STICPAYは、海外FXだけでなく様々な場面で利用できる、オンライン国際決済サービスの一つです。用途の多様性や充実した日本語対応が魅力であり、有効性や将来性が期待されていますね。
海外FXにおいては、入金・出金のオンライン決済で主流だったNetellerに代わる決済手段として注目を集めており、導入業者も続々と増加中。同じく海外FXユーザーを中心に、対応業者・利用者数を増やしているオンラインウォレットサービスbitwalletと合わせて、利用を検討している人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、そんなSTICPAYの概要やメリット・デメリットを解説。さらに類似サービスでもあるbitwalletやその他の資金移動手段との比較、対応している主要海外FX業者の紹介をしたいと思います。
STICPAYの概要
STICPAYは、2017年に香港から利用が始まったオンラインウォレットサービス。有名どころのbitwalletやNetellerに続くオンラインウォレットサービスであり、海外FXのような国外サービスを利用する際の、資金送金を中継する役割を果たします。送金時間が短いことや手数料が安い点が魅力で、現在では、全世界数百万人に利用されていますね。
STICPAY口座を開設し、電子マネーにチャージする感覚でSTICPAYに入金することで、簡単にショッピングや引き出し、金融取引が可能となります。その主な使用用途として挙げられるのは以下の3つ。
- 世界中のどこにでも行える即時の送金
- 連携するオンライン業者への決済
- 世界中のATMからの出金
決済手段として幅広い分野で利用されているSTICPAYですが、特にFX業界での導入が進んでおり、海外FX業者でも利用可能な業者が増加中です。
STICPAYのメリット
送金時間が短い
STICPAYでは、国内銀行送金や海外銀行送金をはじめ、クレジットカード、仮想通貨といった様々な入出金方法に対応しています。入出金手段別に着金の反映時間をまとめると以下の表のようになりますね。
反映時間 | ||
入金 | 出金 | |
国内銀行送金 | 数時間 | 1~2営業日 |
海外銀行送金 | 2~3営業日 | 2~3営業日 |
クレジットカード | 即時 | ー |
仮想通貨 | 即時 | 即時 |
STICPAYカード(独自カード) | ー | 即時 |
これはあくまでSTICPAY口座への入金/STICPAY口座からの出金に関する反映時間ですので、海外FX業者からの入出金で考えると、ここにさらにSticpay口座/FX口座間の反映時間がプラスされることになります。しかし、このSTICPAY口座/FX口座間の資金移動は即時に反映されるため、ほぼ無視しても良いでしょう。
クレジットカードや仮想通貨を使った入金ではトータルで考えてもスピーディな反映が可能であり、同様に、出金時には、仮想通貨かSTICPAYカードを利用することで、即座に出金することができます。
STICPAYカードで世界中のATMで出金可能
STICPAYの大きな魅力とも言えるのが、STICPAYカードの存在ですね。STICPAYカードには、主に以下の4つの機能が備わっています。
- 日本の銀行ATMでの出金
- 日本のコンビニATMでの出金
- 海外のATMでの現地通貨出金
- 銀聯カード(UnionPay)加盟店での支払い
例えば海外FXで得た利益をSTICPAYを経由してSTICPAYカードにチャージしておけば、国内/海外のATMでいつでも引き出せるということですね。かつては海外FX業者最大手のXMにも同様のサービスがありましたが、現在は廃止されており、また類似サービスを展開しているbitwalletには、このようなカード発行のサービスは存在しません。
マネーロンダリングや犯罪防止などの観点から、最近海外から国内銀行への入出金が非常に厳しくなっていることを考えれば、国内の銀行を一切経由することなく資金を世界中のどこからでもすぐに引き出せる点は、非常に魅力的と言えるでしょう。
ただし、STICPAYカードを使った出金には、STICPAY口座からカードへの資金チャージが必要であり、その際に手数料も発生します。FX口座からSTICPAY口座への資金移動と、STICPAY口座からSTICPAYカードへの資金移動、さらにカードからの出金時にそれぞれ以下の手数料がかかるため、その点は注意しましょう。
- FX口座→STICPAY:無料~(業者ごとに異なる)
- STICPAY口座→STICPAYカード:資金移動額の1.3%
- STICPAYカード→ATM出金 :出金額の1%
STICPAYカードの特徴やメリット、申請方法や利用方法については下記に詳しくまとめています。
完全な日本語対応でサポートも充実
STICPAYは、公式ページ・アプリ共に完全日本語対応となっています。そのため英語が苦手なトレーダーでも、安心して利用することができますね。海外業者にありがちな翻訳サービスで直訳したような支離滅裂の文面ではなく、きちんと意味のわかる日本語表記となっており、利用にあたって不安に思うことはないでしょう。
また、サポート窓口も日本語に対応しており、問い合わせたいことがあれば電話やメールで日本語のサポートが受けられます。
利用可能業者が増加中
送金の速さや出金の自由度が高さなど、その使い勝手の良さから、STICPAYは利用できる業者が増加中です。海外FX業者だけでなく、様々な企業が導入を開始しており、まさに今ホットなオンライン国際決済サービスであることが伺えますね。
利用できるサービスが増えれば、そのサービス間での資金移動がSTICPAYだけで行えるようになるため、対応業者の増加は利用者にとっても非常に大きなメリットと言えます。
STICPAYのデメリット
bitwalletと比較すると手数料が割高
STICPAYは同じオンラインウォレットサービスであるbitwalletと比較した場合、下記の表のように入出金手数料がやや高めに設定されています。
STICPAY | bitwallet | |||
入金 | 出金 | 入金 | 出金 | |
国内銀行送金 (日本) | 入金額の2.00% | 800円+出金額の1.5% | 入金額の0.5% (現在、無料キャンペーン中) | 824円 |
海外銀行送金 | 入金額の1.00% | 出金額の5.00% | ー | 4,800円 |
クレジットカード (Mastercard・VISA) | 入金額の3.85% | ー | 入金額の8.00% | ー |
クレジットカード (AMEX・Diners・Discover) | ー | ー | 入金額の8.50% | ー |
仮想通貨 | 入金額の1.00% | 出金額の1.00% | ー | ー |
STICPAYカード | ー | 出金額の1.30% | ー | ー |
クレジットカードによるSTICPAYへの入金では、bitwalletの手数料率を下回るものの、主流の国内銀行送金ではbitwalletの方が割安であることが分かりますね。特に国内銀行送金による出金は、bitwalleの824円固定に対して、STICPAYは800円+1.5%となっており、出金額によってはかなり割高に感じるかもしれません。
海外銀行送金の出金でも、約10万円以上出金する場合は、bitwalletの方がお得ということになります。
bitwalletの特徴やメリット・デメリット、使い方については下記に詳しくまとめています。
金融庁未登録のためサービス停止の可能性がある
2017年にサービスを開始したSTICPAYですが、その運営会社はキプロスとイギリスに拠点をおく「STIC FINANCIAL LTD」となっています。金融ライセンスとして非常に厳しい審査がある、イギリスFCAを取得していることからも、STICPAYそのものは信頼性が高く安心して資金を預けることができるサービスと言えるでしょう。
しかしSTICPAYは日本においては、金融庁に「資金移動業者」として登録されてはいません。海外に拠点があるため、登録が必須という訳ではありませんが、日本国内で活動する以上、いつ金融庁からの圧力・指摘によりサービスを停止させられる可能性がないとも言えません。
そのためSTICPAYに多額の資金を預けたままにするのはやや危険と考えられ、また送金手段としても他の入出金手段と併用するほうが無難と言えるでしょう。
海外FXにおける他の資金移動手段と比較
ここからは銀行送金やクレジットカード、bitwalletといった、海外FXにおける他の入出金方法との比較をおこなっていきたいと思います。それぞれの入出金にかかる手数料や着金時間をまとめると、以下の表のようになりますね。
入出金手段 | 入金 | 出金 | ||
手数料 | 着金速度 | 手数料 | 着金速度 | |
国内銀行送金 | 無料~ | 数時間 | 無料~ | 数時間 |
海外銀行送金 | 3,000円~5,000円 | 2~5営業日 | 3,000円~5,000円 | 2~5営業日 |
クレジットカード | 無料 | 数時間 | 無料 | 数時間 |
ビットコイン | 無料 | 数時間 | 出金額の1% | 数時間 |
bitwallet | 無料~ | 即時 | 無料~ | 即時 |
STICPAY | 無料~ | 即時 | 無料~ | 即時 |
STICPAY口座/FX口座間における資金移動は、基本的に無料(一部手数料が発生する業者も存在します)で、ほぼ即時で送金・着金が反映されます。これだけを見るとbitwalletと同じく、入出金の方法としては非常に優秀と言えますね。
ただ、bitwalletやSTICPAYといったオンラインウォレットは資金送金の中継サービスであるため、単なる銀行送金やクレジットカードからの入出金とは資金移動の経路が異なります。例えば入金において、国内銀行送金であれば、銀行口座から直接海外FX口座へ入金しますが、オンラインウォレットの場合は、まず銀行口座からオンラインウォレットへの入金、そこからさらに海外FX口座への入金と2段階の資金移動が必要になりますね。
そのためbitwalletやSTICPAYの手数料や送金時間を考える時は、STICPAY口座/FX口座間と、トレーダーの銀行口座等/STICPAY口座間の資金移動も含めて考慮する必要があります。
そして、bitwallet/STICPAYへの入出金方法を比較したものが以下の表ですね。
入出金手段 | 入金 | 出金 | |||
手数料 | 着金速度 | 手数料 | 着金速度 | ||
bitwallet | 国内銀行送金 | 入金額の0.5% (現在、無料 キャンペーン中) | 数時間 | 824円 | 1~2営業日 |
海外銀行送金 | ー | ー | 4,800円 | 2~5営業日 | |
クレジットカード (Mastercard・VISA) | 入金額の8.00% | 即時 | ー | ー | |
クレジットカード (AMEX・Diners・Discover) | 入金額の8.50% | 即時 | ー | ー | |
STICPAY | 国内銀行送金 | 入金額の2.00% | 数時間 | 800円+出金額の1.5% | 1~2営業日 |
海外銀行送金 | 入金額の1.00% | 2~3営業日 | 出金額の5.00% | 2~3営業日 | |
クレジットカード (Mastercard・VISA) | 入金額の3.85% | 即時 | ー | ー | |
仮想通貨 | 入金額の1.00% | 即時 | 出金額の1.00% | 即時 | |
STICPAYカード | ー | ー | 出金額の1.30% | 即時 |
このようにトレーダー銀行口座/オンラインウォレット口座間では、資金移動手段によって手数料・送金時間共にまちまちとなっています。
STICPAYにおいては、トレーダー銀行口座等/STICPAY口座間だけ見ても、入金額や出金額を基に割合で計算されるため、額が大きくなればなるほど、手数料も多くかかってしまうということになりますね。場合によっては、ここに更にSTICPAY口座/FX口座間の資金移動で手数料が上乗せされるため、他の入出金方法に比べて、若干、割高に感じられるかもしれません。
しかし、着金速度はトータルで考えても申し分なく、特にクレカや仮想通貨、専用のSTICPAYカードを使えば、タイムリーな入出金が可能であることが分かります。
STICPAYに対応しているおすすめ主要海外FX業者
ここからは主要な海外FX業者の中で、STICPAYによる入金/出金(利益分を含めた)が可能なおすすめの4業者を紹介したいと思いします。
Axiory
AxioryはSTICPAYによる入出金に対応した優良海外FX業者のひとつです。入金は即時で手数料も2万円以上は無料、出金の際にも2万円以上は無料で出金でき、手続き完了後、即時にSTICPAYに反映されます。
ただし、2万円未満の入出金の場合は、別途1,500円の手数料がかかるため、その点には注意しましょう。
Axioryの全体的な評判や特徴、メリット・デメリットは下記に詳しくまとめています。
TitanFX
TitanFXでも2019年12月より、STICPAYによる入出金が可能になりました。最低入金額は30USD相当額で、手数料は無料、口座に即時反映されます。出金に関しても手数料無料で即時反映と、非常に使いやすくなっています。
TitanFXの全体的な評判や特徴、メリット・デメリットは下記に詳しくまとめています。
FBS
FBSでは、銀行送金やクレジットカード、ビットコインなどの仮想通貨に加え、最近STICPAYによる入金・出金と利益分の出金が可能となりました。
ただしFBSにおけるSTICPAY出金の場合、STICPAY自体の出金手数料の他に、FBS/STICPAY間の出金手数料「0.3ドル+出金額の2.5%」が別途必要になる点は注意が必要ですね。
例えば、国内銀行送金で50万円を出金する場合は、
800円+(50万×1.5%)+0.3ドル(≒30円)+(50万×2.5%)=20,830円
が出金にかかる費用ということになります。
FBSの全体的な評判や特徴、メリット・デメリットは下記に詳しくまとめています。
AnzoCapital
AnzoCapitalもSTICPAYでの入出金が可能な業者のひとつ。入金に関しては、最低入金額が1万円、24時間いつでも即時の反映が可能です。
一方、出金の際には最低出金額が3,000円となっており、さらに処理時間が月曜~金曜の午前9時~午後6時30分に設定されています。これ以外の時間帯の出金では、STICPAYでも即時反映ということにはならないことに注意しましょう。
AnzoCapitalの全体的な評判や特徴、メリット・デメリットは下記に詳しくまとめています。
まとめ
STICPAYの着金速度の速さや、出金の自由度を考えると、決済手段として利用する価値は十分にあると言えますね。特にSTICPAYカードの利便性の高さは非常に利用価値が高いと言えるのではないでしょうか。
また海外サービスなどを使う場合、それぞれに対応・非対応などがあるため、資金移動手段は複数あるに越したことはありません。STICPAYの口座開設は無料ですぐにできるため、海外FXなどを利用しており資金移動の機会が多い人は、ぜひ口座開設を検討しましょう。
コメント