2013年に設立され、セントビンセント及びグレナディーン諸島のライセンスを受けて運営する海外FX業者BigBoss。定期的な大型キャンペーンの展開や、グローバルアンバサダーとして格闘家のボブサップ氏を起用するなど、注目されることも多いですね。
そんなBigBossでは、基本的にスキャルピング可能となっています。さらに、取引ボーナスを利用したコスト還元も可能なので、ボーナスを利用した際の取引コストとしては少なめにスキャルピングができるでしょう。ただしBigBossでは、スプレッドと取引手数料の実質スプレッドそのものはあまり狭くない傾向があるため、気をつけなければいけません。
そこで本記事ではBigBossのスキャルピングについて、メリットやデメリットだけではなく、他の海外FX業者とのスプレッド比較を交えながら、詳しく解説していきたいと思います。
BigBossはスキャルピングを禁止していない
BigBossは、規約においてスキャルピングを禁止していません。裁量トレードでもEAによる自動売買でも、制限を気にせずにスキャルピングすることが可能です。
ただし、高頻度取引(HTF)は禁止をしており、その際は最悪の場合口座利用の停止などの罰則が課せられる可能性があるため、その点は注意が必要と言えるでしょう。
BigBossが禁止している高頻度取引(HTF)とは
一般的に高頻度取引とは、HighFrequencyTrading(直訳すると高周波数取引)の頭文字をとって「HTF」とも呼ばれ、コンピューターやプログラムによって1000分の1秒単位の値動きを判断し、短時間で超高速の注文を大量に行い、利益を上げる取引方法のことです。
BigBossでの高頻度取引の定義について問い合わせたところ、カバー先からの指摘に基づいており、具体的な基準については明らかにできないようです。一般的なHTFの定義に基づけば、BigBossでは単純に回数が多い取引が禁止になるというよりも、裁量トレードや普通のEAでは実行するのが難しいような高速取引に対して、罰則の対象になる場合がある、と考えられますね。
BigBossのスキャルピングではあまり制限はありませんが、極端に高頻度の取引は控えた方が良いでしょう。
BigBossでスキャルピングするメリット
取引ボーナスによるコスト還元ができる
スキャルピングを行う上で非常に重要と言えるのがスプレッドですね。ただFX通貨ペアなどにおけるBigBossのスプレッドは、他社と比べて特別に狭いわけではありません。
しかしながらBigBossには取引ボーナスという取引量に応じたボーナスが存在します。この取引ボーナスにはコスト還元の一面もあり、それにより実質的な取引コストは設定されたスプレッドよりも狭いと考えることができますね。
BigBossの取引ボーナスは、FXメジャー/マイナー通貨ペアと、仮想通貨(暗号通貨)CFDの取引で得ることができ、取引銘柄ごとのボーナスの付与割合は、具体的には以下の通りです。
取引銘柄 | ボーナス付与割合 |
FXメジャー/マイナー通貨ペア | 1ロットの取引ごとに4ドルのボーナスを付与 |
仮想通貨(暗号通貨)CFD | 10万ドルの取引につき5ドルのボーナスを、1ロットの取引ごとに付与 |
FXメジャー/マイナー通貨ペアでは、1ロットの取引ごとに4ドルのボーナス付与となっていますね。仮想通貨(暗号通貨)CFDの場合は少々複雑で、10万ドルの取引につき5ドルのボーナスが、1ロットの取引ごとに付与される形となり、ボーナスレートはBigBoss公式サイトで以下のように公開されています。
例えばBTCUSDTのボーナス計算レートは、2022年3月13日時点で38,783ドルとなっているため、1ロットの取引で1.9ドルのボーナス還元ということになりますね。
取引ボーナスのための取引ロット数の計算は、小数点以下切り捨てになる点には注意が必要ですが、ボーナスを利用することで、FX通貨ペアの場合は最大で0.4pips程度のスプレッド削減が可能になります。
取引ボーナスはプロスプレッド口座でも利用可
一般的な海外FX業者では、低スプレッド口座タイプは、ボーナスなどのキャンペーンは対象外になる場合が多いですね。
しかしBigBossでは、スタンダード口座だけではなく、低スプレッド口座タイプであるプロスプレッド口座でも、取引ボーナスを獲得することが可能です。ボーナスによるコスト還元を、低スプレッド口座で受けられる点は、非常に大きな魅力と言えるでしょう。
ただし、プロスプレッド口座で取引できるのは、FX通貨ペアに加えて貴金属、エネルギー、株価指数だけとなっており、仮想通貨は取引対象外となっています。
最大999倍のレバレッジに加え、ゼロカットシステムで追証なし
BigBossでは、最大999倍のレバレッジで取引可能となっており、他の海外FX業者と比べても遜色ない高さと言えるでしょう。口座の最大レバレッジが高いことによって、ポジションを持つ際の必要証拠金が少なくなったり、証拠金維持率が上がってロスカットされにくくなるなどのメリットがあり、非常に資金効率の良い取引が可能になります。
海外FXでは当然のように存在するゼロカットですが、もちろんBigBossでも採用しており、口座にある証拠金以上の損失が出ても、マイナス残高分はBigBossが負担してくれます。ユーザーは追証を払う必要がなく、入金額以上の損失がないため、高いレバレッジを生かした取引も安心して行えますね。
仮想通貨(暗号通貨)のスプレッドは業界最狭レベル
BigBossは一般的な海外FX業者の1社ですが、仮想通貨(暗号通貨)CFDでのスプレッドが非常に狭いという特徴があります。
ここで、海外FXの中でも仮想通貨も専門的に扱う業者として知られるFXGTとBigBossのスタンダード口座で、主な仮想通貨ペアの平均スプレッドを比較してみましょう。
BigBoss | FXGT | |
BTCUSD | 189pips | 195pips |
ETHUSD | 173pips | 171pips |
※BigBossが扱う仮想通貨ペアは、正しくは「BTCUSDT/ETHUSDT」などです。テザー(USDT)は、USDと連動したペッグ通貨となっています。
FXGTの仮想通貨ペアのスプレッドは、海外FX業者の中でもかなり狭い方ですが、BigBossのスプレッドもそれに引けを取りませんね。
さらにBigBossでは仮想通貨取引におけるストップレベルが狭く、例えばBTCUSDTで10pipsとなっています。FXGTは全般的にストップレベルは広めで、BTCUSDでは72pipsとなっているため、取引のしやすさではBigBossに軍配が上がると言えるでしょう。
BigBossでスキャルピングするデメリット
ここからは、取引する際には知っておきたい、BigBossでスキャルピングをするデメリットについて確認していきたいと思います。
プロスプレッド口座のスプレッドは、他社よりも広め
BigBossの低スプレッド口座であるプロスプレッド口座ですが、スプレッド自体は他社のECN口座などの低スプレッド口座と比較すると、やや広めとなっています。
まず最初に、他の主要海外FX業社とBigBossの、低スプレッド口座における1ロットあたりの往復取引手数料を比較すると以下のようになります。
BigBoss | Tradeview | Axiory | TitanFX | XM | |
取引手数料 | 9ドル | 5ドル | 6ドル | 7ドル | 10ドル |
上記を踏まえた上で、主な通貨ペアでの平均スプレッドを比較すると以下のようになりますね。
(カッコ内は、取引手数料を含む実質的なスプレッド)
BigBoss プロスプレッド口座 | Tradeview ILC口座 | Axiory ナノ口座 | TitanFX ブレード口座 | XM XM Zero口座 | |
EURUSD | 0.4pips (1.3pips) | 0.1pips (0.6pips) | 0.2pips (0.6pips) | 0.2pips (0.9pips) | 0.2pips (1.2pips) |
USDJPY | 0.3pips (1.2pips) | 0.3pips (0.8pips) | 0.4pips (1pips) | 0.4pips (1.1pips) | 0.3pips (1.3pips) |
GBPUSD | 0.9pips (1.8pips) | 0.3pips (0.8pips) | 0.6pips (1.2pips) | 0.6pips (1.3pips) | 0.6pips (1.6pips) |
EURJPY | 0.5pips (1.4pips) | 0.3pips (0.8pips) | 0.5pips (1.1pips) | 0.6pips (1.3pips) | 0.6pips (1.6pips) |
BigBossのプロスプレッド口座は、取引ボーナスによって最大0.4pipsのスプレッド削減ができるので、実質的にはこの比較表よりも少ないコストで取引ができます。
しかし、Tradeviewをはじめとした低スプレッド専門の業者とのスプレッドの差は小さくはありません。本格的にスキャルピングをしたい場合は、より条件の良い他社を検討しても良いでしょう。
仮想通貨(暗号通貨)の取引規模は小さめ
狭いスプレッドで取引ができるBigBossの仮想通貨(暗号通貨)CFDですが、取引スペックには制限があります。BTCUSDの取引を例に、BigBossとFXGTで最大レバレッジと最大取引ロット数を比較してみましょう。
BigBoss | FXGT | |
最大レバレッジ | 50倍 | 1000倍 |
最大取引ロット数 | 1ロット | 50ロット |
スプレッドやストップレベルの面では非常に優秀なBigBossですが、最大レバレッジや最大取引ロット数の面では劣ります。特に、1ポジションあたりの最大取引ロット数は1ロットが上限なので、BigBossでは小規模取引の方が向いていると言えるでしょう。
ストップレベルは多くの銘柄で1pips
ストップレベルとは、指値・逆指値注文を入れる際に現在のレートから離さなければいけない値幅のことですね。特にスキャルピングは細かく値幅を取りに行く取引手法のため、このストップレベルは狭ければ狭い方が取引しやすくなります。
BigBossではFX通貨ペアをはじめとしたほとんどの銘柄で、ストップレベルを1pipsに設定しており、決して広いわけではありません。しかしながら海外FX業社の中には、ストップレベルが0pipsの業者もいくつかあり、わずかな差ではありますがBigBossのデメリットと言えそうです。
本格的なスキャルピングに適したおすすめ海外FX3社
取引ボーナスによってコスト還元が可能なBigBossですが、本格的なスキャルピングをする場合は、より狭いスプレッドを提供する海外FX業者も検討したくなるのではないでしょうか。
ここからは、ライセンスの取得をはじめとした信頼性はもちろんのこと、スプレッドや取引環境に定評のある、おすすめの海外FX業者3社を見ていきたいと思います。
Axiory
海外FXとしては珍しく、信託保全による顧客資金保護を行なっているAxiory。公式サイト内では、約定スピードやスリッページ率などの統計データも月ごとに公開しており、取引環境に対する自信と責任が感じられるブローカーですね。
ECN口座であるナノ口座(MT4)とテラ口座(MT5)では、1ロットあたり6ドルの往復取引手数料に加えて、最小0pipsのスプレッドでの取引が可能です。
公式サイト、カスタマーサポート共に日本語対応は充実しており、初心者でも安心して利用できる海外FX業者の1つでしょう。
Axioryでスキャルピングをする場合のメリットや注意点については、下記の記事に詳しくまとめています。
Axioryの全体的な評判や魅力、利用するメリット、デメリットを全まとめした記事もありますので、よければこちらも参考にしてください。
TitanFX
TitanFXは、最新技術に裏付けられたスプレッドの狭さや約定力の高さで支持されている海外FX業社です。
ECN口座であるブレード口座では、1ロットあたり7ドルの往復取引手数料に加えて、最小0pipsのスプレッドでの取引が可能ですね。
TitanFXのもう1つの特徴として、取引手数料がかからないスタンダード口座でも、一般的なスタンダード口座と比べてスプレッドが狭いことが挙げられます。「手数料がかかるECN口座はハードルが高いけど、狭いスプレッドでスキャルピングがしてみたい」と言う人にも使いやすいのではないでしょうか。
TitanFXでスキャルピングをする場合のメリットや注意点については、下記の記事に詳しくまとめています。
TitanFXの全体的な評判や魅力、利用するメリット、デメリットを全まとめした記事もありますので、よければこちらも参考にしてください。
Tradeview
海外FXで低スプレッド・低取引手数料と言えば、真っ先に挙げたいのがTradeviewですね。
ECN口座であるILC口座では、1ロットあたり5ドルの往復取引手数料に加えて、極狭のスプレッドでの取引が可能。ユーロドルやドル円では、最小0pipsのスプレッドで取引できるタイミングも少なくない印象です。
デメリットを挙げるなら、ILC口座の最大レバレッジは200倍であることと、公式サイトの日本語ページから得られる情報がほとんどないことでしょう。ただしカスタマーサポートでは、日本語による丁寧な対応を受けられます。
ある程度海外FXでの取引に慣れていて、取引コストにこだわる人であれば、Tradeviewは利用を検討したい業者ではないでしょうか。
Tradeviewでスキャルピングをする場合のメリットや注意点については、下記の記事に詳しくまとめています。
Tradeviewの全体的な評判や魅力、利用するメリット、デメリットを全まとめした記事もありますので、よければこちらも参考にしてください。
まとめ
BigBossでは、取引ボーナスによるコスト還元を始め、最大999倍のレバレッジなど、スキャルピングに適したスペックもある一方で、スプレッドそのものは狭くはないと言うデメリットがあります。ただ仮想通貨取引においては、かなり取引しやすいスペックも提供しており、その点は評価できるでしょう。
為替取引においては、記事の最後で紹介したようなより狭いスプレッドを提供する海外FX業者の方が、スキャルピングには適していることも考慮し、自身に最適なブローカーを利用するようにしましょう。
スプレッドの狭さや取引環境の優秀さ、ボーナス等を含めた海外FX業者の総合ランキングは下記にまとめています。より使い勝手の良いブローカーや自信とトレードスタイルに合った海外FX業者を探したいトレーダーは参考にしてください。
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