海外FX業者を選択する際は、スプレッドの狭さやボーナスの豪華さなど目が行きがちで、ストップレベルを重要視するトレーダーはあまり多くないかもしれませんね。しかしスキャルピング等の短期トレードを行うトレードにとっては、ストップレベルの大小が利益に直結すると言っても過言ではありません。
そこで本記事では、そもそも「ストップレベルとは」という基本的なことから、ストップレベルが狭いことのメリットなどを解説。さらに主要海外FX業者のストップレベルを比較し、おすすめ業者を紹介していきたいと思います。
ストップレベルが小さいことのメリット・大きいことのデメリット
ストップレベルとは
ストップレベルとは、指値注文や逆指値注文といった待機注文(予約注文)を出す際に指定される、現在のレートから最低限離すべき値幅のことを指します。
例えばドル円の現在のレートが110.00円で、ストップレベルが5pipsであったと仮定します。この場合、現在レートから最低5pips以上離れたレートからしか待機注文が出せず、109.95~110.05の間は注文ができません。109.95以下もしくは、110.05以上のレートからしか注文が出せないということですね。
ストップレベルは、指値注文や逆指値注文などの待機注文時のレート指定制限ですので、成行注文時には特に関係ありませんが、取引の自由度を考えた場合は重視すべきポイントと言えるでしょう。
ストップレベルが大きいことによる具体的なデメリット
上記のとおりストップレベルとは、指定できる値幅に制限をもたせるものなので、ストップレベルが小さければ小さいほど指定できるレートが増え、その分取引に自由度が出てきます。ここからはストップレベルが大きいことの具体的なデメリット(小さいことによるメリット)を見ていきましょう。
利益を逃したり損失の拡大に繋がることがある
スキャルピング等の超短期トレードでは、小さな利益の積み上げを狙ったり、小さな値動きで即座に損切りしてしまうような取引が行われます。こういった取引スタイルの場合、ストップレベルは足枷でしかありませんね。
例えば利益を逃す場合として下記のような状況を想定してみましょう。
ドル円の現在レート:110.00円
ストップレベル:10pips
指定できるレート:109.90円以下、110.10円以上
→レートが5pips動いたら利益を確定させたいと考えていても、110.05円指定の指値注文は出せないので、110.10円で指値注文を出した。
→レートは110.09まで上がり、その後下がった
→想定したレートで利確できずに利益を逃した
上の例ではせっかくの利益獲得の好機を、ストップレベルのせいで逃したということになります。そして逆に、下記のような場合は損失の拡大に繋がってしまいますね。
ドル円の現在レート:110.00円
ストップレベル:10pips
指定できるレート:109.90円以下、110.10円以上
→レートが5pips動いたら損切りして損を確定させたいと考えていても、109.95円では待機注文は出せないので、109.90円で逆指値注文した。
→レートが下がり、109.90円になった。
→想定したレートで損切りできずに損失が拡大した
このように、ストップレベルが大きいことにはデメリットしかありません。逆に、ストップレベルが0に近ければ近いほど、自身の好きな値幅で待機注文が出せるため、スキャルピングのような超短期トレードはもちろんのこと、デイトレなどのあらゆるトレードにおいて大きなメリットとなります。
EAが機能しない・パフォーマンスが下がる
EAを使った自動売買取引においても、ストップレベルの影響を受けることがあります。例えばスキャルピング系EAやトレーリングストップを小さく切り上げるEAの中には、対象とする業者のストップレベルが指定されているものもありますね。
このようにストップレベルが指定されているEAでは、指定値よりもストップレベルの設定幅が大きい海外FX業者を使ってしまうと、エントリーが実現しないことやトレーリングストップが上手く作動しないなど、取引に支障をきたす場合もあります。
いくら優秀なEAででも本来のパフォーマンスが発揮されず思い通りの取引が実現できなければ意味がありませんので、この点も注意が必要でしょう。
主要海外FX業者のストップレベルを比較
当サイトでも人気の高い主要海外FX業者のストップレベルを、主要通貨ペアごとにまとめて比較すると以下の表のようになります。
USD/JPY | EUR/JPY | GBP/JPY | EUR/USD | GBP/USD | EUR/GBP | |
XM | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
GemForex | 2.0 | 2.7 | 5.4 | 2.0 | 2.6 | 2.5 |
FBS | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 |
HotForex (ゼロスプレッド口座) | 2.0 | 2.0 | 3.0 | 2.0 | 3.0 | 2.0 |
Axiory | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
Tradeview | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
TitanFX | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
TradersTrust | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
※単位表示はpips。
※2021年8月よりXMのストップレベルが0に改善。
表からも分かるようにストップレベルは、業者ごと・通貨ごとに大きく異なりますね。また多くの業者ではストップレベルが設定されていますが、AxioryやTitanFXといったスキャルピングトレーダーに人気の業者は、流石にストップレベルが0になっています。
利用する業者によってはストップレベルが大きすぎて思い通りに指値/逆指値注文が出せない、ということもありますので、業者選びの際には自分のトレードスタイルに合わせてストップレベルの確認も忘れないように気を付けましょう。
ストップレベルがないおすすめ海外FX業者4選
ここからは、ストップレベルが0、つまり存在しないおすすめ業者を紹介していきたいと思います。トレードスタイル的にストップレベルを意識する必要があるトレーダーはこの中から利用するブローカーを選ぶようにしましょう。
Axiory
Axioryは日本語による情報公開の質と量、信託保全による顧客資産の安全確保という点から、海外FX業者の中でも透明性・信頼性が高い業者の一つとして、多くのトレーダーから支持されていますね。
ボーナスや各種キャンペーンに対しては少し消極的な面もありますが、NDD方式による約定率の高さや、最大レバレッジ400倍&ゼロカット制度採用など、海外FX業者のメリットはしっかりと抑えています。
また、MT4よりもはるかに高いパフォーマンスを発揮する取引プラットフォーム「cTrader」が利用できる点も大きなメリットと言えるでしょう。特にスキャルパーから強く支持されているcTraderは、まだまだ利用できるブローカーも少なく、ストップレベルがないことも加えて、スキャルピングにはもってこいの業者と言えるでしょう。
Tradeview
Tradeviewは業界最安レベルの取引コストの低さと、約定力の高さが特徴の中堅海外FX業者ですね。資産の分別管理&保険適用による補填も用意されており、顧客資産の安全性の高さも評価されています。日本語サポートも充実しており、最大レバレッジは500倍、もちろんゼロカット制度も採用されており追証の心配はありません。
TradeviewのECN口座では、業界トップクラスのスプレッドの狭さと取引手数料の安さを誇っており、トータルコストを非常に安く抑えられることが大きなメリットですね。またAxiory同様にcTraderが利用可能なため、短期トレーダーは一考の価値がある業者と言えます。ただしロスカット水準は証拠金維持率100%以下と、海外FX業者としてはかなり高めに設定(他ブローカーは20%程度)されているため、取引の柔軟性という意味ではややAxioryに劣るでしょう。
Tradeviewの全体的な評判や特徴、メリット・デメリットは下記で詳しく解説しています。
TitanFX
TitanFXは、2014年に設立された中堅業者ですが、既に海外FXの代名詞であるXMと並び評されるほどの業者。こちらもスキャルピングトレーダーからの指示が高いブローカーですね。XMのような豪華なボーナスキャンペーンは実施していないものの、低スプレッドと高い約定力で多くの人気を集めています。
Axiory、Tradeviewとは異なり、残念ながらcTraderは利用できませんが、その取引環境のスペックの高さは折り紙つきで、トレードの自由度・柔軟性を重視したいトレーダーにおすすめのブローカーです。
TitanFXの全体的な評判や特徴、メリット・デメリットは下記で詳しく解説しています。
TradersTrust
TradersTrustは、2009年からサービスを開始し、2018年には日本向けの新法人を設立するなどしてサービス拡大している業者です。その特徴は、圧倒的な信頼感と安全性、さらに狭スプレッド業者としては珍しい豪華なボーナスキャンペーンですね。
常時開催されている5,000円の口座開設ボーナスに加え、現在は10周年記念として上限1,000万円の100%入金ボーナスキャンペーンを開催。上限額の高さも驚きですが、さらにこのボーナスは条件を満たせば出金も可能ということで、まさに破格のキャンペーンと言えますね。
スプレッドの狭さ、ストップレベルなしに加え、出金可能なボーナスまで獲得できるということで、現在かなり評価をあげているブローカーです。
TradersTrustの全体的な評判や特徴、メリット・デメリットは下記で詳しく解説しています。
MT4/MT5を使ったストップレベルの確認方法
ここから、MT4/MT5を使った各海外FX業者のストップレベルの実際の確認方法を紹介したいと思います。MT4/MT5ではストップレベルの表示単位は、「ポイント」となっており、1ポイント=0.1pipsですので、pips換算するときに一桁間違わないようにしましょう。
気配値からストップレベルを確認する方法
まずMT4/MT5の気配値表示欄から確認したい通貨ペアを選択しましょう。
次に選択した通貨ペアにカーソルを合わせて右クリック→「仕様」を選択します。
すると以下のような画面が表示されますので、ここのストップレベル欄に記載の数値がストップレベルになります。
今回の例で言うとストップレベルは0ですね。今回はAxioryの口座を参考にしましたが、上でも紹介したように実際にストップレベルがしっかり0になっています。
注文画面からストップレベルを確認する方法
まずMT4/MT5の新規注文を選択します。
次に通貨ペア・注文種別を選択しましょう。通貨ペアの欄には、自身が調べたい通貨ペアを、注文種別の欄では、指値注文を選びます。(成行注文ではストップレベルは関係ないため表示されません。)ここで下部に記載される「現在価格から〇〇ポイント圏内の・・・」の部分がストップレベルですね。
今回の例ではXMの口座を使ってドル円のストップレベルを確認しましたので、40ポイント=4.0pipsとなっています。
スマホアプリからストップレベルを確認する方法
スマホアプリの場合は非常に簡単にストップレベルの確認ができます。アプリ版のMT4/MT5から確認したい通貨ペアを選択し、詳細をタップ、ストップレベル欄を確認するだけですね。
上と同じくXMの口座のため、40ポイント=4.0pipsがストップレベルとして設定されています。
まとめ
海外FX業者を比較したり選ぶ際に見落としがちなストップレベルですが、大きければ大きいほど取引の自由度が下がってしまいます。トレードスタイルによってはこれは大きなデメリットになりますので、特に短期売買をメインにしているようなトレーダーはしっかり確認しておくようにしましょう。
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