海外FX業者は、世界中のトレーダーたちが利用できるよう様々な入金方法を用意しています。銀行での送金の他にもクレジットカード、bitwallet、Sticpayなど日本ではあまりなじみがない入金方法もありますね。
一方で「海外FXはなんだか難しそうだし、お金の入出金の方法もよく分からない・・」と感じている人も少なくありません。しかしそれぞれの入金方法の具体的な仕組み・メリット・デメリットを知ることで、その不安も解消されるのではないでしょうか。様々な入金手段を把握しておくことで、どの海外FX業者を使うかということを判断したり選択肢を広げることにも繋がります。
そこで本記事では、そんな海外FX業者への入金について、詳しく解説していきたいと思います。
海外FX業者への入金で知っておくべきこと
「数年前までは入金できた方法なのに、できなくなってしまった・・」海外FXではこのような出来事が実際にあります。そこでまず、入金方法を詳細に説明する前に、現在の海外FXの現状についてみていきたいと思います。
金融庁が規制を強めている現状
数年前のことですが、入金に関していえば、オンライン決済サービスのネッテラー(2016年9月)やスクリル(2016年10月停止)が相次いで禁止になりました。また、クレジットカード会社でも入金対応を取りやめた会社も複数あります。
このあたりは金融庁からの圧力があったのかどうかはっきりしたことは言えませんが、海外FX業者への風当たりが年々厳しくなっていることは確かでしょう。しかし現在では、bitwalletのようなオンラインウォレットを使った送金も主流になり始め、銀行送金以外にも様々なサービスが出てきています。
入出金は原則同じ方法で可能
世界には、マネーロンダリング(資金洗浄)という犯罪があります。マネーロンダリングとは、犯罪行為で得たお金を隠すため、口座などを転々とさせてあたかも正当な取引で得たお金のように見せる行為ですね。
そのため、銀行振込で入金した場合、出金は本人名義の口座のみ可能です。また、クレジットカードなどでは、入金額までは「返金」の形式、それ以上の場合は本人名義の口座に出金という形になります。「入出金は原則同じ」という方法は、世界中の海外FX業者の共通のルールとなっています。では、それぞれの入金方法について解説していきましょう。
海外FXの入金方法を徹底解説
現在、海外FX業者への入金方法としてよく採用されているサービスは主に6種類。それぞれに特徴がありますので、その解説やメジャーなFX業者がどんな入金方法を提供しているのかなどを詳しく説明していきたいと思います。
国内銀行送金の特徴とメリット・デメリット
最初に紹介するのは、最も利用者が多いと思われる「国内銀行送金」。仕組みと手数料、主要な対応業者について見ていきましょう。
国内銀行送金の仕組み
国内銀行送金とは、文字どおり海外FX業者が指定する国内の銀行に振込をして入金をする方法です。国内口座から海外FX業者の国内口座への入金であるため、非常に安心かつ簡単で、数百円単位の手数料のみで入金が可能ですね。お金の振込が海外FX業者側で確認できると自分のFX口座に金額が反映される仕組みになっています。
国内の銀行口座なので、自宅のインターネットバンキングから送金することもできますし、同じ銀行を使っていれば無料というケースもあります。クレジットカードを持っていない方や海外FX業者にカード番号を伝えることに抵抗がある人でも、安心して簡単に入金ができる非常に便利な手段と言えます。
国内銀行送金の対応業者について
現在、主要FX会社であるAxioryやTitanFXなどは、国内銀行送金を受け付けていません。そのため、銀行を利用して入金する場合は、海外銀行送金をする必要があります。対応している主要業者と着金時間などは、以下のとおりです。
近年は、規制が厳しくなっているのか以前よりも国内銀行送金に対応している海外FX業者が少なくなっている現状です。
国内銀行送金の手数料
国内銀行送金の手数料について、対応海外FX業者各社の手数料は以下のとおり。
LAND-FXでは最低入金額の条件があるものの、ほとんどの業者は手数料無料となっています。ただし銀行側の振込手数料は発生するため、コスト的には数百円程度はかかってきますね。(銀行のサービスによっては振込手数料が無料になることもあります)
クレジットカード入金の特徴とメリット・デメリット
「クレジットで入金ってどういうこと?」と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。海外FX業者へクレジットカード入金を行うと「ショッピング枠」の利用分として処理が行われる仕組みになっています。つまり、インターネットでオンラインショッピングする感覚とほぼ同じですね。
そのため、カードのショッピング枠の限度額が入金できる最大額となります。海外FX業者にカード番号を教えることに不安があるという方もいるかもしれませんが、ほとんどの業者では金融機関として顧客情報を厳重に管理しています。信頼できる業者であれば、よほどのことがない限り安心です。
クレジットカードの入金の仕組み
トレーダーが入金処理をすると、クレジット会社に依頼が届きます。そして、ショッピング枠として決済され、クレジットカード会社から海外FX業者へ依頼額の入金が行われます。
これらはすべて電子的な形式で行われますので、手続きが完了すると同時に業者の口座に即時反映されます。
クレジットカード入金のメリット・デメリット
クレジットカード入金の特徴としては、FX口座に即座に反映される点、手数料が無料の会社が多い点などが挙げられます。
しかし、すべてのカード会社に対応しているわけではありません。海外FX会社によっても異なりますが、世界的な企業であるVISAであれば、クレジットカード入金に対応しているほとんどのFX会社で入金できますが、それでもすべての海外FX業者が対応しているわけではありません。これだけは、事前に、入金できるのか確かめる必要があります。
近年は、ますますクレジットカードで入金できる会社が少なくなっています。これは、カード決済会社が現金に類するものへの支払いに制限をかけているからと言われていますね。思わぬ制限がかかってしまい、入金ができなくなってしまうケースもあるようです。
今後も規制は、ますます厳しくなっていくと予想されます。また、マネーロンダリングを阻止する観点から第三者からの入金はできませんので、クレジットカードも本人名義以外のカードからは入金ができません。FX会社によっては、クレジットカードの写しなどを求められる場合があります。
主要海外FX業者のクレジットカード対応比較
海外FX業者 | 対応カード会社 | 手数料 |
VISA JCB(※1参照) | 無料 | |
VISA | 無料 | |
VISA・MasterCard | 無料 | |
VISA・MasterCard | 無料 | |
VISA・MasterCard | 無料 | |
Visa・JCB・MasterCard・Amex | 無料 |
※1:XMでは、JCBカードの入金に対応していますが、出金することができません。そのため、JCBカードで入金した場合は、銀行送金もしくはビットウォレットで出金する必要があります。
bitwallet入金の特徴とメリット・デメリット
bitwallet(ビットウォレット)は、オンラインウォレット(電子財布)であり、資金をクレジットなどで保管でき、提携している業者への入出金を自由に行うことができるサービスです。bitwalletへの入金には、クレジットカードや銀行振り込みなどが利用できます。
bitwalletの仕組み
bitwalletに保管している資金は、提携しているFX会社に即時送金することができます。また、bitwalletへの入金はVISAカード以外も対応しているので、海外FX業者が対応していなくても間接的に入金することが可能です。
bitwalletに対応している主な海外FX業者と手数料
主要海外FX会社のLAND-FXは、未対応ですので注意しましょう。bitwalletは一度入金すれば、海外FX会社側との送金手数料はかからない仕組みになっています。bitwalletから出金する際も824円で出金できますので、これはかなり格安な出金手段と言えます。
※bitwalletは、2019年2月28日24:00(シンガポール時間)をもって、bitwalletのサービス提供を終了すると発表しました。(2019年2月11日付)Axioryが2018年12月にメインバンクであるSparkasseから銀行取引停止処分を受けたことが理由の一つとなっています。
この件に関して、Axioryは、Sparkasse銀行がEU圏外へのサービス提供停止に伴って、円滑に業務提携を終了したと公表しています。
詳しい経緯などは、各公式ホームページをご確認ください。
bitwalletの手数料
入金手数料は以下のようになっています。
クレジットカード/ デビットカード | VISA・MasterCard | 入金額の4% |
その他のカードブランド | 入金額の5% | |
銀行振込 | みずほ銀行 | 入金額の0.5%(※別途振込手数料あり) |
出金手数料は以下の通りですね。
銀行振込(国内) | 824円(2019年2月時点) |
bitwalletからFX業者への入金は無料のことがほとんどですが、bitwalletそのものへの入金は決して安くはありません。そのため、ある程度まとめて入金するか、海外FX業者間での資金移動や出金時にbitwalletを使うというのが、個人的にはおすすめです。
Sticpay入金の特徴とメリット・デメリット
Sticpayの概要とメリット
Sticpay(スティックペイ)とは、世界中で数百万人に利用されているオンライン送金サービスです。2017年に香港でスタートした比較的新しいサービスですが、銀行送金にかかる時間を短縮し、手数料が安く抑えられる点がメリットといえるでしょう。
ただ、前述したbitwalletと比較すると、手数料はそこまでお得とはいえません。入出金ともに手数料がかかってくるので、bitwalletに対応していない海外FX会社を使っている方におすすめの入金方法です。
Sticpayの特筆すべき特徴と言えば、国内の金融機関を経由せずに現金を出金できるということですね。Sticpayカードと呼ばれるUnionPayブランドのデビットカードを発行しておけば、日本・世界のATMで現地通貨の引き出しができたり、UnionPay加盟店で支払いができたりといったメリットがあります。この点に魅力を感じるトレーダーも多いですね。
万が一トラブルがあったり、不明点があった場合でも、完全日本語対応のサポートセンターがあるため安心して利用できます。
Sticpayに対応しておる主な海外FX業者
Perfect MoneyやOKPAYなどの決済サービスもありますが、日本語対応がなく手数料も高めですので、そのような面を考慮するとSticpayがお得なことが分かります。
Sticpayの手数料について
海外銀行送金 | 入金額の1% |
クレジットカード(Master Card・VISA) | 入金額の3.85% |
bitcoin | 0% |
bitwalletと比較すると、クレジットカードに関していえば、Sticpayのほうがお得ですが、出金手数料を考慮するとbitwalletのほうがお得に出金できます。ただし、9000円以下の少額出金についてはSticpayのほうがお得です。
STICPAYの特徴や手数料、他の入出金方法と比較したメリット・デメリット、対応海外FX業者などは下記でさらに詳しく解説しています。
国内ATMから直接出金可能なSTICPAYカードの特徴やメリット、申請方法や利用方法については下記に詳しくまとめています。
海外銀行送金の特徴とメリット・デメリット
手数料と時間が最大のデメリット
海外銀行送金は、最も基本的な入金方法ですが、デメリットも多いので、今では一般的ではありません。最低でも着金までに2~3営業日かかり、手数料も何千円単位で発生するため、海外銀行送金を利用する機会は少ないかもしれません。
ほとんどの海外業者が対応している
インターネットが普及する前から海外へ銀行送金をする際に使われている方法ですので、ほぼすべての会社で対応しています。
ただ主要なFX会社では、海外銀行送金のほかにも多様な入金方法を用意しているので、できるなら他の方法を使ったほうがメリットが大きいですね。
ビットコイン入金の特徴とメリット・デメリット
最後に、仮想通貨「ビットコイン」での入金方法について簡単に説明していきましょう。ビットコインは仮想通貨ですので、オンライン上のビットコインウォレットから海外FX業者に送金します。
既に保有している場合は問題ありませんが、手元にビットコインがない場合は、ビットコインを購入して、オンライン上のビットコインウォレットに入金する必要があります。
ビットコイン入金のメリットとデメリット
ビットコインのメリットとしては、手数料が安く抑えられること、即座に口座に反映されるという点です。ビットコインウォレット内から海外FX業者へ送金しますが、その際にビットコインから口座通貨に換金しなければいけません。その際の手数料が入金額の0.5%程度発生しますが比較的お得に利用できます。
最大のデメリットが、ビットコインの価格が変動するという点でしょう。2017年末には1BTC=200万円近くありましたが、2019年2月の時点で1BTC=40万円となっています。
ビットコイン相場は絶えず変動しているため、10万円分購入しても10万円FX口座に入金できるとは限りません。
ビットコイン入金に対応している主な海外FX業者
まとめ
ここまで、海外FX業者への主な入金方法について解説をしてきました。現在、金融庁などの規制によって、数年前よりも種類が減っていることは確かですが、同時に新しいサービスも次々に進出しています。また、入金の方法に関しても新たな技術を駆使して、より多くの選択肢から選べるようになりましたね。
普通の入金であれば、クレジットカード入金が一番手数料もお得で反映も早くおすすめです。クレジットカードを持っていない、使いたくないという人は国内銀行送金を使えば安心ですね。また、複数の海外FX口座を使っている場合はbitwalletがおすすめ。業者間で自由に資金移動ができますし、出金する際も費用を抑えることができます。
入金方法によっては手数料が高かったり反映が遅いというデメリットもありますし、海外FX業者によっては入金方法が限られていることもあります。海外FX業者を利用する場合は、そのあたりもしっかり考慮した上で業者を選ぶようにしましょう。
入金方法の優秀さや口座スペックなど、独自調査をもとにした海外FX業者の総合ランキングは下記の記事をどうぞ。
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