ECN口座タイプの口座スペックの高さ、特に業界最狭水準とも言われるスプレッドと取引手数料の少なさに定評がある海外FX業者Tradeview。15年以上の運営実績を持ち、ケイマン諸島金融庁CIMAの許認可を得ていることもあり信頼性の高いブローカーのひとつですね。
そんなTradeviewですが、ボーナスキャンペーンを行わない姿勢に加えて、公式サイトから得られる情報が少ないことから知名度はあまり高くないと言えるでしょう。しかしながらTradeviewは公式にスキャルピングを認めており、極めて制限の少ない取引が可能です。取引プラットフォームでも定番のMT4やMT5だけではなく、cTraderやCurrenexにも対応と、取引環境は非常に充実していますね。
そこで本記事ではTradeviewでのスキャルピングについて、行う際のメリットや注意点を分かりやすく解説したいと思います。
海外FXでスキャルピングをする際に重視すべきポイントやおすすめ業者は下記に詳しくまとめています。
Tradeviewの魅力やメリットを全まとめした記事もありますので、よければこちらも参考にしてください。
Tradeviewはスキャルピング制限なし
Tradeviewには大きく分けて2つの口座タイプがあります。一般的な海外FXでのスタンダード口座に相当する「X Leverage口座」と、ECN口座タイプである「ILC(Innovative Liquidity Connector)口座/cTrader口座」ですね。この2つの口座タイプを元に、選択する取引プラットフォームによってさらに口座スペックは細分化されますが、どの口座を選んでもスキャルピングは可能です。
また、スキャルピングだけではなく自動売買系の取引も制限はされていません。EAを利用したスキャルピングも自由に行えますね。
Tradeviewが行っているNDD方式とは
Tradeviewでスキャルピングができる大きな理由に、NDD方式による取引を行っていることが挙げられます。NDD(No Dealing Desk)方式はディーラーの仲介がない取引方法で、顧客の注文を業者が一旦決済して約定させるDD方式とは違い、直接インターバンク市場へ流して約定させます。業者内で注文を処理しないため、たくさんの注文が入っても注文処理能力に影響が出ない、と言うことですね。
NDD方式の他のメリットとしては、顧客に提示するレートの透明性・公平性が高いこと、約定拒否・リクオートがなく約定力が高いことなどがあります。反対にデメリットとしては、スリッページは起こりうること、DD方式に比べてスプレッドが広めなことがあります。
ただし取引制限の少ないTradeviewですが、一般的に禁止されている他口座間の両建てや裁定取引は同じく禁止されていますので、その点は注意しておきましょう。
FX取引におけるDD方式とNDD方式の違いやそれぞれのメリット・デメリットは下記で詳しく解説しています。
Tradeviewでスキャルピングをするメリット
ここからは、Tradeviewでスキャルピングを行う際のメリットを確認していきたいと思います。
ECN取引によるILC口座とcTrader口座を提供
Tradeviewには主にSTP方式によるX Leverage口座と、ECN方式によるILC口座とcTrader口座がありますが、スキャルピングをするためにTradeviewで口座を開設するなら、迷わずECN方式による口座を選ぶべきでしょう。
ECN方式では、ECN(電子商取引ネットワーク)と言うインターネット上にある市場での取引になります。ECNには、TradeviewのようなFXブローカーだけではなく、銀行、リクイディティプロバイダー、機関投資家などが参加しており、自動的な注文のマッチングが常に行われています。
ECNは大量の注文が飛び交う巨大市場であるため、流動性が極めて高いことが特徴ですね。それはスキャルピングにおいて最も重要である、取引コストの少なさと約定力の高さに繋がります。
STP方式とECN方式の違い、それぞれのメリットなどは下記の記事に詳細にまとめています。
業界最狭水準のスプレッドと取引手数料
Tradeviewの最大の魅力は、ILC口座/cTrader口座での取引コストの少なさと言えるでしょう。
ECN口座タイプでは、極めて狭いスプレッドの代わりに別途取引手数料が発生しますが、TradeviewのILC口座では、1ロットの往復取引あたりわずか5ドル。海外FX最大手であるXMのECN口座で取引手数料が往復10ドル、その他の業者でもほとんどが6〜12ドルということを考えると、Tradeviewの手数料がいかに安いかがわかりますね。
さらにスプレッドの狭さも特筆すべきポイントです。ILC口座のスプレッドは変動制なので時間帯によって平均幅は変化しますが、最低で0pips〜のスプレッドを提供しています。
例えば2021年4月12日の16時台のリアルタイムスプレッドは以下のようになっており、確かに実測値でもかなり狭いと言えますね(単位はpips)。
EURUSD | 0.1〜0.3 |
GBPUSD | 0.2〜0.6 |
USDJPY | 0.2〜0.4 |
AUDUSD | 0.3〜0.5 |
USDCAD | 0.5〜0.8 |
USDCHF | 0.4〜0.6 |
ECN口座の取引コストについて
ILC口座がいくら低コストと言っても、1回1回の取引ごとに目に見える取引手数料が発生するため、果たして本当に取引コストが安いのかどうかは分かりにくいかも知れません。そのため取引コストを意識しなくて良いスタンダード口座(STP口座)の方が好き、と言うトレーダーも多いのではないでしょうか。
ここでは、同じ取引をX Leverage口座(STP)とILC口座(ECN)で行なったとして、簡単なコスト比較を行ってみたいと思います。
まずは前提となる比較条件を以下のようにしてみましょう。
- 1ドル=100円
- X Leverage口座のスプレッドは1.7pips、ILC口座のスプレッドは0.2pips
- ILC口座の取引手数料は、往復500円
1ロット(10万通貨)で取引をし、ある価格からある価格まで10pipsの値幅を獲得したとします。しかし実際にはスプレッドを含むため、当然10pipsの値幅すべてを獲得できる訳ではなく、ポジションを持った瞬間からスプレッド分のコストが引かれている状態になります。
獲得利益を計算すると以下のようになりますね。
X Leverage口座:
1万円(10pips分の利益)ー1,700円(スプレッド1.7pips分のコスト)
=8,300円(実際に得た8.3pips分の利益)
ILC口座:
1万円(10pips分の利益)ー200円(スプレッド0.2pips分のコスト)ー500円(取引手数料)
=9,300円(実際に得た9.8pipsから取引手数料を引いた利益)
上記の計算通り同じ取引内容でも、取引コストが少ないILC口座の方が多くの利益を残せることが分かりますね。今回は説明のために取引手数料を別途減算しましたが、500円=0.5pipsとしてスプレッドに加えても同じことが言えます。
特にスキャルピングは取引回数が多くなりやすいため、この差は顕著に現れます。そのためスプレッドと取引手数料の総コストが少ない口座を選ぶことが非常に重要と言えるでしょう。
他の主要業者との取引コスト比較
ここで、主要な他業者のECN口座と、TradeviewのILC口座の取引コストを比較してみましょう。1ロットあたりの往復取引手数料とメジャー通貨ペアでのスプレッド、取引手数料を含む総スプレッド(カッコ内数字)を比較すると、下記の表のようになりますね。
Tradeview | XM | FBS | Axiory | TitanFX | BigBoss | |
往復取引手数料 | 5ドル | 10ドル | 6ドル | 7ドル | 6ドル | 9ドル |
EURUSD | 0.2(0.7) | 0.1(1.1) | 0.0(0.6) | 0.3(0.9) | 0.2(0.9) | 0.7(1.6) |
GBPUSD | 0.4(0.9) | 0.3(1.3) | 0.5(1.1) | 0.5(1.1) | 0.57(1.27) | 1.7(2.6) |
USDJPY | 0.3(0.8) | 0.1(1.1) | 0.3(0.9) | 0.3(0.9) | 0.33(1.03) | 0.4(1.3) |
AUDUSD | 0.4(0.9) | 0.4(1.4) | 0.3(0.9) | 0.6(1.2) | 0.52(1.22) | 0.7(1.6) |
USDCHF | 0.5(1.0) | 0.4(1.4) | 0.5(1.1) | 0.4(1.0) | 0.92(1.62) | 1.1(2.0) |
Tradeviewの1ロットあたりの手数料は片道2.5ドル、決済までを含む往復取引では5ドルとなっており、他社と比較しても圧倒的な安さです。
スプレッド幅自体は各社共に狭いのですが、取引手数料を考慮することでTradeviewがわずかにリードしている部分もあります。今回のTradeviewのスプレッドは平均的な値ですが、最小値の0pipsになるとさらに少ないコストで取引が可能になります。
約定力の高さ
Tradeviewの取引サーバーは、世界的な金融インフラの拠点であるエクイニクス社のLD4データセンターに置かれています。銀行やリクイディティプロバーダーなども利用するデータセンターにより高速接続ができるので、大きいロットの取引でも高い約定力を提供できますね。
MT4/MT5だけではなく、cTrader/Currenexにも対応
一般的に海外FXの取引プラットフォームではMT4またはMT5が主流ですが、Tradeviewではそれらに加えてcTraderとCurrenexも選択可能です。
特にcTraderは、ECNによるスキャルピングに特化したプラットフォームとも言われており、この高機能ツールが利用できる点はスキャルパーにとって非常に魅力的と言えるでしょう。cTraderは対応している海外FX業者が少なく、それだけでもTradeviewを利用する価値がじゅうぶんにあると判断できますね。
またCurrenexは裁量トレード専用のプロ向けプラットフォームです。スプレッドや取引手数料が少し高めの代わりに、リクイディティプロバイダー直結による高速約定が特徴となっています。
スキャルピング特化とも言える高機能取引ツールcTraderの特徴やMT4との違い、メリットなどは下記の記事で詳しく解説しています。
ストップレベルが0pips
ストップレベルとは、指値・逆指値注文を入れる際に、現在のレートから最低限離さなければいけない値幅のこと。もしストップレベルが5pipsなら、現在のレートの上下5pips圏内には指値・逆指値注文を入れられないことになりますね。
Tradeviewではこのストップレベルは0pipsとなっています。つまり特に制限がなく指値・逆指値注文が可能ということですね。細かい値幅を扱うスキャルピングでは、これは非常に重要な口座仕様と言えるでしょう。
ちなみにTradeview以外にストップレベルが0pipsの海外FX業者は、Axiory、TitanFX、TradersTrustなどが存在します。
ストップレベルが小さいことのメリットや海外FX業者のストップレベル比較は下記に詳しくまとめています。
信託保全による信頼性の高さ
Tradeviewの顧客資金の管理は、自社資本とは完全に分けられ別銀行口座に信託されています。また顧客資金は独立した会計機関であるGC PARTNERSによって管理されていますね。
さらに、万一Tradeviewが破綻したとしても、Fundaministration社との信託契約により、35,000ドル相当額の顧客資金補填が可能です。このように顧客資金の管理面で言えばTradeviewの信頼性は非常に高く、安心して資金を預けることができる業者と言えるでしょう。
Tradeviewでスキャルピングをする際の注意点
口座タイプや取引プラットフォームによる口座条件は少々複雑
前述の通り、Tradeviewには大きく分けてSTP取引の「X Leverage口座」と、ECN取引の「ILC口座/cTrader口座」の2種類が存在します。しかし、選択する口座タイプと取引プラットフォームによって、下記のように口座条件が異なる部分が存在します。
口座タイプ | X Leverage口座(MT4/MT5) | ILC口座(MT4/MT5) | cTrader口座 | Currenex口座 |
最低入金額 | 100ドル(1万円) | 1,000ドル(10万円) | 1,000ドル(10万円) | 1,000ドル(10万円) |
最小ロット数 | 0.01 | 0.1 | 0.01 | 0.01 |
最大レバレッジ | 500倍 | 200倍 | 200〜400倍 | 200〜400倍 |
1ロット往復取引手数料 | なし | 5ドル | 5ドル(100万ドルの取引あたり50ドル) | 6ドル |
スキャルピングをする場合に特におすすめな口座タイプは、ECN取引によるILC口座(MT4/MT5)またはcTrader口座になりますが、その2つの口座タイプでは、初回入金が10万円とやや高額であることがわかりますね。
また、ILC口座とcTrader口座でも最小ロット数の違い、さらに最大レバレッジの設定などが微妙に異なります。また、一般的な口座タイプであるX Leverage口座と比べると上級者向けの仕様になっている点も、あらかじめ考慮する必要があるでしょう。
ロスカット水準は100%
ロスカットとは、証拠金維持率が規定割合以下になった場合にポジションが強制的に決済されてしまう仕組みのことですね。このロスカットが発動する証拠金維持率のことをロスカット水準と言いますが、Tradeviewのロスカット水準は100%、マージンコールなしとなっています。
海外FX業者のロスカット水準は、概ね証拠金維持率0%〜20%となっていることを考えると、Tradeviewの100%という値は比較的高めの設定と言えるでしょう。証拠金に見合わないような大ロットの取引をしてしまうと、少しの値動きのブレでもロスカットになる危険もありますので、その点は注意するようにしましょう。
まとめ
TradeviewのECN方式口座であるILC口座とcTrader口座では、主要な他業者と比較しても少ないコストで取引が可能で、スキャルピングのための口座として非常に競争力があると言えます。ただ初回入金額や最小ロット設定、ロスカット水準の面でははやや上級者向きとなっており、その点は注意する必要がありますね。
とは言え、やはり取引コストの安さやcTraderの利用がある点など、スキャルピングをする上でメリットが多い業者のひとつですので、ある程度経験を積んだスキャルパーであれば、ぜひ利用を検討してみてください。
Tradeviewと同じく、cTrader採用で取引コストも安いAxioryでスキャルピングをする場合のメリットや注意点については、下記の記事に詳しくまとめています。
Tradeviewの口座開設手順や、口座有効化の方法などは下記で詳しく解説しています。口座開設を検討している人はぜひ参考にしてください。
スキャルピングのしやすさなどを含め、複数のポイントに着目した海外FX業者の総合ランキングは下記をご覧ください。
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