海外FXの魅力として、高い口座レバレッジやゼロカットとともに、高額なボーナスがありますね。ボーナスを目当てに海外FX業者を選ぶ際は、ボーナス金額の多さやタイプなどの要素を重視する人も多いかと思いますが、実は「ボーナスにクッション機能があるかないか」という点も、重要な要素と言えるでしょう。
クッション機能があるボーナスとは、簡単に言うと「取引口座の中で残高と同じ証拠金としての役割を果たすボーナス」のことです。クッション機能の有無によって、ボーナスの使い方は大きく異なるため、ボーナス選びにおいて一番重要な部分と言っても過言ではないかもしれません。
そこで本記事では、ボーナスにおけるクッション機能のメリットや、クッション機能があるボーナスを提供している海外FX業者について、詳しく解説していきたいと思います。
海外FXのボーナスのクッション機能とは
海外FXのボーナスの中には桁違いに高額なものもありますね。しかしいくら高額であっても、クッション機能の有無によってその使い勝手は大きく左右されると言えるでしょう。
ボーナスのクッション機能とは、冒頭でも説明したように「取引口座の中で残高と同じ証拠金としての役割を果たすこと」です。つまりクッション機能があるボーナスは、言い換えれば「ボーナス単体でも取引ができるボーナス」と考えることもできますね。
一番分かりやすい例として、口座開設ボーナスがあります。口座開設ボーナスでは、入金をしなくてもボーナスだけで取引ができることがほとんどだと思いますが、これがボーナスが単体で証拠金の役割を果たしていることの証拠です。
このようなクッション機能の役割やメリットをより深く知るために、次からはボーナスの種類によるクッション機能の有無や、有効証拠金とクッション機能の関係について説明していきたいと思います。
海外FXのボーナスの種類とクッション機能の関係
海外FXで提供されているボーナスは、ほぼすべてが以下の3種類に分類されます。
- 口座開設ボーナス(入金不要ボーナス)
- 入金ボーナス(キャッシュバック機能がついているものも含む)
- キャッシュバック系ボーナス
それぞれについて、少し詳しく見ていきましょう。
口座開設ボーナス(入金不要ボーナス)
口座開設ボーナスは入金不要の未入金ボーナスとも言われます。このタイプのボーナスは、口座開設特典として付与されるボーナスのため、入金が必須ではありません。口座内にあるボーナスだけで取引可能なため、もれなくクッション機能がついていると言えるでしょう。
海外FX業者の口座開設ボーナス一覧は下記にまとめています。
入金ボーナス
入金ボーナスは、入金額に応じて付与されるボーナスですね。海外FXの中でも人気のボーナスタイプですが、業者によってクッション機能ある場合とない場合が存在するのは、ほとんどがこのボーナスです。
例えば有名海外FX業者XMでは、上限500ドルまでの100%入金ボーナスが提供されていますが、こちらはクッション機能付きです。一方、FBSの100%入金ボーナスは上限が1万ドルと桁違いに多いものの、こちらにはクッション機能がありません。同じ入金ボーナスですが、それぞれ上限額とクッション機能の面で違いがあることがわかりますね。
入金ボーナスのクッション機能の有無は、ボーナスの情報をパッと見ただけでは分かりにくく、規約などを調べる必要があります。本記事の後半では、各海外FX業者が提供するボーナスについて、クッション機能の有無を一覧にしていますので、参考にしてください。
海外FX業者の入金ボーナス一覧は下記にまとめています。
キャッシュバック系ボーナス
キャッシュバック系ボーナスは、取引量に応じて後から付与されるものですね。キャッシュバックは出金可能な現金として付与される場合が多いので、クッション機能としては基本的に「あり」と言うことになります。
海外FX業者のキャッシュバック系ボーナスについては下記に詳しくまとめています。
有効証拠金とクッション機能の関係
前述した通り、クッション機能付きかどうかが別れるのは、ほとんどが入金ボーナスの場合であり、ボーナスをもらう過程で、必ずユーザー自身が取引口座へ入金する必要があります。つまり取引口座内には、自分自身が入金した資金と、ブローカによって付与されたボーナスとの2種類が存在することになるというわけですね。
上記の画像のように、MT4のターミナルなどを見ると、入金した金額(+損益)は「残高」と表示されていると思いますが、これは出金可能な資金のこと。一方でボーナスは「クレジット」などと表記されていると思います(モバイル版のMT4などのバージョンによっては、表記が割愛されている場合があります)。ボーナスは出金できないため、出金可能な「残高」とは分けて表示されていますね。
そしてもう一つ「有効証拠金」というものが存在します。有効証拠金は、取引に使える証拠金、そして証拠金維持率の計算に含まれる証拠金のことですね。ボーナスにおけるクッション機能の有無は、ボーナス単体での取引が可能かどうかで判別できます。つまり、この有効証拠金にクレジットの金額が含まれている場合、そのボーナスはクッション機能ありということになります。
上の画像の場合は、残高は0ですが、有効証拠金=取引に利用できる資金にクレジット(ボーナス)の額が含まれており、ボーナスにクッション機能が付いていることがわかりますね。
クッション機能の効果と具体的な取引例
口座内に残高とボーナスの2種類がある場合、優先的に増減するのは残高です。損失が出れば残高から減っていきますし、利益が出れば残高に加算されます。そのため損益により残高が多少増減している間は、ボーナスには何の変化もありません。
しかし、残高が減ってきた時や0になった時、ボーナスのクッション機能がある場合とない場合で、結果は大きく異なります。
【パターン1】口座残高5万円+ボーナス5万円で、少しずつ損失がかさんで残高が0円を割り込みそうな時
何回かのトレードの結果、少しずつ損失がかさんで残高が減少し0円を割り込みそうな時、クッション機能の有無はそれ以降の取引に大きく影響します。具体的には下記のようになりますね。
- クッション機能がある場合→0円を割り込んでも継続取引可能
- クッション機能がない場合→残高がなくなった時点でボーナスは消滅し、それ以上は継続取引不可
クッション機能があるボーナスの場合は、ボーナスだけでも取引可能なので、口座に残った5万円のボーナスの範囲で取引を継続できます。
しかしクッション機能がないボーナスの場合、残高のみで取引する必要があるため、残高がなくなった時点でボーナスは消滅し、それ以上は取引を続けられません。
またブローカーによっては、「残高の○%がなくなった時点でボーナスは消滅」などの、さらに厳しいルールにしている場合もあるので、注意が必要です。
【パターン2】口座残高5万円+ボーナス5万円で、大きめのロット数でロングしていたところレートが急落した場合
証拠金に対してロット数が大きい時、たとえ1回のトレードでも急なレートの逆行により残高が0円を割り込みそうな場合は、クッション機能の有無は下記のようにそのポジションの存続に大きく影響します。
- クッション機能がある場合→残高が0円を割り込んでも、5万円のボーナスがあるため、ポジションはすぐにはロスカットにならない
- クッション機能がない場合→残高が一定割合まで減った時点で、そのポジションはロスカットされる
クッション機能があるボーナスの場合は、ボーナスも有効証拠金に含まれます。つまり、一時的に残高を割り込む損失が出てもロスカットにはならず、その後の値動きについて行くことができるというわけですね。
しかし、クッション機能がないボーナスの場合、ボーナスは有効証拠金に含まれず、ロスカットの条件で重要な証拠金維持率の計算にもボーナスは含まれません。ボーナスが口座にあったとしても、レートの動き次第では、ポジションは早い段階でロスカットされる危険があります。
クッション機能があるボーナスのメリット
ここまでは、ボーナスのクッション機能の効果について説明してきましたが、基本的にはクッション機能があるボーナスの方が使いやすくておすすめできることがわかったかと思います。さらにここからは、クッション機能があるボーナスのメリットを改めてまとめたいと思います。
残高がなくなっても、ボーナスだけで取引できる
もし100%入金ボーナスをもらっても、なかなか利益を出せずに少しずつ残高は目減りし、ついには元あった有効証拠金の半分まで来てしまった、と言うことは初心者のうちは珍しくありません。
ロスカット水準が証拠金維持率50%と仮定すると、クッション機能がないボーナスの場合は、追加入金をしない限り、残念ながらその時点で取引は終了です。
しかしクッション機能があるボーナスであれば、残高がなくなってもボーナスだけで取引が可能なため、挽回するチャンスがありますね。
ロスカットになりにくい
クッション機能があるボーナスは、有効証拠金に含まれます。ボーナスを含めた口座にある証拠金全部を使って取引できるので、一時的な損失があった場合も、ボーナスが文字通りクッションの役割を果たすため、ロスカットを回避できる可能性があります。
ボーナスの種類によっては、入金せずに取引できる
口座開設ボーナスは、クッション機能があるボーナスの最たるものですね。例えばXMやGemForexの口座開設ボーナスは、ボーナスだけで取引ができ、利益を出金することも可能です。
ただし、海外FX業者によっては、口座開設ボーナスが純粋に有効証拠金としてのボーナスとは異なる場合もあるため注意しましょう。例えばFBSの口座開設ボーナスである「Trade 100 Bonus」では、専用のボーナス口座を開設して取引するため、追加入金などして証拠金を拡大することはできません。
この辺りの詳細はブローカーの公式サイトをよく確認するほか、当サイトのボーナス解説などを参考にするようにしてください。
海外FX業者ごとの、クッション機能ボーナス対応状況
ここからは、ボーナスを常時提供している主要な海外FX業者について、クッション機能ボーナスの対応状況をまとめてみたいと思います。また、合わせてクッション機能がないボーナスの使い道についても解説します。
クッション機能ボーナス対応一覧
まずは、各業者のクッション機能ボーナスの対応状況です。
入金ボーナスのクッション機能の有無 | 備考 | |
XM | ○クッション機能あり | |
GemForex | ○クッション機能あり | |
FBS | ×クッション機能なし | 口座開設ボーナスの「Trade 100 Bonus」は入金不要で取引可能。 |
iForex | ○クッション機能あり | |
HotForex | ×クッション機能なし | |
FXGT | ○クッション機能あり | |
TradersTrust | ×クッション機能なし | 口座開設ボーナスは入金不要で取引可能。 |
入金ボーナスにはクッション機能がない海外FX業者でも、口座開設ボーナスを提供している場合、残高がない状態でもボーナスだけで取引が可能です。
続いて、クッション機能があるボーナスを提供している海外FX業者のうち、主要な業者とボーナスを確認しましょう。
XM
安定した取引環境などにより抜群の人気を誇るXM。当サイトの海外FX業者総合ランキングでも、常に1位に君臨しており、豊富なボーナスが用意されていることもその魅力のひとつですね。すべてのボーナスはクッション機能付きで、残高と同じように証拠金として使え、利益はいつでも出金できます。
以下はXMが提供しているボーナスですね。
- 口座開設ボーナス(3,000円)
- 100%入金ボーナス(上限500ドル相当額)
- 20%入金ボーナス(上限4,500ドル相当額)
- XMPによるキャッシュバック
全てがクッション機能ありということで、非常にボーナスの使い勝手が良い海外FX業者と言えるでしょう。
XMの評判や特徴、メリット・デメリットについては下記に詳しくまとめています。
GemForex
狭いスプレッドと高額なボーナスで着実に人気を高めているGemForex。常時行われている口座開設ボーナスキャンペーンは1万円からと高額で、不定期で入金ボーナスも開催されていますね。
以下はGemForexが提供しているボーナスです。
- 口座開設ボーナス(1万円〜2万円)
- 100%入金ボーナス(不定期開催)
不定期開催かつ抽選方式となる入金ボーナスですが、その上限も高く、豪華かつ使い勝手の良いボーナスを提供している海外FX業者と言えます。
GemForexの評判や特徴、メリット・デメリットについては下記に詳しくまとめています。
iForex
iForexは1996年に設立し、20年以上の運営実績がある海外FX業者です。有効保有額の年利3%をキャッシュバックするユニークなボーナスも提供していますが、何と言っても1,000ドルまでの100%ウェルカムボーナスは注目ですね。
以下はiForexが提供しているボーナスです。
- 初回100%入金ボーナス(上限1,000ドル相当額。時期によってはさらに1,000ドルを上限とした25%入金ボーナスなどが加えられる場合もある)
上限額はそこまで高いとは言えないものの、クッション機能ありボーナス+キャッシュバックのメリットは大きく、十分に利用する価値がある海外FX業者と言えるでしょう。
iForexの評判や特徴、メリット・デメリットについては下記に詳しくまとめています。
クッション機能がないボーナスの使い道について
ボーナスにクッション機能があれば、残高と同等に証拠金として扱うことができ、もしトレード用に準備できる資金が少なくても、ボーナスで証拠金を増やしてトレードに充てるなどの使い方ができますね。
しかし、クッション機能がないボーナスはそうは行きません。ボーナスが付与されて口座内の資金が増えたように見えても、実際には入金した金額の範囲で取引しないといけないため、証拠金を強化するという意味では、クッション機能がないボーナスは事実上ただの飾りです。
それならば、クッション機能がないボーナスは無意味か、と言うとそうとも言い切れません。有効証拠金としては利用できないものの、ポジションを取得する際の仮の証拠金としては利用できるため、残高のみでは保有できないような大きなロット数のポジションを保有することは可能になります。
また、クッション機能がないボーナスには、以下のような2つの特徴があることも多いです。
- 非常に高額(上限が100万円前後、またはそれ以上)
- キャッシュバック機能がついている
もちろん、必ずこの2つの条件が当てはまるわけではありませんが、傾向としては上記のような特徴があると考えて良いでしょう。つまり、クッション機能がないボーナスには、その代わりにキャッシュバック機能がついているのです。
例えばFBSの入金ボーナスの場合、ボーナス額を上限に1ロットの取引につき1ドルの出金可能なキャッシュバックが得られます。ある程度の取引量があるトレーダーであれば、このようなクッション機能はないものの出金可能なキャッシュバック付きのボーナスを利用する、というのも選択肢のひとつではないでしょうか。
まとめ
クッション機能の有無により、ボーナスの使い勝手は大きく変わってきます。海外FXをこれから始める人にとっては、「ボーナスには証拠金の代用になるものと、ならないものがある」と言うことを、知っているのと知らないのとでは大違いでしょう。
基本的にはクッション機能があるボーナスがおすすめですので、海外FX業者選びの際はその金額の大きさだけでなく、クッション機能についてもしっかり確認しておくようにしましょう。
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