海外FXと国内FXを比べた場合、海外FXでは高いレバレッジや、ゼロカットによって追証が発生しないことなど、多くのメリットがあります。その反面、取引方式の違いからスプレッドは比較的広いため、コスト問題を解消したいと思う人もいるのではないでしょうか。
そうした際に気になるのが、海外FXの「キャッシュバックサイト」。キャッシュバック専門のサイトを経由して口座開設することで、取引の際のスプレッドのうち何割かが戻ってくる形になるため、実質的なコスト削減の効果があります。しかし、こうしたサイトを利用すると、ほとんどの海外FX業者では公式ボーナスやキャンペーンの対象外となるため、そういう点ではデメリットも存在すると言えるでしょう。
そこで本記事では、海外FXのキャッシュバックサイトについて、仕組みやメリット、デメリットを分かりやすく解説。キャッシュバックサイト各社の比較に加え、利用が向いている人、向かない人などの違いについても説明していきたいと思いますので、キャッシュバックサイトについて知りたい人は参考にしてみてください。
海外FXのキャッシュバックサイトについて
海外FXのキャッシュバックサイトを利用することで、ユーザーは取引する際に支払ったスプレッドのうち規定割合のキャッシュバックを受けることが可能になります。
ここからはまず、海外FXのキャッシュバックサイトとはどういうものかを確認していきましょう。
キャッシュバックできる理由
海外FXには、顧客獲得策の1つとして「自社のサービスを広めた紹介者に報酬を支払う」仕組みがあります。つまりキャッシュバックサイトは、ユーザーに口座開設をしてもらうことで紹介者として海外FX業者から報酬を貰い、その報酬のうちさらに何割かがユーザーに対してキャッシュバックされるということですね。
この報酬はユーザーが取引ごとに支払うスプレッドの一部ですので、最終的にユーザーには取引時に支払ったスプレッドのうちいくらかがキャッシュとして戻ってくる、というわけです。
キャッシュバックの還元率
キャッシュバックサイトの還元率は、利用するキャッシュバックサイトや海外FX業者、さらに口座タイプなどによっても異なるため一概には言えませんが、多い場合では1ロットあたり9ドル程度になることもあります。
また、キャッシュバックサイトで使われるキャッシュバック額の単位には、以下の3種類がありますね。
- USD単位…1ロット(10万通貨)取引につき、表示金額をキャッシュバック
- pips単位…1ロット(10万通貨)取引につき、表示スプレッドをキャッシュバック
- %単位…1ロット(10万通貨)取引につき、スプレッドの表示%分をキャッシュバック
キャッシュバックの単位も海外FX業者ごとに異なるため、この辺りは知識として覚えておいた方が良いでしょう。
海外FXのキャッシュバックサイトを利用するメリット
ここからは、海外FXのキャッシュバックサイトを利用するメリットを解説していきたいと思います。
取引量に応じたキャッシュバックで、実質スプレッドを縮小できる
前述の通りキャッシュバックサイトを経由して海外FX口座を開設をすると、その口座での取引量に応じて現金還元を受けることができます。
そのキャッシュバック率は、多い海外FX業者では1ロットあたり9ドルなどとなっており、実質的なスプレッドを縮小させる効果があります。
公式ではボーナス対象外の口座でもキャッシュバックできる
海外FXの中にはボーナス提供のない業者もありますが、そうした海外FX業者でもキャッシュバックサイトで取り扱いがある場合があります。このようなボーナス提供がない業者はスプレッドが狭いことも多く、それに加えて取引に応じたキャッシュバックを受けられるということであれば、非常に低コストで取引ができ、これは大きなメリットと言えるでしょう。
口座単位で利用できる
キャッシュバックサイト経由で開設する取引口座は、口座単位で利用可能です。
例えば海外FX業者最大手であるXMで取引する際、口座AはXMで直接開設、口座Bはキャッシュバックサイト経由で開設し、それぞれを用途に応じて使い分ける、ということも可能です。
キャッシュバックサイト独自のキャンペーンもある
キャッシュバックサイトによっては、ウェルカムキャンペーンのような形で、初めてユーザー登録した人に対して現金プレゼントのようなキャンペーンを開催していることがあります。
また、例えばXMではロイヤルティプログラムと言う公式のキャッシュバックキャンペーンがありますが、キャッシュバックサイトによってはこの公式キャンペーンと自社のキャッシュバックを併用できるサービスを行っているところもあります。
海外FXのキャッシュバックサイトを利用するデメリット
キャッシュバックサイトを利用することで取引コストを減らすことができますが、その反面注意したいポイントもあります。
続いて、海外FXのキャッシュバックサイトを利用するデメリットを確認していきましょう。
海外FXが提供する公式キャンペーンは利用できない場合がある
キャッシュバックサイトを利用する最大のメリット、それは海外FXが行っている公式キャンペーンを利用できない場合があることでしょう。
高額な入金ボーナスは、海外FXを利用する際の大きなメリットの一つでもあります。特に少ない取引資金からボーナスで証拠金を拡大し取引したいと思っている人にとっては、ボーナスは必須とも言えるのではないでしょうか。キャッシュバックサイト経由で口座開設をしてしまうと、そうしたボーナスを獲得する権利を失ってしまう点は、人によっては大きなデメリットとも言えますね。
全ての取引でキャッシュバックされるとは限らない
キャッシュバックサイト経由で口座を開いた場合でも、全ての取引が対象になるとは限りません。例えばポジション保有時間が10分以下の取引ではキャッシュバックされないなどの条件があるため注意が必要です。
さらに利用する海外FX業者によって、これらのキャッシュバック条件は異なることが多いため、それらを把握する必要がある点も、やや面倒かもしれませんね。
キャッシュバックの出金には条件がある
キャッシュバックの出金をするには、最低出金額以上を申請しなければいけないなどの条件があります。最低出金条件が低い業者としてはTariTari(1,500円)がありますが、それ以外の業者では5,000円程度に設定されている場合が多く、いつでも出金できるとは限りません。
もしキャッシュバック率が1ロットあたり5ドルの場合、5,000円の最低出金額を満たすには7.6ロットの取引が必要になるため(1ドル=130円として計算)、FX初心者にとっては少々高いハードルと言えるのではないでしょうか。
人気のキャッシュバックサイト3社
海外FXのキャッシュバックサイトには複数の業者がありますが、その中でも比較的運営年数が長く実績があり、還元率も高いと言われるのは以下の3社です。
- TariTali
- FinalCashBack
- FXRoyalCashBack
これら人気のキャッシュバックサイト3社について、海外FX業者ごとのキャッシュバック率を比較すると以下のようになりますね。
TariTali | FinalCashBack | FXRoyalCashBack | |
Axiory | スタンダード口座:4.5ドル ナノ口座/テラ口座:1.8ドル | スタンダード口座:3ドル ナノ口座:1.2ドル | スタンダード口座:4.5ドル ナノ口座/テラ口座:1.8ドル |
Exness | スタンダード口座:40% プロ口座:25% | 取り扱いなし | スタンダード口座:40% プロ口座:25% |
FXGT | スタンダード口座:9ドル ECN口座/プロ口座:1.35ドル | 取り扱いなし | スタンダード口座:9ドル ECN口座/プロ口座:1.35ドル |
プレミアム口座:0.8pips~2.4pips ゼロスプレッド口座:0.4pips | プレミアム口座:7ドル ゼロスプレッド口座:3.5ドル | プレミアム口座:8~24ドル ゼロスプレッド口座:4ドル | |
TitanFX | スタンダード口座:4.95ドル ブレード口座:1.485ドル | スタンダード口座:0.32pips ブレード口座:0.8ドル | スタンダード口座:4.675ドル ブレード口座:1.4025ドル |
XM | スタンダード口座:8.5ドル KIWAMI極口座:2.55~12.75ドル XM Zero口座:4.25ドル | スタンダード口座:6ドル KIWAMI極口座:1.8〜9ドル XM Zero口座:3ドル | スタンダード口座:8.5ドル KIWAMI極口座:2.55~12.75ドル XM Zero口座:4.25ドル |
今回は主な口座タイプだけを比較していますが、実際には他の口座タイプや各キャッシュバックサイトのサービスごとに様々なキャッシュバック率が設定されています。
また、今回比較した海外FX業者の中では、XMも公式でキャッシュバックキャンペーン(ロイヤルティプログラム)を行なっていますね。XMのロイヤルティプログラムでは、最大で1ロット取引あたり約6.66ドルのボーナス還元となり、ボーナスは証拠金として取引に使うことが可能です。
続いて、各キャッシュバックサイトについて内容を簡単に見ていきましょう。
TariTali
TariTaliは2012年に設立され、マレーシアに拠点を置くキャッシュバック業社。キャッシュバックに対応した海外FX業者は20社と比較的少なめですが、キャッシュバック率の高さから人気のあるキャッシュバックサイトですね。
最低出金額は1,500円と他社に比べて低く、そうした点も利用しやすいポイントですね。キャッシュバックサイト初心者でも利用しやすい業者と言えそうです。
FinalCashBack
FinalCashBackは2011年に設立され、セーシェルに拠点を置くキャッシュバック業社。対応している海外FX業者は37社と多く、さらにバイナリーオプションの業者にも数社対応しています。
日本ではあまり紹介されていない海外FX業者にも対応している点がFinalCashBackのメリットでしょう。最低出金額は5,000円からとなっています。
FXRoyalCashBack
FXRoyalCashBackは2013年に設立されたキャッシュバック業社。キャッシュバックに対応した海外FX業者は17社と比較的少なめですが、TariTali同様にキャッシュバック率の高さに定評がありますね。
キャッシュバックサイトでは各社が独自にキャンペーンを行っている場合もありますが、FXRoyalCashBackでは例えばウェルカムキャンペーンで入会者に1,000円のキャッシュバック を行うなど、キャンペーンの充実にも魅力があります。
キャッシュバックサイトを利用すべきかどうか
キャッシュバックサイトの利用には、メリット・デメリットの両方が存在するため、利用が向いている人、向いていない人にタイプが分かれます。ここからは、キャッシュバックサイトの利用が向いている人・向いていない人のタイプをそれぞれ説明していきたいと思います。
キャッシュバックサイトの利用が向いているトレーダー
海外FXの公式ボーナスキャンペーンをもらい尽くした人
海外FXの公式ボーナスには、業者によってはボーナスリセットによって結果的に複数回獲得できるものもありますが、多くは基本的に1回だけの付与です。そのため、海外FX歴が長い人は、「めぼしいボーナスは全て取り尽くした」と言う場合も起こり得るでしょう。
そう言う人の場合はキャッシュバックサイトを利用して実質スプレッドを縮小すれば、より有利に取引できます。
取引するロット数が多い人
キャッシュバックサイトが最も効果を発揮するのが、取引ロット数が多い場合です。もし1ロットあたり9ドルのキャッシュバック率の場合、10ロットの取引を行えば1回で1万1,700円のキャッシュバック(1ドル=130円として計算)となり、入金ボーナスをもらうよりも効果的にコスト還元が可能になるでしょう。
大きいロット数で取引するには、相当な技量と資金力が必要ですが、そうした上級トレーダーにとってはキャッシュバックサイトの利用はおすすめです。
キャッシュバックサイトを利用しない方が良い人
用意する証拠金が少ない人・証拠金を増やして取引したい人・取引量が少ない人
海外FXの公式ボーナスには100%入金ボーナスなどがあります。そうした公式ボーナスを利用すれば、入金額の2倍の証拠金で取引を開始することが可能であり、少ない取引資金で取引をしたい人にとっては重要なキャンペーンと言えるでしょう。
そして、証拠金が増えるということは、それだけ資金に余裕を持って取引ができるということになりますので、より安全な取引、もしくは非常にアグレシッブな取引、どちらにも対応することができますね。
またキャッシュバックサイトによるキャッシュバックは上限がなく獲得できる金額は無制限ですが、取引ロット数が大きくない人にとってはキャッシュバックされる金額も少なくなります。そのため、上限はあっても一時的にもらえる入金ボーナスのような海外FXの公式キャンペーンの方が、使いやすい場面は多いでしょう。
10分以下などの超短期スキャルピングをしたい人
キャッシュバックサイトでキャッシュバック対象になるものは、5分以上や10分以上ポジションを保有した場合などに限られます。そのため、超短期間のスキャルピングがメインのトレーダーの場合は、キャッシュバックサイトを利用するメリットを享受できないことが多いかも知れません。
まとめ
取引量に応じて無制限にキャッシュバックを受けられるキャッシュバックサイトでは、特にFXでの勝ち方を体得してどんどん取引量を増やせていけるような人に向いていると言えます。その一方でキャッシュバックサイト経由で開設した口座では、海外FXが公式で行うキャンペーンを利用できなくなることが多く、人によっては利用に不向きな場合もあると言えるでしょう。
口座開設の際は自分自身に必要なものが何かを見極めて、キャッシュバックサイトを利用するか、海外FX公式サイトから直接口座開設するかを選択する必要がありますね。
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