1996年より運営を開始しており、FX業者の中でも非常に長い実績を持つ海外FX業者iForex。日本市場への参入も早く、アイフォという名称で呼ばれるなど日本人トレーダーにとっても馴染み深い1社ですね。
そんなiForexの口座スペックですが、レバレッジ制限がないことや、ロスカット水準が0%で証拠金ギリギリまでトレードが可能なことなど、ユニークなポイントが多いのが特徴と言えるでしょう。しかし同時に、スキャルピングや自動売買には非対応ともなっており、トレードスタイルによって相性の良し悪しが分かれる業者とも言えます。
そこで本記事では、iForexの口座の特徴や、主にレバレッジに注目した口座スペックについて詳しく解説。注意点なども含めてまとめて説明していきたいと思います。
iForexの口座タイプとスペックの概要
iForexの口座タイプは「エリート口座」の1種類
かつては複数の口座タイプの提供もあったiForexですが、現在は「エリート口座」の1種類に絞られています。エリート口座の基本仕様をまとめると下記のようになりますね。
最大レバレッジ | 400倍 |
ドル円の最小スプレッド | 0.8pips |
取引手数料 | なし |
最小取引数量 | 1,000通貨 |
1ポジションあたりの最大取引数量 | 500万通貨 |
最低入金額 | 1万円 |
ボーナスキャンペーン | 初回入金ボーナス(100%+25% 最大2,000ドル) 残高に対して年利3%利息キャンペーン |
一般的な海外FX業者では、ボーナス利用が可能な代わりにスプレッドはやや広めに設定されたスタンダード口座や、ボーナス利用が不可な代わりに低スプレッド取引が可能な口座タイプなどのように、用途に応じて口座タイプが分かれていることが一般的です。
しかしiForexのエリート口座では、取引手数料不要で狭めのスプレッドでありながら、各種ボーナスも利用可能という少し珍しい口座仕様になっていますね。
最大レバレッジは400倍で十分に高い倍率ですが、海外FX業者としてはやや低めと言えるでしょう。また最小入金額は1万円とやや高めの設定になっています。特筆すべきはボーナスキャンペーンの内容で、他の業者にはない残高に応じた利息を貰えるというものがありますね。
取引コストを抑えつつボーナスも利用できるということで、総合的に見れば利用しやすい口座仕様と言えるでしょう。
iForexで実施されている非常に珍しいボーナス「3%利息キャンペーン」の詳細や受け取り方、注意点については下記に詳しくまとめています。
iForexの銘柄ジャンル別最大レバレッジ一覧
取引可能な銘柄が非常に多い点も、iForexの特徴のひとつと言えるでしょう。例えばFX通貨ペアでは88種類、仮想通貨ペアは41種類、そして株式では世界中の有名企業株を599種類から取引可能となっています。
その中でFX通貨ペアは最大レバレッジが400倍に設定されていますが、そのほかの銘柄ではそれぞれに最大レバレッジが設定されています。各銘柄ジャンルごとに最大レバレッジは下記のようになりますね。
最大レバレッジ | |
FX通貨ペア | 20倍〜400倍 |
貴金属 | 100倍〜200倍 |
エネルギー | 66.6倍〜100倍 |
商品 | 50倍〜100倍 |
指数 | 20倍〜200倍 |
株式 | 5倍〜20倍 |
ETF | 5倍〜33.3倍 |
仮想通貨 | 5倍〜20倍 |
FX通貨ペアの多くは最大レバレッジの400倍で取引できますが、トルコリラ・インドルピー・ロシアルーブル・人民元を含む通貨ペアでは、通貨ペアによって最大20倍〜200倍のレバレッジ制限があります。
その他の銘柄でも最大レバレッジはそれぞれで異なる形になっており、取引したい銘柄の最大レバレッジは以下の2つの方法で調べられます。
- iForex公式サイトの「取引条件」→「取引条件一般」→「商品詳細」から各銘柄の一覧情報を確認する。
- iForex会員ページの取引画面の「商品情報」のタブから確認する。
ロスカット水準が0%
iForexのロスカット水準は0%となっており、この点はスペック面での大きな特徴となっていますね。
一般的な海外FX業者のロスカット水準は20%〜50%程度が多いのですが、その場合は証拠金維持率が下がってきた時に、思いがけないレートでポジションが決済されてしまう場合があります。そのためロスカット水準が低ければ低いほど資金効率の良いトレードが可能で、特定の条件でトレードに負けるリスクも低くなると言えるでしょう。iForexが設定しているロスカット水準0%は、証拠金のすべてを使って取引できるということになります。
ただし、そもそもロスカットのリスクが高くなるようなハイレバレッジトレードは、資金を一気に失う危険と背中合わせです。資金管理がしっかりでき高い実効レバレッジを使いこなせる上級者以外は、そもそもロスカットにならないような安全な取引を行うようにしますしょう。
ちなみにiForex以外にロスカット水準0%を提供している海外FX業者として、Exnessという業者もあります。
iForexにはレバレッジ制限がない
多くの海外FX業者では、口座残高や取引数量によるレバレッジ制限を設けています。例えばXMでは、アカウントの残高が200万円を超えると、レバレッジは最大200倍へと制限されます。
しかしiForexにはレバレッジ制限がなく、常に最大400倍の口座レバレッジで取引が可能です。常に高い一定のレバレッジで取引したい人や、レバレッジ制限による取引への影響を気にしたくない人には向いている仕様といえるでしょう。
iForexのストップレベルは平均的
ストップレベルとは、指値や逆指値注文を入れる時に、現在の価格から最低限離さなければいけない値幅のことですが、iForexのストップレベルはドル円で3.1pipsとなっており、これは特別狭くも広くもない平均的な値と言えるでしょう。スキャルピングやデイトレードでは、ストップレベルは狭い方が取引しやすくなるので、この点は少し気をつけたいポイントですね。
例えば以下に挙げるような海外FX業者では、主要な通貨ペアでストップレベルを0pipsに設定しているため、よりタイトに指値・逆指値注文を入れて取引したいトレーダーは下記のような業者を選択するようにしましょう。
ゼロカット対応で追証がない
他の海外FX業者と同様にiForexもゼロカットにも対応しており、万一の際も追証が発生する心配はありません。ただし、以下に記載するようなiForexで禁止されている取引方法や口座利用をした場合は、ゼロカットされない場合もあるので注意しましょう。
- スキャルピングやロボットを使用した取引を行なった場合
- 他口座間での両建て
- 不正な複数口座開設や、ボーナスの二重獲得
- レートの遅延や操作など、不当な優位性の獲得による取引
iForexの口座仕様に関する注意点
続いて、iForexの口座仕様に関しての注意点を確認したいと思います。
口座の最大レバレッジは選択や変更ができない
多くの海外FX業者では、口座の最大レバレッジは口座開設時に選択できたり、または口座開設後に会員ページ内から変更することができますが、iForexではそうした細かい設定には対応していません。
最大レバレッジは400倍固定になりますので、何かの事情で口座レバレッジを低く設定したい人にとっては注意が必要です。
iForexでは追加口座の開設ができない
一般的な海外FX業者では、用途が異なる複数の口座タイプを提供していたり、もし口座タイプが1つしかなくても複数の追加口座には対応している場合がほとんどです。
しかしiForexでは、口座タイプは1種類のみで、追加口座の開設もできません。iForexで口座開設をしたら、使える口座はその1つだけ、という形になります。
1つの口座で、iForexが提供するすべての銘柄を取引できるメリットはありますが、取引スタイルや銘柄に応じていくつかの取引口座を使い分けたい人にとっては、少々注意が必要ですね。
iForexのレバレッジは海外FX業者の中では高くはない
iForexの最大レバレッジはFX通貨ペアで400倍となっており、実際に取引する上では十分に高い倍率といえます。しかし海外FX全体を見ればより高いレバレッジを提供している業者は他にもあるため、全体的には決して高い方ではありませんね。
主要な海外FX業者(スタンダード口座)の最大レバレッジとレバレッジ制限方法をまとめると以下の表のようにります。
最大レバレッジ | レバレッジ制限の方法 | 制限の基準 | |
iForex | 400倍 | 制限なし | |
XM | 888倍 | 口座残高による制限 | 0ドル〜20,000ドル:888倍 20,001ドル〜100,000ドル:200倍 100,001ドル以上:100倍 |
GemForex | 1000倍 | 口座残高による制限 | 0ドル〜20,000ドル未満:1000倍 20,000ドル以上:500倍 |
Axiory | 400倍 | 口座残高による制限 | 0ドル〜100,000ドル:400倍 100,001ドル〜200,000ドル:300倍 200,001ドル以上:200倍 |
FXGT | 1000倍 | 取引量による制限 | 0ドル〜30万ドル:1000倍 30万ドル〜100万ドル:500倍 100万ドル〜200万ドル:200倍 200万ドル〜300万ドル:100倍 300万ドル〜500万ドル:50倍 500万ドル以上:20倍 |
TitanFX | 500倍 | 制限なし | |
FBS | 3000倍 | 口座残高による制限 | 0ドル〜200ドル:3000倍 201ドル〜2,000ドル:2000倍 2,001ドル〜5,000ドル:1000倍 5,001ドル〜30,000ドル:500倍 30,001ドル〜150,000ドル:200倍 150,000ドル以上:100倍 |
TradersTrust | 3000倍 | 取引量による制限 | 0ロット〜1ロット:3000倍 1.01ロット〜5ロット:2000倍 5.01ロット〜10ロット:1000倍 10.01〜20ロット:500倍 20.01ロット〜50ロット:200倍 50.01ロット〜100ロット:100倍 100.01ロット〜300ロット:50倍 300.01ロット〜500ロット:33倍 500.01ロット以上:25倍 |
Exness | 無制限(21億倍) | 口座残高による制限 | 0ドル〜999ドル:無制限 1000ドル〜4,999ドル:2000倍 5,000ドル〜29,999ドル:1000倍 30,000ドル以上:500倍 |
最大レバレッジが高い場合でも、口座残高・取引量によってはレバレッジが制限されることもあるため、制限なしで常に400倍のレバレッジが適用されるiForexの方が、他業者よりもハイレバレッジで取引できる場合もあります。この辺りは自身の資金量や取引量から目的のレバレッジで取引できるかどうか確認するようにしましょう。
MT4/MT5には非対応
iForexでの取引はオリジナルの独自ツールを使う形になり、MT4やMT5には対応していません。iForexの独自ツールも決して使いにくいわけではありませんが、MT4などとは使い方で違う部分が多く、またカスタマイズ性などでは劣る部分があります。
MT4/MT5でのチャート分析や取引に慣れている人の場合は、iForexで取引する環境の違いはあらかじめ気をつけておきたいですね。
自動売買やスキャルピングは禁止されている
iForexで取引を行う独自ツールは裁量トレード専用となっており、MT4/MT5のように自動売買に対応していません。そもそもiForexではロボットによる自動売買を許可していないため、システムトレードをしたい人は他社を検討した方が良いでしょう。
またiForexが禁止している取引方法として、スキャルピングも挙げられますね。公式サイトにはiForexが禁止しているスキャルピングとは、わずかな価格の動きから大きな利益を出すことを狙った、1日に10から数百に及ぶ取引と説明されています。回数が少ない短期トレードであれば禁止事項には触れないかも知れませんが、本格的にスキャルピングをしたい場合は、スキャルピングに対応した業者を選択した方が安心して取引できるでしょう。
まとめ
iForexの最大レバレッジは400倍となっており、海外FXとしては高い方ではありませんが、レバレッジ制限がなく、そしてロスカット水準も0%に設定されているなど、個性的で魅力ある仕様になっています。
しかしその一方で、口座タイプは1種類のみで追加口座の作成ができなかったり、MT4/MT5に対応しておらず、スキャルピングや自動売買も禁止されているなどのルールがあり、向き・不向きが分かれるところかも知れませんね。
iForexでは、初回入金を対象にした最大2,000ドルの100%+25%ボーナスを提供しており、新規ユーザーを歓迎する環境が整っています。興味がある人はこの機会に口座開設してみてはいかがでしょうか。
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