Axioryは2012年に設立され、ベリーズ国際金融サービス委員会の認可を受けて運営している海外FX業者です。顧客の資金管理として信託保全を行なっているなど、高い信頼性によっても支持されているブローカーですね。
Axioryと言えば、ボーナスキャンペーンはほとんど行わない代わりに、低いスプレッドと高い約定力を提供している事や、高機能取引ツールである「cTrader」に対応している事でも知られています。Axioryの高い取引環境はスキャルピングとの相性が良く、取引する場合は候補に挙げたい業者の1つになるでしょう。
そこで本記事ではAxioryでスキャルピングをする際のメリット、そしてあらかじめ知っておきたい注意点を分かりやすく解説したいと思います。
Axioryのスキャルピングルール
高頻度な取引を繰り返し行うというスキャルピングの性質上、ブローカー側の負担も大きくなるため、行う前にはその業者がスキャルピングに対応しているかどうかを確認する必要があります。
公式サイトのFAQによると、Axioryはスキャルピング可能な業者であり、回数の制限もありません。さらに、1ポジションあたりの最大取引ロット数は1,000ロット(1億通貨)となっています。
Axioryは裁量トレード/システムトレードを問わず、プロトレーダーレベルのスキャルピングにも対応可能なブローカーと言えるでしょう。
Axioryでスキャルピングを行うメリット
続いて、ここからはAxioryでスキャルピングを行う場合に得られるメリットを確認していきたいと思います。
ECN方式のナノスプレッド口座が用意されている
Axioryが提供する口座タイプは、「スタンダード口座」と「ナノスプレッド口座」の2種類。このうちスタンダード口座は、デイトレードやスイングトレードなどに最適の口座タイプとされています。一方のナノスプレッド口座は、スキャルピングなどと相性が良いECN方式による口座タイプになりますね。
ECN取引は、リクイディティプロバイダー、銀行、ファンドなどが参加しているECN(Electronic Communications Network)市場へ、FXブローカーを通じて直結する方法になります。巨大市場での自動的な注文のマッチングのため、高い透明性、低スプレッド、高速約定などのメリットが得られますね。さらに取引の仕組み上、スリッページは起こり得ますが、不当な約定拒否やリクオートは起こらないことも大きな利点と言えるでしょう。
そのほかのECN取引のメリットとしては、板情報を確認できることも挙げられますね。特にAxioryで利用可能な高機能取引プラットフォーム「cTrader」から確認できる板情報は信頼性が高く、取引の精度をより高めることも可能になるでしょう。
STP方式とECN方式の違い、それぞれのメリットなどは下記の記事に詳細にまとめています。
透明性・公平性の高い取引環境
Axioryのすべての口座タイプは、NDD(None Dealing Desk)方式による取引になります。NDD方式はその名の通り、ディーラーが介在しない取引方式。ユーザーの注文をFX業者側が「呑む」ことはないため、ユーザーが利益を出すと業者が損をする、と言うことも起きず、したがって不透明な価格操作などとは無縁の取引方法と言えるでしょう。
ユーザーの注文は市場の価格で決済され、透明性・公平性の高い取引を行えます。取引環境の高さはスキャルピングはもちろんのこと取引をする上では非常に重要な条件ですが、Axioryはそれを満たしていると言えますね。
スプレッド、取引手数料を含めたコストが小さい
特にECN口座であるナノスプレッド口座では、少ない取引手数料と、狭いスプレッド幅での取引が可能です。Axioryのナノスプレッド口座の往復取引の手数料は、1ロットあたり6ドルとなっており、これは業界最少額レベルですね。
またスプレッドもとても狭く、メジャー通貨ペアでの平均的なスプレッドをまとめると以下のようになります(単位はpips)。
EURUSD | 0.3(0.9) |
GBPUSD | 0.5(1.1) |
USDJPY | 0.3(0.9) |
AUDUSD | 0.6(1.2) |
USDCAD | 0.8(1.4) |
USDCHF | 0.4(1.0) |
※カッコ内は取引手数料である6ドルをスプレッドに換算し、スプレッドに加算した合計の取引コストです。1ロットあたり6ドルの手数料は、pipsではおよそ0.6pipsとなります。
他業者との取引コスト比較
Axioryと主要な海外FX業者のECN口座で、取引手数料とメジャー通貨ペアのスプレッドを比較すると下記のようになります。
Axiory | XM | FBS | TitanFX | HotForex | |
往復取引手数料 | 6ドル | 10ドル | 6ドル | 7ドル | メジャー通貨ペアは6ドル、それ以外の通貨ペアは8ドル |
EURUSD | 0.3(0.9) | 0.1(1.1) | -0.1(0.5) | 0.2(0.9) | 0.1(0.6) |
GBPUSD | 0.5(1.1) | 0.3(1.3) | 0.5(1.1) | 0.57(1.27) | 0.3(0.9) |
USDJPY | 0.3(0.9) | 0.1(1.1) | 0.3(0.9) | 0.33(1.03) | 0.2(0.8) |
AUDUSD | 0.6(1.2) | 0.4(1.4) | 0.3(0.9) | 0.52(1.22) | 0.3(0.9) |
USDCAD | 0.8(1.4) | 0.5(1.5) | 0.6(1.2) | 0.55(1.25) | 0.5(1.1) |
USDCHF | 0.4(1.0) | 0.4(1.4) | 0.5(1.1) | 0.92(1.62) | 0.3(0.9) |
(スプレッドの単位はpips。括弧内は取引手数料を含めた合計の取引コスト)
主要な他業者のECN口座と比べても、Axioryのナノスプレッド口座の取引コストの低さは引けを取らないことがわかりますね。
実績を公開するほどの高い約定力
Axioryの感心させられる特徴として、月ごと、そして通貨ペアごとの約定スピードやスリッページ率を、公式サイトの取引統計のページで公開している点があります。ここまでストイックに自社のサービスに対する責任を形で示しているFX業者は珍しく、この一事をもってもAxioryがどのようなブローカーかを知ることができるでしょう。
取引統計で確認できる情報は以下の通りです。
対象となる通貨ペア | 測定項目 |
EURUSD / GBPUSD / USDCHF / USDJPY / USDCAD / AUDUSD / EURJPY / NYZUSD / GBPJPY / 全通貨ペア合計 | ・約定スピード ・スリッページ率 ・約定スピード vs. スリッページ ・時間毎のスプレッド |
9種類の個々の通貨ペア、または全体の測定値を、月単位で確認できます。時間毎のスプレッドについては、個々の通貨ペアの場合にのみ確認可能です。
EAの利用制限もなし
Axioryが対応している取引プラットフォームは、「MT4」と「cTrader」の2つです。このうちMT4は、自動売買ソフトであるEAの種類が豊富なことでも知られていますね。
スキャルピングには、裁量トレードで行う方法もありますが、EAで行う方法もあります。EAのロジックによっては多くの回数のスキャルピングを行うようなものもありますが、Axioryではそうした取引に対する制限もありません。システムトレーダーにとっても、Axioryは安心して利用できるブローカーと言えるでしょう。
cTraderが利用できる
cTraderは、MT4(またはMT5)以外の取引プラットフォームの選択肢として、最近注目されている高機能ツールです。基本的にはECN取引に特化したプラットフォームですが、AxioryではSTP取引によるスタンダード口座でも使用できますね。
cTraderの主なメリットをまとめると以下のようになります。
- ECN取引に特化したプラットフォームなので、ECN方式のナノスプレッド口座とは相性が良く、より狭いスプレッドやより早い約定が期待できる
- 直感的に操作が可能なインターフェイス
- MT4には標準搭載されていない、一括決済や日本時間設定などの機能も備わっている
- 細かい分足やティックチャートの設定が可能
- インジケーターやオブジェクト類も豊富に搭載
- 板情報を確認できる
ワンクリックによる一括決済などcTraderはスキャルピングと相性の良い機能も数多く搭載されており、スキャルピング特化のツールと言っても過言ではありませんね。Axioryでスキャルピングをする際は是非使ってみたいプラットフォームと言えるのではないでしょう。
スキャルピング特化とも言える高機能取引ツールcTraderの特徴やMT4との違い、メリットなどは下記の記事で詳しく解説しています。
不定期開催のボーナスは、ナノスプレッド口座も対象
基本的にボーナスキャンペーンのないAxioryですが、季節の節目などには入金ボーナスを開催することが恒例になっています。例えば過去には2021年1月1日からお年玉ボーナスキャンペーンが開催されていましたね。
多くの海外FXでECN口座は、低スプレッドの代わりにボーナス対象外となっていますが、Axioryの不定期ボーナスは全口座タイプが対象になっている場合がほとんど。ナノスプレッド口座でもボーナスを獲得することが可能な点は非常に魅力的であり、さらに有利な条件で取引を行うことができます。
Axioryでスキャルピングする時の注意点
続いて、Axioryでスキャルピングする際にあらかじめ知っておきたい注意点を確認したいと思います。
スタンダード口座はスキャルピングには不向き
Axioryの高い取引環境は、ECN方式のナノスプレッド口座だけではなく、スタンダード口座でも同様です。
スタンダード口座はナノスプレッド口座とは違い、取引手数料がかからずスプレッドだけが取引コストの口座タイプですが、スプレッド幅は平均よりもやや狭い程度となっています。(単位はpips)
EURUSD | 1.3 |
GBPUSD | 1.5 |
USDJPY | 1.3 |
AUDUSD | 1.7 |
USDCAD | 2 |
USDCHF | 1.7 |
スタンダード口座はデイトレードなどをメインにした設計とされており、より狭い値幅を細かく狙うタイプのスキャルピングの場合は、やや不向きと言えるでしょう。
アカウント残高によるレバレッジ規制がある
最大400倍のレバレッジが魅力のAxioryですが、口座残高によってレバレッジに制限がかかる場合があります。口座残高と制限されるレバレッジをまとめると以下の表のようになりますね。
口座残高 | レバレッジ |
0〜10万ドル | 最大400倍 |
10万1ドル〜20万ドル | 最大300倍 |
20万1ドル以上 | 最大200倍 |
Axioryの場合は、口座残高が基準を超えた場合に問答無用でレバレッジが変更されるわけではなく、一度サポートデスクからユーザーへ、別口座への資金移動や出金の相談があります。
規制が始まるのはおよそ1,000万円からとなっており、余程のことがない限り心配はいりませんが、豊富な資金力をでハイレバスキャルをしたいというようなトレーダーは気をつけた方が良いでしょう。
レバレッジ制限についての詳細や海外FX業者各社の条件比較は下記に詳しくまとめています。
MT4とcTraderで、ロスカットルールなどに違いがある
前述の通り取引プラットフォームとしてMT4だけではなくcTraderを選択できる点はAxioryのメリットですが、両者には特にロスカットルールで違いがあり、この点は気を付けなければいけません。
両者ともマージンコールは証拠金維持率50%、ロスカットは証拠金維持率20%という点では共通していますが、ロスカット水準である20%を下回った際の強制決済の仕方が下記のように異なります。
プラットフォーム | ロスカットルール |
MT4 | 証拠金維持率が20%を下回った場合、証拠金維持率が20%を超えるまで、保有しているポジションのうち損失が大きいものから強制的に決済さる。 |
cTrader | cTraderは「スマートストップアウト」という機能により、ポジションごとの決済ではなく、ポジションを部分決済することで、口座の証拠金維持率が20%を下回らないように保つ仕組みになっている。 |
MT4ではシンプルにポジションごとの一括決済になりますが、cTraderでは分割決済をしながら証拠金維持率を回復する、という形になるため、この点は注意しましょう。
まとめ
Axioryではスキャルピングに対する制限はほとんどなく、取引回数やロット数を気にする必要がありません。また高約定力を誇る非常に優秀な取引環境を備えていることから、非常にスキャルピング向きと言えるでしょう。
特にナノスプレッド口座はその取引コストの低さから非常にスキャルピングと相性が良いですね。さらにスキャルピング特化とも言われるcTraderに対応している点も、非常に魅力的ではないでしょうか。
海外FXでスキャルピングをする場合、Axioryは十分利用に値するブローカーですので、スキャルパーは是非口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。
Axioryと同じく、人気海外FX業者のひとつであるXMでスキャルピングをする場合のメリットや注意点については、下記の記事に詳しくまとめています。
Axioryの口座開設手順や、口座有効化などは下記で詳しく解説しています。口座開設を検討している人はぜひ参考にしてください。
スキャルピングのしやすさなどを含め、複数のポイントに着目した海外FX業者の総合ランキングは下記をご覧ください。
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