スワップポイントと聞くと、「不労所得」という言葉を連想する人も多いかも知れません。FXトレードではポジションを保有するだけで得られる「スワップポイント」により、利益が発生することがあります。例えば超高金利で有名なトルコリラなどは、そのスワップポイントの高さから、一時期非常に人気がありましたね。
そしてもちろん、XMに代表されるような海外FX業者でトレードした場合も、毎日スワップポイントが付与されます。2020年1月現在、XMではEURZAR(ユーロ/南アフリカランド)のショートが最もスワップポイントが大きく、10万通貨をショートした場合、1日あたり1,600円程度のスワップポイントを得ることができます。
しかし、スワップポイントは利益になるだけではありません。売り買いの方向によっては、損失となって返ってくる場合もあります。スワップ狙いのトレードはもちろん、為替差益を狙ったトレードの場合でもスワップポイントの知識はあった方がいい、と言うことですね。
そこで本記事では、海外FXの代表格であるXMを例に、スワップポイントについて解説。基礎知識から確認方法、人気業者との比較、そしてトレード時の注意点などを、詳しく説明していきたいと思います。
スワップポイントの概要と基礎知識
まずは、スワップポイントの基礎知識や仕組み、さらにXM特有の条件などについて、解説していきたいと思います。
スワップポイントとは
基本的なことですが、FXは一つの通貨だけを売買して行うことはできません。通貨と通貨のバランスが変化するからこそ、トレードが成り立ちます。そして、通貨にはそれぞれ違った金利が設定されていますね。
つまりスワップポイントとは、このような金利の異なる通貨をやり取りする際に発生する金利差調整分のことを言います。
なぜスワップポイントで損益が発生するのか
基本的な考え方として、通貨間の金利差がスワップポイントとしての損益になります。ペアになっている通貨の金利差が大きいほど、スワップポイントも大きくなりやすいと言うことですね。
しかし、金利差の大きい通貨ペアを売買すれば、必ずスワップポイントの恩恵にあずかれると言う訳ではありません。例えば、金利差の大きい通貨ペアとして「EURZAR(ユーロ/南アフリカランド)」を例に考えてみましょう。この場合、ユーロは金利の低い通貨、南アフリカランドは金利の高い通貨となります。
EURZARをショートする場合は、ユーロ(低金利通貨)を売って、南アフリカランド(高金利通貨)を買うことになるため、金利差調整分としてスワップポイントを受け取ることが出来ますね。しかし反対にEURZARをロングした場合は、金利差調整の流れとしては逆向きになるため、スワップポイントは受け取りではなく、逆に支払わなければいけなくなるというわけです。
スワップポイントは、金利差の大きい通貨ペアだけではなく、すべての通貨ペアのトレードで発生します。例えばXMの場合、ドル円をロングした場合には下記のようにプラスのスワップポイントが付くことが分かりますね。
しかし、金利の差が小さい通貨ペアの場合は、下の表のようにロングしてもショートしてもスワップポイントがマイナスになる場合があります。
スワップポイント1ポイントあたりの価値
スワップポイントは、「1ポイント=〇〇円」と決まっているわけではありません。なぜなら、スワップポイント1ポイントあたりの価値は、対象となる通貨ペアのレートに依存するためですね。そのためスワップポイントの価格を知ろうと思えば、以下のような計算式から求めることになります。
このようにスワップポイントの価値を知るには非常に面倒な計算が必要なため、詳しく知りたい場合はXMのような海外FX業者が公式サイトで提供している「スワップ計算機」を活用すると良いでしょう。
FX業者ごとにスワップポイントの設定は異なる
「スワップポイント=金利差調整分」と言うお話をしましたが、金利の差がダイレクトにスワップポイントになる訳ではありません。例えば、XMとFBSでドル円のスワップポイントを比較すると以下のようになります。
同じ通貨ペアのスワップポイントを比べても、FX業者によって設定が異なることが分かりますね。また同じFX業者であっても、スワップポイントはその時々で変動します。
XMのスワップポイントについて
前述の通り、同じ通貨ペアであってもFX業者によってスワップポイントは変わりますが、違いはそれだけではなく、反映タイミングや独自のルールがブローカーごとに存在することもあります。ここからは例として、XMのスワップポイントについて解説しておきたいと思います。
XMでスワップポイントが反映される時間
XMでスワップポイントが付くのは、日付が変わるタイミングです。日付と言っても日本時間ではなく、XMの欧州時間であるGMT+2(サマータイムではGMT+3)ですね。MT4のデフォルトの表示時間で日付が変わる時、と考えても良いでしょう。またスワップポイントが実際に口座に反映されるのは、日付変更の直後ではなく、処理のために数分を要します。
当然のことですが、ロールオーバー(保有しているポジションが日付をまたぐこと)したポジションだけがスワップポイントの対象です。もし朝からポジションを持っていても、日付が変わる前に決済してしまえば、そのポジションに対してスワップポイントが付くことはありません。
海外FX業者によってこのロールオーバーのタイミングはそれぞれ異なりますので、スワップポイントを意識してトレードする場合は、各業者のタイミングを把握しておくようにしましょう。またサマータイムを採用しているブローカーであれば、夏時間(サマータイム)と冬時間では時間が1時間ほど異なることがあるため、この点も注意が必要です。
水曜日はポイントが3倍
FXでは土日は市場が閉場するため、取引を行うことは出来ません。しかし、土日の間にも金利は発生するため、閉場している2日分のスワップポイントの調整が必要になります。XMではその調整のために、水曜日から木曜日にかけての日付変更の際に、通常の3倍のスワップポイントを付与しています。
ポイント3倍と聞くと何かお買い得な感じもしますが、利益ではなく損失になる場合も平等に3倍のスワップポイントになります。そしてこの3倍ポイントは、金曜日から土日をまたいで持ち続けているポジションではなく、水曜日から木曜日にかけてロールオーバーするポジションが対象であることにも注意が必要でしょう。
このような土日分の調整ルールについても、海外FX業者ごとに異なっていることがほとんどです。利用する業者のルールをしっかり確認しておくようにしてください。
スワップポイントがつかない銘柄が存在する
海外FX業者ではスワップポイントが付与される銘柄が決まっています。例えばXMではFX通貨ペア以外にも、エネルギーや商品などの取引可能な銘柄がありますが、スワップポイントがつくのはFX通貨ペアと株価指数(現物)、ゴールド、シルバーだけです。これら以外の銘柄では、スワップポイントは付きませんので注意してください。
スワップポイントの確認方法
スワップポイントは変動するのもなので、常に最新の情報を知っておくことが重要ですね。ここからは、XMを例に実際のスワップポイントの確認方法を解説していきたいと思います。
公式サイトから確認する
スワップポイントについては、多くの海外FX業者が公式サイトで公開しています。例えばXMであれば、公式サイトにアクセスし、上部メニューの中から「取引」>「取引商品」>「FX取引」をクリック。ページを少し下にスクロールすれば「FX取引のスプレッド / 取引条件」と言う項目が存在します。ここでXMでトレード出来るすべての通貨ペアのスワップポイントやスプレッドなどの条件が、一覧で表示されていますね。
さらに調べたい通貨ペアがある場合は、右上の検索ボックスに通貨ペアを入力(ドル円ならUSDJPYなど)すると、絞り込みも可能です。
XMなどの公式サイトに用意された「スワップ計算機」から確認する
XMやHotForexといった海外FX業者は、公式サイト上に「スワップ計算機」という機能を用意しています。これは口座条件などを入力することで、スワップを自動算出してくれるツールですね。
XMの場合、こちらをクリックするか、公式サイト上部メニューの「FXを学ぶ」>「ツール」>「FX計算ツール」>「XMTRADINGのFX計算ツール」から「スワップ計算機」のページへ移動できます。
「スワップ計算機」のページでは、以下の項目を入力しましょう。
- 口座の基本通貨
- 通貨ペア
- 口座タイプ
- ロット数量
入力を終えたら、「計算する」をクリックします。
計算結果は下の方の枠に表示されますので、口座の基本通貨側の「スワップ買い/スワップ売り」を確認しましょう。指定した条件下で、実際にいくらのスワップポイントが口座に反映されるのかが分かります。
上の画像の場合は、スタンダード口座でドル円を1ロット取引したら、買いの場合は319円のスワップポイントがつく、などが分かりますね。具体的に何円のスワップポイントがつくのか、などの詳しい情報が知りたい場合、このようなスワップ計算機を利用すると非常に便利です。
MT4などの取引ツールから確認することも可能
スワップポイントは、MT4のような取引ツールからも確認することが出来ます。MT4であれば、口座にログインした上で、「表示」から「通貨ペアリスト」を開き、確認したい通貨ペアを選んで「設定」を選択しましょう。MT5では「表示」から「銘柄」を選び、確認したい通貨ペアを選びます。
通貨ペアの詳細が表示された画面を下へスクロールしていくと、「買いスワップ/売りスワップ」が表示されています。
主要海外FX業者のスワップポイント比較とおすすめ業者
ここからは、XMを含めてスワップポイントが高いことで有名な5社で、各通貨ペアのスワップポイントを比較してみましょう。比較する通貨ペアは、以下の通り。
主要通貨ペア
- EURUSD(ユーロ/ドル)
- GBPUSD(ポンド/ドル)
- USDJPY(ドル/円)
スワップポイントが大きい通貨ペア
- EURZAR(ユーロ/南アフリカランド)
- USDTRY(ドル/トルコリラ)
- USDMXN(ドル/メキシコペソ)
各業者で1ロット(10万通貨)をロールオーバーした時につくスワップポイントを、日本円に換算すると下の表のようになります。
XM | GemForex | TitanFX | AXIORY | iForex | ||
EURUSD | ロング | -1,060円 | 27円 | -884円 | -989円 | -1,467円 |
ショート | 390円 | 28円 | 383円 | 502円 | 222円 | |
GBPUSD | ロング | -757円 | -209円 | -710円 | -834円 | -1,119円 |
ショート | -31円 | -495円 | -198円 | -74円 | -133円 | |
USDJPY | ロング | 319円 | 21円 | 259円 | 338円 | 448円 |
ショート | -911円 | 29円 | -875円 | -953円 | -898円 | |
EURZAR | ロング | -3,553円 | -3,553円 | -3,044円 | -2,982円 | -2,521円 |
ショート | 1,641円 | 821円 | 1,785円 | 1,838円 | 2,034円 | |
USDTRY | ロング | -3,923円 | -1,230円 | -3,263円 | -2,809円 | -891円 |
ショート | 866円 | 575円 | 1,918円 | 1,731円 | 895円 | |
USDMXN | ロング | -2,357円 | -1,150円 | -247円 | -2,125円 | -1,952円 |
ショート | 683円 | 195円 | 112円 | 1,033円 | 1,506円 |
※同一通貨ペア内で、最大値は青、最低値は赤で色分け
同じ通貨ペアでも、FX業者によって大きくスワップポイントが異なることが分かりますね。
この中でも特に注目すべきなのは、GemForexのスワップポイントではないでしょうか。スワップポイントというのは基本的に、ロングとショートで両建てすると、マイナスになるもの。しかしGemForexでは、EURUSDやUSDJPYといったロングでもショートでもプラスになる通貨ペアが存在します。このような通貨をアービトラージ(同一口座内での両建て)すれば、為替変動の影響を受けることなく安定した利益を得ることが可能になりますね。
またiForexなどは、スワップポイントに加え、残高に応じた利息ボーナスが存在するため、資産を増やしやすい環境が整っています。
同一口座内のアービトラージで継続したスワップ利益が獲得できるGemForexの評判や特徴については下記の記事をどうぞ。
スワップポイントと利息ボーナスが魅力的なiForexの評判やメリット・デメリットは下記に詳しくまとめています。
XMポイントなど取引量に応じたボーナスもあるXMについての詳細は下記にまとめています。
スワップポイントの注意点
ここまでに、スワップポイントは受け取りになる場合だけではなく、支払いとなる場合もあることなどを見てきました。最後に、少し細かいスワップポイントの注意点を確認しましょう。
スワップポイントだけを出金することは出来ない
スワップポイントを狙ったトレードの場合は、溜まったスワップポイントだけを決済して出金したい、と思う場面があるかも知れません。しかし、ポジションの中のスワップポイントだけを選んで決済することはできませんし、当然出金も不可。スワップポイントは、ポジションを決済して初めて現金として残高に反映させることが可能です。
スワップポイントが高い通貨ペアを狙うリスク
スワップポイントが高い通貨ペアとは、イコール高金利通貨を含む通貨ペア、と言えます。スワップポイント狙う場合は視野に入れたい通貨ペアとなりますが、高金利通貨をトレードする場合は、以下のようなリスクが起こり得ることを考えておかないといけません。
- ファンダメンタルズ面の不安
- 予期しない急騰、急落
- スプレッドの広さ
- レバレッジ規制
スワップ狙いのトレードは、ポジションを持ちさえすればあとは勝手に利益が入ってくる、と言うほど簡単なものではありません。綿密な計画が必要になると考えた方が良いでしょう。
スワップポイントにはメリット・デメリットがあり、デイトレやスイングトレードの場合は、逆にスワップフリー口座を利用したほうが取引が有利に働く場合もあります。スワップフリー口座は基本的にはイスラム圏のユーザ向けに用意されていますが、イスラム圏外のユーザーが利用できる海外FX業者も存在しますので、スワップポイントが負担に感じるトレーダーはそれらの業者の利用も検討するようにしましょう。
スワップフリー口座の詳細は下記に詳しくまとめています。
まとめ
ただポジションを保有しておくだけで入ってくるスワップポイントは、FXトレードの魅力のひとつと言えるでしょう。難易度は高いですが、高スワップ通貨ペアをロールオーバーして、スワップポイントを稼ぐと言った手法なども考えられますね。
ただしそのようなスワップポイントの高い通貨ペアはリスクが高いことも忘れてはいけません。また利用するブローカーによってスワップポイントは異なり、独自のルールが定められていることがある点にも注意が必要ですね。
主要通貨ペアでの取引やであればスワップポイントは小さいため、あまり考えすぎる必要はありませんが、それでも損益の一部にはなってきますので、意識はしておくようにしましょう。
スワップポイントの高さを含め、複数のポイントに着目した海外FX業者の総合ランキングは下記の記事をどうぞ。
スキャルピングやデイトレ、スイングなどのトレードスタイル別のおすすめ業者は下記にまとめています。
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