Milton Markets(ミルトンマーケッツ)は2016年からサービスを開始した新興の海外FX業者。スプレッドの狭さと高い約定力でスキャルピングトレーダーを始め、多くのトレーダーの注目を集める有望業者ですね。日本語サポートも非常に充実しており、ボーナスが開催されることも多々あるため、利用を検討するには十分の条件を備えた業者と言えるでしょう。
本記事では、そんなMilton Marketsの魅力や特徴、メリット・デメリットに加え、Milton Marketsの利用をおすすめする相性の良いトレーダーなどについて具体的に紹介・解説したいと思います。
2020年にMilton Marketsの口座スペックなどがリニューアルされました。リニューアルされたMilton Marketsの評判や特徴、メリット・デメリットについては下記の記事をご覧ください。
Milton Markets最大の魅力は圧倒的に狭いスプレッドと滑り知らずの高い約定力
プレミアム口座のスプレッドは激狭
Milton Marketsの最大の魅力とも言えるのが、プレミアム口座における業界トップレベルのスプレッドの狭さ。Milton Marketsではスタンダード口座とプレミアム口座の2つが用意されていますが、それぞれのスプレッドは以下のようになっています。
通貨ペア | スタンダード口座 | プレミアム口座※ |
USD/JPY | 1.7pips | 0.9pips(0.1pips) |
EUR/JPY | 1.6pips | 0.9pips(0.1pips) |
GBP/JPY | 2.3pips | 1.8pips(1.0pips) |
AUD/JPY | 1.8pips | 1.2pips(0.4pips) |
EUR/USD | 1.7pips | 0.9pips(0.1pips) |
GBP/USD | 2,4pips | 1.9pips(1.1pips) |
AUD/USD | 1.9pips | 1.2pips(0.4pips) |
※プレミアム口座は往復8ドル=0.8pipsの手数料が発生(括弧内は手数料抜きのスプレッド)
主要通貨ペアのスプレッドを見ると、スタンダード口座については、際立って狭いわけではありませんが、プレミアム口座のスプレッドは、業界内でもかなり狭い部類と言えますね。例えば低スプレッドで有名なAxioryとスプレッドを比較すると以下のようになります。
通貨ペア | Milton Markets (プレミアム口座) | Axiory (ナノスプレッド口座) |
USD/JPY | 0.9pips(0.1pips) | 0.9pips(0.3pips) |
EUR/JPY | 0.9pips(0.1pips) | 1.2pips(0.6pips) |
GBP/JPY | 1.8pips(1.0pips) | 1.9pips(1.3pips) |
AUD/JPY | 1.2pips(0.4pips) | 1.5pips(0.9pips) |
EUR/USD | 0.9pips(0.1pips) | 0.8pips(0.2pips) |
GBP/USD | 1.9pips(1.1pips) | 1.0pips(0.4pips) |
AUD/USD | 1.2pips(0.4pips) | 1.0pips(0.4pips) |
AxioryのECN口座であるナノスプレッド口座は、手数料が往復6ドル=0.6pipsとMilton Marketsのプレミアム口座よりも安く設定されているものの、ドルやポンド、ユーロなどの主要通貨と円の通貨ペア4種のスプレッドでは、手数料を考慮してもMilton Marketsの方が総取引コストが安くなっています。
詳しくは後述しますが、スタンダード口座とプレミアム口座では、取扱商品数がスタンダード口座の方が若干多いことを除いてはほぼ同等のスペックになっているため、デイトレやスキャルピング等、取引回数が多く取引コストを重視するトレーダーは、プレミアム口座を利用すると良いでしょう。
約定レイテンシー0.03秒を公言する高い約定力
約定レイテンシーがほとんどない約定力の高さも、Milton Marketsの魅力のひとつ。EQUINIX社のニューヨークデータセンターに設置された取引サーバーにより、高い約定力を実現しています。
EQUINIX社のデータセンターは、ハイスペックサーバーの提供や、建物自体が災害や通信障害に強い構造となっており、その安全性や信頼性の高さには定評がありますね。世界中の名だたる金融機関も利用しており、まさに金融機関サーバーのスタンダードとも言える存在です。多くのカバー先金融機関と同じ場所に取引サーバーがあることで、地理的通信遅延も起きにくく、より速い約定スピードの実現に繋がっていると言えるでしょう。
公式HPでも約定レイテンシー0.03秒を公言しており、その約定力の高さには一定の評価をすることができますね。また、Milton Marketsは、VPSサービスを無料提供しており、自宅PC等から通常のサーバーを利用するよりも、地理的通信遅延が起きにくい環境も整備されています。
Milton Marketsの特徴と評判 ~メリットとデメリット~
口座の基本スペックや特徴
MiltonMarketsでは、スタンダード口座とプレミアム口座の2種類の口座が用意されています。それぞれの口座の基本スペックの詳細は下記の通りですね。
スタンダード口座 | プレミアム口座 | |
最大レバレッジ | 800倍 | |
ロスカット水準 | 裁量トレード:証拠金維持率50% MAM:証拠金維持率100% | |
追証 | なし | |
最低入金額 | $300 | |
最小取引単位 | 0.01lot(1,000通貨) | |
スプレッド | 1.5pips~ | 0.1pips~ ※手数料往復0.8pips |
取扱商品 | 通貨ペア:51種 経済指標:11種 エネルギーCFD:3種 スポットメタル:2種 | 通貨ペア:43種 経済指標:11種 エネルギーCFD:3種 スポットメタル:2種 |
ボーナス | 不定期開催 | |
入出金方法 | 海外銀行送金 bitwallet | |
顧客資産管理 | 分別管理 | |
取引ツール | MT4 |
最大レバレッジ800倍、ロスカット水準100%、最低入金額300USD、最小取引単位0.01lot、入出金手段は海外銀行送金とbitwalletのみ、顧客資産は分別管理、取引ツールはMT4のみという点は両口座で共通。また、両口座とも取引形態は透明性の高いNDD(STP/DMA方式)が採用されています。
異なる点としては、スタンダード口座は取引手数料が無料でスプレッドが広めに設定されている一方、プレミアム口座は取引手数料が往復0.8pipsでスプレッドが狭くなっていることですね。また、用意されている取扱通貨ペアの種類は、スタンダード口座の方が多くなっています。
最大レバレッジは800倍&追証なし
Milton Marketsでは用意されているスタンダード口座・プレミアム口座の二つの口座とも最大レバレッジは800倍。国内FX業者では最大25倍までしかレバレッジがかけられないことを考えると、少ない資金でも大きな利益を得ることが可能な業者と言えるでしょう。
また海外FX業者の中でも、スプレッドの狭さをウリにしている業者はレバレッジが400〜500倍ということが多く、それらの業者と比較するとレバレッジはかなり高めに設定されている印象ですね。その点ではハイレバスキャルなどにも向いている業者と言えます。
無料VPS利用で更なる約定力アップが可能
Milton Marketsでは、以下の条件を満たすトレーダーは、VPSを無料で利用することができます。
【VPSの無料利用条件】
①利用申請時の口座残高が5万円($500)以上
②一カ月間に合計2ロット以上の取引を完了させる
※②の条件が満たせない場合、VPS利用料として毎月2,000円が徴収される。
VPS無料利用のハードルは低めで、比較的クリアしやすい条件となっていますね。Milton MarketsのVPSは、本体のサーバーが設置されているエクイニクス社のNYデータセンターに設置されているため、安全性や地理的通信遅延が起こりにくい環境を実現しています。このようなメリットの多いVPS環境が手軽に利用できる点は、メリットと言えるでしょう。
CFD銘柄も取り扱う取引商品の豊富さ
Milton Marketsは取引銘柄も豊富で、通貨ペア以外にも株式インデックスやメタル・エネルギー等のCFDも取り扱っています。それぞれの商品群ごとの取扱種類は以下のとおり。
種類数 | |
通貨ペア | 45種 |
株式インデックス | 11種 |
メタル・エネルギー | 6種 |
Milton Marketsでは合計で62種の銘柄を扱っています。他の業者と比較すると、海外FXの代表格であるXMの取扱銘柄は全部で約100種、AxioryやFBS、TitanFXでは70~80種、GemForexは約50種となっており、Milton Marketsの62種は平均的な取扱量と言えるでしょう。
全体の取扱商品が突出して多いわけではありませんが、Milton Marketsでは通貨ペア取引だけでなく株式やメタル等のCFDも取り扱っているため、通貨以外のトレードに興味のあるトレーダーにとっても都合の良い業者と言えます。
海外FX業者とは思えない充実した日本語サポート
Milton Marketsは海外FX業者屈指のサポート体制を整備しており、日本語での対応が非常に充実しています。サポートの手段は、電話・ライブチャット、LINE、Eメールから選択でき、マーケットの動向に合わせて平日24時間体制でのサポートが可能。特に電話とLINEはレスポンスも早く、緊急時にすぐにサポートが受けられる点で非常に優秀ですね。
また、Milton Marketsのホームページからも分かるように、日本語での表記にも違和感がなく、電話・メールに関わらず、日本語でのスムーズなやり取りが可能なため、海外FX初心者でも安心して利用できると言えるでしょう。
不定期に開催されるお得なボーナスキャンペーン
海外FXの大きな魅力の一つが充実したボーナスキャンペーンですね。Milton Marketsでは常設のボーナスキャンペーンは無いものの、不定期で口座開設ボーナスや入金ボーナス、キャッシュバック等のお得なボーナスを提供しています。
2020年7月現在、開催されているキャンペーンは無いものの、直近の1年間では以下のようなボーナスが開設されていました。
時期 | ボーナスキャンペーン | ボーナス内容 |
2020年5月1日~6月30日 | 口座開設ボーナス | 新規口座開設で5,000円 |
2020年5月1日~6月30日 | 家deトレード15%ボーナス | 入金額に対して15%のボーナス付与 |
2020年1月1日~1月31日 | 新年15%入金ボーナス | 入金額に対して15%のボーナス付与 |
2019年10月1日~12月31日 | キャッシュバック | 取引ロット数に応じて0.1または0.3pipsのキャッシュバック |
2019年12月17日~12月31日 | クリスマス15%ボーナス | 入金額に対して15%のボーナス付与 |
2019年11月16日~11月30日 | 紅葉15%ボーナス | 入金額に対して15%のボーナス付与 |
キャンペーンの内容としては、10万円~1,000万円までの入金に対して15%のボーナスが付与される入金ボーナスが多い印象ですね。不定期とはいえ、年に5~10回程は開催されるペースなので、今後のキャンペーン開催にも期待が持てます。
ロスカット水準は50%or100%とやや高め
ロスカット水準は裁量取引かMAMかによって設定が異なりますが、裁量取引の場合、ロスカット水準は証拠金維持率50%に設定されており、これは海外FX業者の中ではあまり低い方とは言えませんね。例えば他の主要業者のロスカット水準は以下のようになっています。
業者 | ロスカット水準 |
XM | 20% |
FBS | 20% |
HotForex | 10% |
TitanFX | 20% |
LandFX | 30% |
ほとんどがロスカット水準20~30%を設定しており、MiltonMarketsは他業者に比べてロスカットされやすいと言えるでしょう。海外FXでは数百~数千倍のハイレバレッジに加えて、ロスカット水準が低いことにより、少ない資金でも大きな利益を狙った資金効率の良い取引が可能となるため、この点ではMiltonMarketsはやや他業者に劣るということになりますね。
また、MAMの場合はさらにロスカット水準が高く、証拠金維持率100%となっています。MAMとは、Multi Account Managerの略称で、運用マネージャーに自分の資金を預けて運用してもらうコピートレードの一種。証拠金維持率100%では想定損失が証拠金残高を下回った瞬間に強制ロスカットが発生してしまうため、裁量取引以上に挑戦的な運用が難しいと言えるでしょう。
またMiltonMarketsの場合、海外FXでは当たり前のゼロカットについても注意が必要。万が一証拠金以上の損失が出た場合、強制的に追加入金を要求されることはありませんが、マイナス残高を入金するまでは取引不可の状態となります。つまり、マイナス分を請求されない点では、理論上、損失が無限に広がることはありませんが、これを補填してくれるわけではないので、取引を継続したければ自分で損失を被る必要があるということですね。
ゼロカット制度により、追証不要で証拠金以上の損失を補填してくれる海外FX業者が多い中、上記のMiltonMarketsのルールは、トレーダーにとってはやや不利な条件と言えるでしょう。
安全性や信頼性はやや不透明
顧客資産の管理体制や関連会社の破綻などにより、Milton Marketsの安全性や信頼性はやや不透明と言わざるを得ません。
顧客資産の管理は分別管理のみ
Milton Marketsの顧客資産管理方法は、大手銀行での分別管理を採用。運転資金と顧客から預かった資産は分けて管理されているため、万が一業者(運営会社)が倒産した時でも、顧客資産が債務返済に充てられてしまうことはありませんが、信託保全ほどの信頼性はない管理体制と言えますね。
信託保全を採用している海外FX業者はほとんどないことから、分別管理でも問題ないように感じますが、例えばXMのように分別管理に加えて資金保険を備えているブローカーも存在します。そういう意味では分別管理のみの資金管理体制は、やや安全性が低いと言えるでしょう。
海外FXの顧客資金管理の解説や資産管理体制が優れたおすすめの海外FX業者は下記で紹介しています。
FPAでのレビューは無し
FXに関する世界最大級のクチコミサイトとしてFPAというものが存在しますが、ここにMilton Marketsのレビューは一件も投稿されていません。実際の利用者が口コミを投稿してくれるFPAは、業者の優良度を確かめる上で非常に有益な情報を提供してくれますが、レビューがないということは実際の使用感が評価しにくく、信頼性を不透明にしている一因となっています。
世界最大のFX口コミサイトFPA(ForexPeaceArmy)については下記で詳しく解説しています。
親会社の破綻
Milton MarketsはGCM(ギャラント・キャピタル・マーケッツ社)が日本人向けに設立したブローカーですが、親会社にあたるこのGCMは2017年に破綻。当時のオーナが詐欺とマネーロンダリングで逮捕されるという事件が起きています。
そんな中Milton Marketsそのものは、顧客資産に一切の影響を与えずに真っ当な運営を継続し、現在ではトレーダーからの一定の評価を得ているものの、信頼性に関しての懸念点としては把握しておく必要があるでしょう。
他業者と比較して使い勝手はやや悪い
他業者と比べた場合、Milton Marketsの使い勝手は若干悪いという印象がありますね。
取引ツールはMT4のみ
Milton Marketsで利用できる取引ツールはMT4に限定されています。MT4は世界中のトレーダーが利用する最もメジャーな取引ツールではありますが、最近ではMT4だけでなくMT5やcTraderといったより高機能な取引ツールが利用できる業者も多く、一種類の取引ツールしか使えない点は、やや使い勝手に影響があると言えるでしょう。
送金手段は海外銀行送金とbitwalletのみ
Milton Marketsの入出金手段は、海外銀行送金とbitwalletの2種類のみ。送金手段が2種類に限られているという点で、不便さは否めませんね。
ちなみにMilton Marketsでの海外銀行送金とbitwalletの入出金時のと手数料は以下の通り。
入出金手段 | 着金時間 | 送金手数料 | |
入金 | 海外銀行送金 | 3~5営業日 | 無料 ※別途銀行手数料(2,000~4,000円)発生 |
bitwallet | 即時 | 無料 ※別途bitwallet手数料(100円)発生 | |
出金 | 海外銀行送金 | 3~5営業日 | 2,400円 ※別途銀行手数料 (2,000~4,000円)発生 |
bitwallet | 3~5営業日 | 無料 |
入金の場合、海外銀行送金・bitwallet双方で、Milton Markets側の手数料は発生しませんが、銀行送金では中継銀行間での手数料(2,000円~4,000円)、bitwalletではbitwalletの送金手数料100円を負担する必要があります。
出金の場合、海外銀行送金では、中継銀行間の手数料に加えて一律2,400円の手数料が発生します。一方でbitwalletでの出金の場合は手数料はかかりません。
着金速度や手数料を考慮して、可能な限りbitwalletを利用した方が良いでしょう。
Milton Marketsの利用をおすすめする相性の良いトレーダー
高い約定力で滑らず取引したいスキャルピングトレーダー
Milton Marketsの魅力は高い約定力でスリッページが発生しにくいことです。さらにスプレッドの狭さにも定評があることから、1日の取引回数が多く、確実に約定させて利益を稼ぎたいスキャルピングトレーダーにとっては、相性の良い業者と言えます。
また海外FX業者でありながら、業界トップレベルの日本語サポート体制を備えている点では、取引に不安のある初心者トレーダーや、日本語で確実な意思疎通がしたいトレーダーにとっても、安心して利用できる業者と言えるでしょう。
まとめ
やや信頼性に不安はあるものの、高約定力や狭スプレッドが魅力的なMilton Markets。大手の主要海外FX業者と比較して、使い勝手の面でやや気になる点はありますが、その優秀な取引環境と800倍という高いレバレッジは、ハイレバスキャルピングトレーダーにとって、十分利用価値がある海外FX業者と言えるでしょう。
日本語サポートも充実しており、利用する上ではあまり不安を感じませんので、気になるトレーダーはぜひ口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。
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