海外FX業者を利用しているトレーダーは、メインとなる口座や業者をひとつに絞って取引している人もいるかもしれませんね。もちろん、メインとなる取引口座を持つことは良いことです。しかしながら、1つの取引口座、そして1つの海外FX業者だけに頼ることは、取引の幅を狭めかねず、さらには少々リスクも持ち合わせていることも忘れてはいけません。
海外FXでは複数口座・複数業者を利用することで、口座タイプの使い分けや、効率的なボーナスの獲得、さらにはシステム障害があった場合にも他業者で取引ができるなど、多くのメリットを得られます。そこで本記事では、海外FXを複数口座で運用することのメリットや注意点について、詳しく確認していきましょう。
同一業者内で複数口座を利用するメリット
複数の口座を利用すると言っても、同じ海外FX業者の中で別々の口座を使い分ける場合と、違う海外FX業者の口座を使い分ける場合の2通りが考えられます。
海外FXでは、一度口座開設をすると、複数個の追加口座を簡単な手続きで作ることができます。複数の口座を活用することで、資金管理がしやすくなったり、それぞれの業者のサービスを得やすくすることができます。
まず最初に、同一業者内で複数口座を利用するメリットを挙げてみましょう。
資金管理を行いやすくする
1つの口座だけで取引をする場合、利益も同じ口座に貯まることになりますね。残高が増えて行くのは嬉しいことですが、資金管理としては気をつけたい面もあります。
複利を利用してロット調整をする場合、口座残高が増えるのはロットを上げるために必要ですが、ハイレバレッジを利用したトレードを行なっている場合は、ちょっとした逆行でも口座残高の範囲で損失をもらってしまうリスクがありますね。
そうした損失を防ぐためには、例えば一時的に利益を確保するための別口座を作っておくなどは良いアイデアでしょう。複数の口座を利用することで、同一業者内であっても資金管理を行いやすくなります。
ただし、ボーナスをもらっている場合の口座間の資金移動には注意が必要。移動額の割合に応じてボーナスも移動する場合や、業者によっては出金をしなくても資金を移動するだけでボーナス全削除のような厳しいルールになっている場合もあります。口座にボーナスを含む場合は、各業者のルールをあらかじめ確認しておくようにしましょう。
性質の違う口座タイプを使い分けることができる
海外FXでは1つの業者が1つの口座タイプしか提供していないということはなく、少なくともSTPタイプの口座と、ECNタイプの口座の2種類を提供している場合がほとんどです。
STP口座はいわゆるスタンダード口座で、多くのユーザーが最初に開設する口座タイプですね。ECN口座は、スプレッドの狭さなど取引環境にこだわるユーザーのための口座タイプです。
大きなロット数で取引する場合や、スキャルピングをメインに取り組む場合、またはシステムトレードに挑戦する場合は、ECN方式の口座タイプが向いていると言われます。
トレード技術の向上に合わせて、上級者向けと言われるECN口座の開設を考えても良いかも知れませんね。
海外FXにおけるSTP口座とECN口座の違い、各口座のメリット・デメリットなどは下記で詳しく解説しています。
口座を分けた方が、複数の取引方法を運用しやすい
FXの取引方法は大きく分けて、裁量トレードとシステムトレードの2種類があり、その中でもいくつかの種類に分けることができます。
裁量トレード | システムトレード |
スキャルピング デイトレード スイングトレード スワップポイントを狙った長期保有のトレード など | EAによる自動売買 コピートレード系のサービス など |
複数の取引方法を同時に運用する場合、取引方法ごとに口座も分けた方が、資金管理や成績の確認などをしやすくなりますね。
さらには、例えば同じデイトレードであっても、異なる取引ルールを運用する場合は、成績の管理などのためには口座を分けた方が分かりやすいでしょう。
ボーナスの使い分けができる
海外FXの大きな魅力であるボーナスですが、単に証拠金の足しにするだけではなく、いろいろな使い方をすることができます。
例えば海外FXの最大手であるXMでは、トレードごとにたまるポイントをボーナスなどに交換することができるのですが、ポイントの交換用に新規の追加口座を作成することで、「ボーナスだけの取引口座」を作ることができます。
ボーナス割合が高いと、それだけ自己資金に対するリスクが低くなることになりますね。ボーナス割合が低い口座だけではなく高い口座も用意することで、相場状況に応じた枚数調整に幅を持たせることができるようになります。
複数の海外FX業者を利用するメリット
続いて、2社以上の海外FX業者で口座を開設し、活用していく場合のメリットについて考えてみます。
資金の分散によるリスクヘッジができる
ある程度資金が増えてきて、取引規模も大きくしていく場合、1つの業者に全投資資金を預けてしまうのは、万一のことを考えると不安があります。
もちろん、業者が破綻すること=資金が返ってこないこと、と言う訳ではありませんが、資金を分散させることで万一のリクスに備えておくなどの対策は立てるべきでしょう。
信頼できる2社以上の海外FX業者に入金し取引することは、資金管理面でのリスクヘッジになります。
レバレッジ規制の回避や、レバレッジに応じた業者の使い分けができる
複数の海外FX業者で資金を分散させることは、資金を守るだけではなく、レバレッジ対策にもなりますね。
多くの海外FX業者では、口座残高の総額が100万円程度を超えてくると、それに伴い最大レバレッジを自動的に引き下げる「レバレッジ制限」が行われます。この制限を避けるには、例えばTitanFXやiForexなどの、口座残高によるレバレッジ規制がない業者を利用するという方法もありますが、複数の業者を利用して残高の調整を行うことにより回避することもできますね。
また、海外FX業者の最大レバレッジは、一般的には500倍前後、高い場合には1000倍を超える業者もあります。ハイレバレッジトレードを好むトレーダーにとっては、レバレッジで業者を使い分ける方法も考えられますね。
海外FXのレバレッジ制限についての解説や各業者ごとの対応比較は下記にまとめています。
業者ごとの特徴を使い分けることが出来る
海外FX業者にはいろいろなタイプがあります。
- ボーナスキャンペーンが充実している業者
- スプレッドや約定力など、取引環境に力を入れている業者
- ボーナスと取引環境の、両方でバランスをとっている業者
こうした各業者の特徴に合わせて口座を使い分けることは、海外FXの醍醐味とも言えるでしょう。
例えば、初心者のうちはボーナスメインで活用し、上達してくると取引環境にも注意して業者を選んだり、またはデイトレードとスキャルピングで、それぞれで専用の業者を決めて使い分けるなどの方法がありますね。
各業者のボーナスを活用できる
ボーナス提供をしている海外FX業者は多くあります。そして当然のことですが、口座を開設しないことには、その業者のボーナスを得ることはできません。
そのため複数の業者を使って口座開設ボーナスを一通り獲得するのは基本戦略とも言えるでしょう。入金ボーナスがある場合は、得られた利益で他の業者の入金ボーナスをもらうことで、さらなる資金の拡大を目指せます。
口座を開設しておくことで、特別なボーナスオファーが来る場合がある
入金ボーナスを提供している海外FX業者の場合、定期的にトレードをしていると、特別なボーナスオファーを受け取れる場合があります。こうした不定期のボーナスは、各業者の公式サイトには書かれていない場合がほとんど。口座開設したユーザーだけが受け取れる特典なので、ボーナスを活用したいトレーダーの場合は、とりあえずいくつかの業者で口座開設をしておいても良いかも知れません。
システム障害があった場合の機会損失を避ける
優良な海外FX業者と言っても万能ではなく、稀にシステム障害により一時的に取引ができない時間が発生する場合があります。もしも絶好のチャンスでシステム障害が発生してしまったら、みすみす良い値動きを取り逃がしてしまうことになりますね。
しかし、あらかじめ複数の業者で口座を持ち、取引できるように入金をしておけば、もし1つの業者で取引ができなくても別の業者で取引ができるので、機会損失をする可能性を低くすることができます。
チャートの違いが確認できる
MT4/MT5に表示されているレートは、絶対のものではありません。ほとんどは同じですが、業者によって高安値の価格が異なる場合も珍しくありません。
もし少し気になる高安値のヒゲなどを発見した時、いくつかの業者で口座を持っていれば、それらのチャートを見比べて分析に生かすことができます。
複数口座の運用例
ここからは、具体的な複数口座の運用例をご紹介したいと思います。同一業者内での運用例、そして他業者間での運用例の順に見ていきましょう。
同一業者内での運用例
まずは、同一業者内で別々の口座を使い分ける場合について説明します。
XMでボーナス専用口座を作る
XMは約定力などの取引環境が安定していながらも、ボーナスも豊富な人気海外FX業者ですね。当サイトの海外FX業者総合ランキングでも、長年堂々の1位に輝いており、まさに海外FX業者の代表格と言えるでしょう。
そんなXMでは口座開設ボーナスや入金ボーナスも充実していますが、今回注目するのはXMポイント。XMポイントは取引量に応じて貯まり、貯まったポイントは自由にボーナスなどに交換できます。さらにXMポイントは、取引した口座ごとに貯まるのではなく、ユーザーに対して貯まるので、取引をしていない新規追加口座に対して、ボーナス交換することが可能です。
通常のトレード口座とは別にボーナスのみの口座を作ることで、相場状況が良い時にハイレバトレードを仕掛け、リスクをかけずに大きな利益を狙うことができます。
XMの評判や特徴、メリット・デメリットについては下記に詳しくまとめています。
GemForexで裁量トレードとシステムトレードを使い分ける
GemForexは、高額なボーナスキャンペーンとスプレッドの狭さで人気の海外FX業者ですね。GemForexのさらなる特徴の1つとして、無料のミラートレードサービスの提供があります。
ミラートレードは自動売買の1種で、業者によってはコピートレードやソーシャルトレードのように呼ぶ場合もあります。登録しているトレーダーの中から成績などを見比べ、良いと思うトレーダーをフォローし、トレード結果だけを自分の口座に反映させて損益を得る、と言うような仕組みですね。
GemForexでは、ボーナスやスプレッドを生かした裁量トレードともに、無料のミラートレードサービスを利用した自動売買も、簡単に並行して運用することができます。
GemForexの評判や特徴、メリット・デメリットについては下記に詳しくまとめています。
他業者間の運用例
続いて、複数の海外FX業者の口座を使い分ける場合の例を見ていきましょう。
XMとTitanFXを、トレードスタイルに応じて使い分ける
複数の海外FX業者の口座を使い分ける場合は、タイプの違う業者を使い分けるのが定石と言えます。ボーナスが手厚い業者と、取引環境重視型の業者の組み合わせる、といったような方法ですね。
例えば、ボーナスやポイント還元を活用できるXMと、高速約定とスプレッドの狭さでスキャルピングを行いやすい環境のTitanFXを、取引方法ごとに使い分けるなどは良い例です。
その他、iForexとAxioryなども、それぞれボーナスがある業者と取引環境に特化した業者であり、特徴の違う業者の使い分けになりますね。
TitanFXの評判や特徴、メリット・デメリットについては下記に詳しくまとめています。
iForexの評判や特徴、メリット・デメリットについては下記に詳しくまとめています。
Axioryの評判や特徴、メリット・デメリットについては下記に詳しくまとめています。
複数口座を持つ場合の注意点
複数口座を使い分ける場合には、ルール違反の取引にならないように注意しなければいけません。
中でも最も気をつけたいのが両建てですね。一般的に、同一口座内での両建てに対する制限はありませんが、多くの海外FX業者で他口座間の両建ては禁止となっています。特にボーナス提供のある業者の場合は、両建てすることでボーナスの現金化が可能になってしまうため、間違っても行ってはいけません。この場合の他口座間とは、同一業者内と他業者間のいずれの場合も含みます。
また、複数の口座を利用した裁定取引も禁止されている場合が多いです。見つかった場合は厳しい罰則を課せられる可能性が高いので、行わないようにくれぐれも気を付けましょう。
両建ての詳細や各海外FX業者の対応については下記に詳しくまとめています。
まとめ
海外FXを複数口座で運用する場合のメリットについて解説してきましたが、特に初心者の方にとって重要なのはボーナスではないでしょうか。口座開設ボーナスはもちろん、入金ボーナスを上手に獲得することで、リスクを抑えてFXに挑戦できます。また、いろいろなトレード方法を試してみたい場合は、各業者の特徴を生かした口座を選んでみるのも良いでしょう。
ただし、他口座間の両建てなどの裁定取引を行わないことや、注文を入れたことを忘れてポジションを放置してしまわないなど、複数の口座を使う場合に特有の失敗にも気を付けてくださいね。
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