TradersTrust(トレーダーズトラスト/TTCM)は、STPまたはECN方式による透明性・公平性の高い取引環境を誇る海外FX業者ですね。平均0.1秒という約定スピードに加え、スプレッドの狭さが魅力であり、例えば最小2万円からの入金で利用できるプロ口座では、ドル円などの主要通貨ペアで1pips程度のスプレッドで取引が可能となっています。
そんなTradersTrustですが、設立は2009年と歴史があるものの、日本ではあまり知られていない海外ブローカーと言えるでしょう。グループとしてはキプロス証券取引委員などの許認可を取得しつつ、日本向けにはバミューダ共和国の条項に基づき登記した法人によって運営されています。
そこで本記事では、そんなTradersTrustのスプレッドについて詳しく解説。特徴や注意点、さらに口座タイプごとの平均スプレッドや、人気海外FX業者とのスプレッド比較なども行ってみたいと思います。
TradersTrustのスプレッドについて
すべての口座タイプで変動制スプレッドを採用
海外FX業者によっては、固定制スプレッドの口座タイプも用意している場合がありますが、TradersTrustでは提供する3つの口座タイプのすべてが変動制スプレッドとなっています。
変動スプレッドは固定スプレッドとは違い、相場状況に応じて細かくスプレッドが変動する方式ですね。東京・ロンドン・ニューヨークといった主な市場が開いている時間帯では、基本的に安定したスプレッドで取引することが可能です。
クラシック口座では手数料不要で取引可能
TradersTrustでは3つの口座タイプを提供しており、「クラシック口座」はその中でいわゆるスタンダード口座に相当する口座タイプです。
クラシック口座はスプレッド内包型の口座タイプであり、取引手数料は発生しません。その代わり、他の口座タイプと比較すると、スプレッドは広めになっています。
プロ口座とVIP口座はスプレッドは同じで取引手数料が違う
TradersTrustでは、「プロ口座」と「VIP口座」というECN方式による2つの低スプレッド口座タイプを提供しています。この2つの口座タイプでは、最小0pipsの狭いスプレッドで取引できる代わりに、別途取引手数料が必要な口座ですね。
2つの口座タイプはスプレッド自体は共通していますが、下記のように取引手数料と利用のための最小入金額が大きく異なっています。
プロ口座 | VIP口座 | |
最小入金額 | 2万円 | 200万円 |
1ロットあたりの往復取引手数料 | 6ドル | 3ドル |
VIP口座は取引手数料が3ドルと、TradersTrustの中ではもちろん他の海外FX業者と比較しても非常に取引コストが抑えられる口座タイプですが、最小入金額200万円という点はかなり高めのハードルと言えるでしょう。
一方、同じく低スプレッドのプロ口座は、最小入金2万円から低スプレッド・低コスト取引ができるので、多くのユーザーにとって使いやすい口座タイプとなっています。
FXと貴金属銘柄以外のCFD銘柄のスプレッドは、全口座タイプで共通になっている
TradersTrustでは、以下の銘柄が取引可能です。
- FX通貨ペア
- 貴金属
- 株価指数
- 原油
- 仮想通貨
このうち、口座タイプによってスプレッドや取引手数料が変わるのは、FX通貨ペアと貴金属のみです。
株価指数、原油、仮想通貨は、すべての口座タイプで同じスプレッドとなっており、プロ口座やVIP口座で取引した場合でも、別途手数料は発生しません。
VIPキャッシュバックにより実質コストの削減が可能
TradersTrustのVIPキャッシュバックは、クラシック口座とプロ口座での取引を対象にしたキャッシュバック制度です。名前に「VIP」とありますが、VIP口座は含まれない点は少しややこしいですね。
キャッシュバック可能なのは、TradersTrustで取引できる全銘柄であり、サーバー時間での1日の取引量を元に、下記の表のように段階的にキャッシュバック額が決まります。
1日の往復取引ロット数 | クラシック口座(ドル) | プロ口座(ドル) |
10〜19 | 5 | 5 |
20〜29 | 20 | 20 |
30〜39 | 30 | 30 |
40〜49 | 40 | 40 |
50〜59 | 55 | 55 |
60〜69 | 70 | 70 |
70〜79 | 85 | 85 |
80〜89 | 100 | 100 |
90〜99 | 110 | 110 |
100〜149 | 130 | 130 |
150〜299 | 200 | 200 |
300〜499 | 450 | 450 |
500〜999 | 875 | 875 |
1,000以上 | 2000 | 1000 |
最小でも1日あたり10ロットの取引をしなければキャッシュバックの対象にならないため、条件としてはやや厳しめですが、取引量の多いトレーダーにとっては、本キャンペーンを利用した実質的なコスト削減が可能になるでしょう。
TradersTrustの口座タイプ別実測平均スプレッド
ここからは、TradersTrustの口座タイプごとに、平均スプレッドを比較したいと思います。今回比較するスプレッドはすべて、2022年2月11日の欧州時間帯の実測値です。
スタンダードな位置付けであるクラシック口座、低スプレッド口座のプロ口座・VIP口座の順に見ていきましょう。
クラシック口座の実測平均スプレッド
クラシック口座では取引手数料がかからないので、スワップポイントを除けば、取引にかかるコストはスプレッドのみです。主要通貨ペアの実測平均スプレッドは以下のようになりますね。
クラシック口座 | |
EURUSD | 1.2pips |
USDJPY | 1.6pips |
GBPUSD | 1.8pips |
AUDUSD | 1.4pips |
USDCAD | 2.4pips |
USDCHF | 1.8pips |
TradersTrustのクラシック口座は、最小入金額5,000円からの利用しやすい口座タイプですが、スプレッドの面では、海外FXのスタンダード口座として平均的かやや狭めと言えるでしょう。
プロ口座・VIP口座の実測平均スプレッド
続いて、プロ口座・VIP口座の平均スプレッドを見ていきましょう。2つの口座タイプのコスト面での違いは取引手数料のみで、スプレッド自体は共通となっており、それぞれ1ロットの往復取引あたり以下の取引手数料がかかります。
- プロ口座:6ドル(0.6pips相当)
- VIP口座:3ドル(0.3pips相当)
主要通貨ペアにおける実測平均スプレッドと、各口座タイプのスプレッド+取引手数料の合計コストをまとめると以下のようになりますね。
スプレッドのみ | プロ口座(合計コスト) | VIP口座(合計コスト) | |
EURUSD | 0.2pips | 0.8pips | 0.5pips |
USDJPY | 0.5pips | 1.1pips | 0.8pips |
GBPUSD | 0.8pips | 1.4pips | 1.1pips |
AUDUSD | 0.3pips | 0.9pips | 0.6pips |
USDCAD | 1pips | 1.6pips | 1.3pips |
USDCHF | 0.5pips | 1.1pips | 0.8pips |
VIP口座はかなりの低コスト取引が可能ですが、前述したようにやはり最小入金額が200万円という点が、利用するにはハードルが高いポイントかも知れませんね。
プロ口座であれば最小入金額は2万円とそれほど高い金額ではないため、比較的気軽に低コストの取引に挑戦できると言えるでしょう。
他社口座タイプとの実測平均スプレッド比較
続いて、TradersTrustと主要な他社で口座タイプごとに実測平均スプレッドを比較していきたいと思います。
今回比較するスプレッドはすべて、2022年2月11日の欧州時間帯の実測値です。
スタンダード口座の実測平均スプレッド
まずは、外付けの取引手数料がない各社のスタンダード口座(またはそれに相当する口座タイプ)で、主要通貨ペアの実測平均スプレッドを比較したいと思います。
TradersTrust | XM | GemForex | Axiory | FXGT | TitanFX | Tradeview | |
口座名 | クラシック口座 | スタンダード口座 | オールインワン口座 | スタンダード口座 | スタンダード口座 | スタンダード口座 | X Leverage口座 |
EURUSD | 1.2pips | 1.7pips | 1.5pips | 1.2pips | 1.5pips | 1.1pips | 1.8pips |
USDJPY | 1.6pips | 1.6pips | 1.6pips | 1.4pips | 1.7pips | 1.3pips | 2.1pips |
GBPUSD | 1.8pips | 2pips | 2.1pips | 1.3pips | 1.8pips | 1.4pips | 2.1pips |
AUDUSD | 1.4pips | 1.6pips | 2pips | 1.7pips | 1.6pips | 1.1pips | 2.1pips |
USDCAD | 2.4pips | 2.4pips | 2.2pips | 2.1pips | 2.4pips | 1.5pips | 2.7pips |
USDCHF | 1.8pips | 1.9pips | 3.3pips | 1.7pips | 2.2pips | 1.4pips | 2.2pips |
スタンダード口座のスプレッド比較では、TitanFXやAxioryといった低スプレッドに定評のある業者で、特に狭いスプレッドを提供していることがわかりますね。
TradersTrustのクラシック口座は、その2社を除いた中では比較的狭いスプレッドとなっています。
低スプレッド口座の実測平均スプレッド
続いて、低スプレッド口座タイプを比較しましょう。こうした口座タイプでは、取引方式によって、取引手数料が別途必要になることがほとんどですので、まずは各社の低スプレッド口座の、1ロットあたりの往復取引手数料を確認しましょう。
今回比較した7社の低スプレッド口座は、TradersTrustを含めてほとんどがECN方式の口座のため、別途手数料が発生しますが、GemForexのみ恐らくDD方式となっており低スプレッド口座においても手数料が必要ありません。
続いて、主要通貨ペアの実測平均スプレッド(カッコ内は取引手数料を含む実質的な合計コスト)を比較しましょう。
TradersTrust | XM | GemForex | Axiory | FXGT | TitanFX | Tradeview | |
口座名 | VIP口座 | XM Zero口座 | ノースプレッド口座 | ナノ口座 | ECN口座 | ブレード口座 | ILC口座 |
EURUSD | 0.2pips (0.5pips) | 0.2pips (1.2pips) | 0.5pips | 0.2pips (0.8pips) | 0.2pips (1.2pips) | 0.1pips (0.8pips) | 0.1pips (0.6pips) |
USDJPY | 0.5pips (0.8pips) | 0.3pips (1.3pips) | 0.4pips | 0.4pips (1pips) | 0.3pips (1.3pips) | 0.4pips (1.1pips) | 0.4pips (0.9pips) |
GBPUSD | 0.8pips (1.1pips) | 0.5pips (1.5pips) | 1.5pips | 0.4pips (1pips) | 0.4pips (1.4pips) | 0.4pips (1.1pips) | 0.3pips (0.8pips) |
AUDUSD | 0.3pips (0.6pips) | 0pips (1pips) | 0.6pips | 0.5pips (1.1pips) | 0.5pips (1.5pips) | 0.1pips (0.8pips) | 0.3pips (0.8pips) |
USDCAD | 1pips (1.3pips) | 0.8pips (1.8pips) | 0.8pips | 0.8pips (1.4pips) | 0.9pips (1.9pips) | 0.7pips (1.4pips) | 0.7pips (1.2pips) |
USDCHF | 0.5pips (0.8pips) | 0.3pips (1.3pips) | 0.9pips | 0.5pips (1.1pips) | 0.4pips (1.4pips) | 0.4pips (1.1pips) | 0.4pips (0.9pips) |
純粋なコスト比較では、GemForexのノースプレッド口座が非常に優秀ですね。ただしGemForexでは、スキャルピングや取引数量に制限がある場合がある点に注意が必要です。
それ以外のECN口座の中では、TradeviewのILC口座が破格の低コストを提供していると言えるでしょう。TradersTrustのVIP口座も、最小入金額のハードルを除けば、ILC口座と同等レベルの低いコストで取引が可能となっています。
TradersTrustのスプレッドの注意点
最後にTradersTrustのスプレッドの注意点として、スプレッドが広がりやすいタイミングなどを確認したいと思います。
日本時間の早朝はスプレッドが広がる
日本時間の早朝7時前後(夏時間は6時前後)では、各FX業者がロールオーバー(日をまたいでポジションを引き継ぐこと)処理などのために新規注文を受け付けない時間があります。
そうしたタイミングでは一時的に流動性が下がり、通常よりスプレッドが拡大します。市場が開いている曜日はもちろん週をまたぐタイミングでも、このスプレッドの広がりは毎朝少ながらず起きるものなので、注意が必要です。
指標発表・要人発言時はスプレッドが広がる場合がある
指標発表・要人発言や、その他政治経済のイベントでも、注目度が大きいものや、市場にインパクトを与えるような内容だった場合、それによってボラティリティが増加しスプレッドも広がる場合があります。
米国雇用統計を始め、ファンダメンタルズ的なイベントではあらかじめスケジュールが決まっているものもあるので、注目されるものが発表されるタイミングでの取引には注意した方が良いですね。
まとめ
TradersTrustのスプレッドはスタンダード口座、低スプレッド口座ともに、海外FX業者の中では「やや狭め」の位置付けになるでしょう。ただしVIP口座の実質的なスプレッドは他社と比較しても狭いため、最小入金200万円をクリアできる資金の豊富なトレーダーにとっては、面白い選択肢になるのではないでしょうか。
約定拒否なし、ストップレベル0pips、スキャルピング可のTradersTrustは、取引しやすい環境が整っているため、興味がある人はぜひ利用してみてください。
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