではありますが、ロスカットを回避することができます。もちろんそれだけではあまり意味がないことですが、「相場の反転が見込まれるがもう少しでロスカットされてしまう」といった状況を防ぐには、非常に有効な手法と言えますね。
余談ですが、XMではあくまで同一口座内に限って両建てを認めています。他口座間の両建ては規約違反になり得ますので、くれぐれも注意してください。
両建てのメリットやリスク、各海外FX業者の対応については下記の記事に詳しくまとめています。
XMのロスカットシミュレーション
ロスカットの計算をその都度行うのは、非常に難しいですよね。ここではいくつかの証拠金と取引ロット数を挙げて、何pipsのマイナスでロスカットになるのかを簡単にシミュレーションしてみたいと思います。シミュレーションの条件は、以下の通り。
- 1ドル=100円
- ドル円でのトレードを想定
- レバレッジは1,000倍
- スタンダード口座を使用
そしてシミュレーション結果は、以下の表のようになります。
証拠金 | 0.01ロット (1,000通貨) | 0.1ロット (1万通貨) | 1ロット (10万通貨) | 5ロット (50万通貨) |
3,000円 | 298pips | 28pips | 取引不可 | 取引不可 |
1万円 | 998pips | 98pips | 8pips | 取引不可 |
5万円 | 4,998pips | 498pips | 48pips | 8pips |
10万円 | 9,998pips | 998pips | 98pips | 18pips |
25万円 | 24,998pips | 2,498pips | 248pips | 48pips |
縦軸は証拠金、横軸は取引ロット数、そして内側の枠が証拠金と取引ロット数に対応したロスカットまでのpipsです。
あくまでも概算のため、数値は参考程度ですが、例えば証拠金3,000円の場合、スタンダード口座の最小取引量である0.01ロット(1,000通貨)だと、およそ298pipsの逆行でロスカットになります。298pipsと言うと、ドル円の場合は約3円の値幅になるので、そう簡単にロスカットされることはないと考えられるでしょう。
このように取引通貨量が小さい場合は、証拠金が増えれば増えるほど、ロスカットのリスクは考えにくくなります。しかしロット数が増えてくると、いくら証拠金が多くてもロスカットのリスクは高まることもわかりますね。
例えば1ロット(10万通貨)のトレードの場合は、証拠金1万円の時はわずか8pipsの逆行でロスカットとなります。実際はスプレッドもありますので、現実的にはリスクが高すぎてトレードは出来ないと言って良いでしょう。
5ロット(50万通貨)のトレードの場合は、証拠金が10万円でもわずか18pipsの逆行でロスカットです。取引通貨量に対して証拠金が少なすぎる、と言うことが分かりますね。
ロスカットにならないために気をつけたいこと
上述のロスカットシミュレーションで確認した通り、ロスカットのされやすさは取引通貨量と証拠金のバランスで決まります。言い方を変えれば、そのバランスに注意することがロスカットにならないための資金管理と言えるのではないでしょうか。
海外FXならではのハイレバレッジを活用した一発逆転トレード(証拠金に対して取引通貨量の大きいトレード)が絶対に良くないとは言えませんが、とてもリスクが高いと言うことは知っておかなければいけません。一般的には、1回のトレードにかけるリスクは投資資金の2%までにする、などと言われることがあります。トレードをする時は、資金管理のルールも立てることが大切ですね。
まとめ
ロスカットは、損失の拡大を防ぐための最後の切り札と言って良いでしょう。さらにXMにはゼロカットもあるので、万一ロスカットが間に合わなくても追証を払う必要がありません。
しかし、ロスカットやゼロカットがあるから安心、と言うわけではありません。大切な資金を守って増やすために、ロスカットにならないトレードを心がけてくださいね。
XMの特徴やメリット、ボーナス、入出金、税金などなど、さらに詳しい内容はこちらで解説しています。
また、XMの口座開設手順や有効化の方法、ボーナス受け取りなどについては下記で詳しく解説しています。
スタンダード口座とマイクロ口座、XM Zero口座の違いは下記をどうぞ。
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